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Interview – 谷浩彰[UNCHAIN]

  • Interview:Koji Kano
  • Photo:Masahiro Yamada

追い求めた“ノリとグルーヴ”
25周年が示す現在地

ジャズ、ソウルを基盤とした透明度の高い洗練されたサウンドを鳴らすロック・バンド、UNCHAIN。そのサウンドとメロディ・センスは国内ロック・シーンのなかでも一際存在感を放っている。今年バンド結成25周年を迎えた彼らが、約2年半ぶりとなる待望の11thアルバム『Animal Effect』をリリースした。ベーシストの谷浩彰は70’sファンクをルーツとした多彩なベース・プレイを展開し、グルーヴの根幹を担っている。昨年にはギタリストの脱退という困難もあったなかで制作された本作に、彼らはどのような思いを込めたのだろうか。谷のベース・プレイのメカニズムとともに、UNCHAINが提示する新たなサウンドを紐解いていきたい。

どんなサウンドやジャンルであっても、自分なりのノリとグルーヴを出す

━━UNCHAINは今年バンド結成25周年となります。特別な思いもあるのでは?

 正直、自分たちは25周年っていう実感はあまりなくて(笑)。まわりからそう言っていただくなかで、“長くやってこれたなぁ”って実感させられるんです。

━━昨年にはギターの佐藤(将文)さんの脱退もありましたが、現在のバンドの雰囲気はいかがですか?

 もともとUNCHAINは、谷川(正憲/vo,g)と吉田(昇吾/d)と僕の3人で始めたバンドなので、感覚としては3人に戻ったって感じなんです。ただ、佐藤が脱退する際のラスト・ツアーも延期になったままで複雑な気持ちもあるので、早くみなさんの前でライヴしたいという思いが一番ですね。

━━ギタリストの脱退によって、ベーシストとして考え方やプレイに変化はあったのでしょうか?

 僕の場合ベース・プレイに関しては、“グルーヴを求める”っていう考えが大前提にあって、メンバーが脱退したからと言ってそれが揺らぐことはないですね。ただ歌う面で言うと、コーラスがひとり減ったので、そこをどう僕が補えるかが課題なんです。実際僕が歌う量はかなり増えたので、それをライヴでどう表現するかは悩ましいところですね。

━━なるほど。ではベース・ラインはどのように作っているんですか?

 一番は“ノリ”を重視しつつ、曲のアレンジを踏まえてトータルでフレーズを構成しながら作っていきます。ベース・ラインは谷川(正憲/vo,g)と一緒に考えることも多いんですけど、彼からざっくりとしたフィルの注文を提示されることもあるので、それを自分なりにアレンジしてフレーズに落とし込むことでフレーズを作っていきます。

左から谷浩彰(b,cho)、吉田昇吾(d)、谷川正憲(vo,g)
『Animal Effect』
CROWN STONES
CRCP-40624

━━UNCHAINは多様なサウンド/ジャンルを取り入れた楽曲が魅力ですが、ベース・プレイにも同様に多彩さが求められるのでは?

 僕としてはどんなサウンドやジャンルの楽曲であっても、自分なりのノリとグルーヴを出すことが大事だと思っていて、それが結果的にUNCHAINの音楽になると思ってるんです。もちろん幅広いプレイが必要になるときもありますが、まずは自分らしいプレイを第一に考えるようにしています。

━━ちなみに、影響を受けたベーシストは?

 ブーツィー・コリンズやジョージ・ポーターJr.といった70年代のファンク・ベーシストには特に影響を受けています。それ以外だとスライ&ロビーのロビー・シェイクスピアの独特のあのノリやリズムの取り方にもインスパイアを受けましたね。日本人で衝撃を受けたのは韻シストのShyoudogさん。ノリがすごいし歌い手としてもパワフルで、あれを歌いながら弾いているのはすごいですね。こういったベーシストたちのエッセンスを自分のプレイにも落とし込んでいるんです。

━━今作『Animal Effect』は前作から約2年半ぶりの作品になりますね。制作はいつから始まったんですか?

 去年の春頃、自粛期間中にスタートしました。自粛期間であっても何かしようということで、リモートのデータのやり取りで新曲作りを進めていったんです。リモートは初めての試みで、僕はもともとパソコン系にすごくうとい人間なので結構苦労しました。“スタジオでやれば一発なのに”って感じでしたし、家のWi-Fi環境の大事さを実感しましたね(笑)。

『Animal Effect』Album Trailer

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