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    INTERVIEW – 高井佑典[a crowd of rebellion]

    • Interview:Koji Kano

    13年間このバンドで経験してきた、自分のなかにあるすべてを体現して
    カッコよく消えてやろうと思ってます。

    高井のエフェクト・ボード。右から、SHURE/GLXD6(ペダル型ワイアレス・レシーバー)、メサ・ブギー/High-Wire(バッファー)、PLANET WAVES/Chromatic Pedal Tuner(チューナー)、ダークグラスエレクトロニクス/Microtubes B7K(プリアンプ)、ズーム/B3n(マルチ・エフェクター)。

    ━━エフェクト・ボードではどういったサウンド・メイクを?

     基本的にダークグラスのB7Kをメインのサウンドとしています。個人的にコーティングっぽい、芯の部分まで歪んでいる音は好きではなくて、わりと弦自体の音が聴こえてくるような歪みが好きなので、そういったセッティングにしています。リベリオンはギター2本が前面にいてかなり歪んでいるので、自分はうしろで一定感を保つのがバンドのためになるかなと思っています。それもあってライヴでは聴感上はそこまでベースは歪んでいるように聴こえないかもしれませんね。

    ━━ズームのB3nは主にどんな音色で使用していますか? 

     主に内蔵されているアンペグのモデリングと、ノイズ・サプレッサーでノイズを軽減する目的ですね。あとはスラップをする曲もあるので、そういった箇所では内蔵のMXRのコンプレッサーのモデリングを使っています。このモデリングはスラップにすごくいい感じに合うので、ある意味コンプだけどエフェクター的な感覚かもしれません。B3nを通ったあとは、先頭にあるメサ・ブギーのHIGH-WIREに戻して出力、という流れです。

    ━━メサ・ブギーのHIGH-WIREはどういった用途で使っているのですか?

     これがかなり優秀なやつなんですよ。接続順としては、SHUREのGLXD6のあとHIGH-WIREにベースの信号が入って、最後にまたこれに戻ってくる流れになっているのですが、これを通すと体感として音が15センチくらい前に来る感覚があるんです。あと、コンプ的なかかり方で弱いところが持ち上がるような感じもあって、そういったコンプ的な意味でも使用しています。

    ━━ライヴではドライとウェットの2系統のシステムで出力されているのですか?

     そうですね。普段のライヴだとTCエレクトロニックのヘッド・アンプに入る前にAB BOXに入れてライン感のあるライン音を作りつつ、別でもう一回線をダークグラスのアルファオメガに入れて、ちょっとキャビネット的な鳴らし方の音に作っています。聴き取りやすい音と、少し歪ませてロー成分を膨らませた音に分けているイメージですね。大きいステージでメサ・ブギーのチューブ・アンプを使うときは、キャビネットの音をマイクで録って、重圧感を出したりもしますよ。個人的にラインとキャビネットで音のタイム感がズレるのがすごくイヤなので、AB BOXでできるだけ同じタイム感で鳴るように調整しています。

    ━━今作で使用したメイン・ベースは?

     コンバットで製作したカスタム・オーダーの4弦ベースです。ブビンガ・ボディということもあって、5キロ後半くらいの重量でかなり重いんですけど、これが本当にいい音なんです。

    今作の録音で使用された、高井のメイン器であるコンバット製の4弦ベース。2018年にカスタム・オーダーで製作されたもので、ピックアップにはEMGが2基搭載されている。

    ━━コントロール横のピック・ホルダーが個性的ですね。

     これはライヴ中にピックを落としたときの対策と、指弾きに切り替える際にスムーズに切り替えができるように考えた結果、ここにピック・ホルダーを取り付けることになったんです。

    ━━メタルコア・シーンでは5弦ベースがスタンダードになりつつありますが、なぜ4弦を製作したのでしょうか?

     僕らの曲はバッキング・ギターとベースがユニゾンするようなフレーズが多くあるのですが、5弦にしてしまうとけっこう無理な運指が出てきてしまうこともあって、現実的に対応できないかな、ということでずっと4弦ベースでプレイしています。チューニングもすべてドロップC で固定なので、持ち替えたりする必要もないですからね。

    ━━さて、高井さんは来年2月の東名阪ツアーをもってバンドを脱退するわけですが、これまでリベリオンのベーシストとして歩んできた道を振り返っていかがですか?

     あっという間の13年間でした。ベーシストって、ヴォーカル的な立ち位置でどんどん前に出ていくタイプと、うしろでひたすら支えることに徹するタイプのふたつに分かれると思うんです。そのなかでも自分は後者で、メンタル的に職人気質というか、まわりを支えることに尽力するタイプのベーシストだったと思いますし、そこを突き詰めてきた13年間だったなと。僕らはぞれぞれの個性が5つ存在する形より、5人でひとつの塊になったほうが強くなるバンドだと思うので、そのひとつの塊をより強くするために、支えることに徹することができたと思っています。

    ━━ラストとなる地元・新潟&東名阪ツアーへの意気込みを教えてください。

     13年間このバンドで経験してきた、自分のなかにあるすべてを体現してカッコよく消えてやろうと思ってます。気持ちとして、自分がいた頃が一番よかったと言わせられるような、一番カッコいい自分を出して一線を引きたいですね。このツアーに今までベーシストとして得てきたものを全部突っ込むつもりです。

    ━━では最後にファンのみなさんに向けてひと言お願いします。

     自分がいる状態を好きでいてくれていた方々には申し訳ないという気持ちはありますが、これからは第二の人生を歩んでいこうと思います。バンドを辞めたことで、これまでとは違った幸せを見つけられるようになりたいですね。僕が離れたことで結果的にリベリオンがより良い形になればいいなと思っています。これまでついて来てくれたファンの方々、そしてメンバー4人に改めて感謝を送りたいと思います。

    a crowd of rebellion Presents Zealot City Tour 2021 〔←REDO.〕

    2021年2月6日(土) 新潟 GOLDEN PIGS RED STAGE ※新潟公演のみ、FC(オフィシャル・メンバーズ・サイト「acor members」会員)限定
    1部:OPEN 15:30/START 16:00
    2部:OPEN 18:30/START 19:00

    2021年2月8日(月) 名古屋 CLUB QUATTRO
    OPEN 18:00/START 19:00

    2021年2月17日(水) 渋谷 CLUB QUATTRO
    OPEN 18:00/START 19:00

    2021年2月24日(水) 梅田 CLUB QUATTRO
    OPEN 18:00/START 19:00

    ◎Profile
    たかい・ゆうすけ●2007年に新潟県で結成された5人組ロック・バンド、a crowd of rebellionのベーシスト。結成以降、スクリーモやメタルコアを基盤としたサウンドとツイン・ヴォーカルを武器に、幅広い層から人気を獲得する。バンドは2012年にミニ・アルバム『Hydrangea』でデビュー、2015年3月にはシングル「The Crow」でメジャー・デビューを果たす。2020年11月11日に4thアルバム『 Zealot City』をリリースした。高井は2021年2月の東名阪クアトロ・ツアーをもって結成から13年間連れ添ったバンドを脱退する。

    ◎Information
    a crowd of rebellion Official HP YouTube Twitter
    高井佑典 Twitter