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    INTERVIEW-REITA[the GazettE]

    • Interview:Koji Kano

    “主張するベース”から“支えるベース”に意識が変わっていったなって
    自分では思っています。

    ――2014年には “LOUD PARK 14”、2016年には“KNOTFEST JAPAN 2016”といったメタル・フェスにも出演するようになりましたが、ヘヴィ/ラウド化した背景にはこういったイベントに出演したことも要因としてあるのでしょうか?

     大きかったと思いますね。メタル・フェスに出たあとに『DOGMA』をリリースしているし、出演者のいろいろなバンドのサウンドも聴ける範囲で聴きに行ったりして、学びの場ではありましたから。バンドとしてもラウドな方向に向かって行こうっていう明確な意識があったと思います。

    ――改めてREITAさんのプレイを聴いていると、重厚感を演出するフレージングのなかにも、クリーン・ヴォーカルの箇所ではメロディに合わせた音選び/フレージングを展開していて、ヘヴィ・サウンドであっても楽曲を彩る姿勢を感じるんですよね。

     確かにメタルコアのようなサウンドの曲が増えていますけど、俺のルーツとしてはそんなにメタルがあるわけではないので、自然と動くフレーズをやりたくなるというか、多少動いているフレーズのほうが俺にとってはルーツに近いんです。あとクリーン・ヴォーカルの部分って、ベースの見せ場な感じがするんですよ。だから曲によってはレコーディングのときに“ここ、ベースいらないんだよね”って言われて却下されることもあって。今出ている曲はなんとか通ったってことなんですけど(笑)、なんかこう、ああいうさりげない部分に、ベースって楽器の良さが出るのかなって思います。

    ――ちなみに現在の音作りは? 今のサウンドはドンシャリではなく、ミドルに芯がありつつも過激なハイゲインのイメージです。

     今は基本的に歪みが多めですね。昔は60〜80Hzあたりにロー感のピークを持ってきていたんですけど、今は130Hzあたりがピークになっています。『MASS』(2021年)からそのあたりの帯域を意識して音作りするようになりましたね。下に行けば行くほど良いと思っていた時期から脱却して、ある程度聴こえやすいローというか、今だとパソコンでそのまま再生する人も多いので、パソコンのスピーカーでも再生されやすいサウンドを意識しています。

    ――現代のリスニング環境に合わせた帯域の変化ということですね。

     スーパー・ローって再生するスピーカーとかイヤホンを選ぶと思うんですけど、もう少し上のローであればだいたいどのスピーカーでもしっかり出てくれる。だからなるべくどのスピーカーで聴いても再生されるローを出すことを意識しています。

    ――ここまでお話しを聞いてきましたが、改めてバンド・サウンドの変化と自身のベース・プレイ/サウンドの遍歴を振り返ってみていかがしょう?

     初期の頃はステージングもフレーズも前に出たくて仕方がなかったというか、とにかくベースを前に感じさせたかった部分があったんですけど、時代を重ねるごとに、だんだんうしろで感じさせたいって思うようになったんです。その感覚は「Filth in the beauty」ぐらいから特に顕著になってきて、ステージングも昔はしょっちゅう前に行っていたのが、キャビネットに張り付くタイプになったりとか、そういう部分も変化した。“主張するベース”から“支えるベース”に意識が変わっていったなって自分では思っています。

    ――自身のなかでそういった意識改革があったということですか?

     うーん……出てくる曲がそうさせたのかもしれないですね。やっぱりラウドでユニゾンする曲が増えてくると、“ベースで支えるしかない”って思う部分もありましたから。でも今となってはそういうベースのほうが理想だし、20年やってくるといろいろと大人になる部分もあるということですかね(笑)。

    ――最後に、結成20周年を迎えたバンドが見据える今後の展望を教えてください。

     止まることなく、また気づいたら“30周年ですね”って言われるように、ずっと最前線で戦っていきたいと思います。やっぱり大御所になってくると皆さんライヴの回数が減って、年に数回大きいところで演るって感じになるバンドも多いじゃないですか。でも俺らはタイプ的にそっちは向いていないと思うんです。泥臭い感じで、もちろん大きいところでも演りたいけど、ちゃんとツアーをやって全国をまわり続けたいなって、そういうバンドであり続けたいたいなって思います。

    ――では、ベーシストとしては今後どのようなプレイをしていきたいと思いますか?

     俺が常に自分自身に求めているものって“安心感”なんですよ。“彼がうしろで弾いていれば安心できるよね”っていう部分を確立させたいと、特にここ数年は思っているので、まだまだ未熟な部分とか安心できない部分もあると思うんですけど、そこをしっかりと構築していきたいなと思います。

    REITA
    ◎Profile
    れいた●5月27日生まれ、神奈川県出身。中学時代にベースを始め、2002年にthe GazettEを結成する。インディーズでの精力的な活動で人気を博し、爆発的なセールスとライヴ動員を記録。2006年には日本武道館、2010年には東京ドームでの単独公演も成功に収め、2013年にはワールド・ツアーも成功させている。2022年12月21日に結成20周年を記念したベスト・アルバム『the GazettE 20TH ANNIVERSARY BEST ALBUM HETERODOXY-DIVIDED 3 CONCEPTS-』をリリースした。

    ◎Information
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