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    INTERVIEW − 圭吾[Novelbright]

    • Interview:Kengo Nakamura

    エゴではない、バンドを生かすためのド派手フレーズ

    ハイトーン・ヴォーカルが歌う日本人の琴線に触れるメロディ、そして同期音もフィーチャーしながら隙のないアレンジによるバンド・サウンドを武器に、邦楽ロック・シーンを急激な勢いで駆け上っている大阪発の5人組、Novelbright。昨年のメジャー・デビュー以来、各方面で大きな話題を振りまいている彼らが、メジャー1stアルバム『開幕宣言』を発表した。アルバム・タイトルどおり、まさにメジャー・シーンをかき回す決意が込められた充実した楽曲群は、ベスト盤かのごとく“強い”楽曲が並んでいる。そして、彼らのサウンドにおいて、ヴォーカルと肩を並べるぐらいに強力な主張を展開しているのが、圭吾のベースだ。Novelbrightに加入して初めてベースを手にしたという彼のベース歴は約2年半。しかし、そのプレイは実に堂に入り、すでに“成熟”とも言える視点でプレイされている。今後の新たなベース・ヒーローになる可能性を大きく秘めた圭吾が、本誌初登場である。

    好きなメンバーと好きな音楽をやることのほうが、僕には重要。

    ━━圭吾さんはもともとドラマーで、Novelbrightに加入するためにベーシストに転向したそうですが、そもそも、なぜドラムを始めたんですか?

     兄の影響です。兄がギターをやっていて、最初はギターをやってみないかって言われたんですけど、難しくて(笑)。これはできないぞってなったときに、“じゃあドラムは?”ってことになったんです。8ビートを教えてもらって、そこらへんにあった木の棒でやってみたらなんとなくできたので、ドラムならできるんじゃないかっていうことで始めました。中2のときでしたね。

    ━━それ以前にも音楽への興味はあったんですか?

     もともとバンドの音楽は聴いていて、特にUVERworldが好きでした。そのほかにも、GReeeeNやコブクロといった、身近で流行っていた音楽は聴いていましたね。ドラムを始めたときにはちょうどヴィジュアル系にめっちゃハマっていて。ナイトメアやthe GazettEとかの世代ですね。中2〜高1くらいまでは、ヴィジュアル系のコピー・バンドを兄と一緒にやっていました。

    ━━ナイトメアやthe GazettEのドラムって、わりとテクニカルな要素も入っていますよね?

     そうなんですよね。一番最初にやった曲からめっちゃテンポ・チェンジとかがあって、すごく無謀なことをしていたなって思います(笑)。高3くらいからはオリジナル曲をバンドで作り始めて、高校生のメンバーでやっていました。高校を卒業してからもバンドは続けていて、当時は岐阜に住んでいたんですけど、名古屋のライヴハウスに出ていました。そこでNovelbrightと対バンして知り合ったんですよ。

    左から、沖聡次郎(g)、 ねぎ(d)、竹中雄大(vo)、圭吾(b)、山田海斗(g)
    『 開幕宣言 』
    ユニバーサルシグマ/UMCK-1689(通常盤/CD Only)

    ━━対バンするくらいだから、わりと近い音楽性のバンドだったんですか?

     そうですね。同期でピアノやストリングスも出した感じのバンドで、今のNovelbrightよりもシンフォニック感は強かったんですけど、けっこう近い音楽性というか。

    ━━結局、ドラムは7年くらいやっていたんですよね。そこからNovelbrightにベーシストとしてスカウトされて加入を即決したそうですが、7年もやっているとドラムに愛着もあったのではないかなと思うんですが。

     もちろんドラムへの愛着は大きかったんですけど、それよりも好きなメンバーと好きな音楽をやるっていうことのほうが、僕には重要で。パートはその次っていうくらいの気持ちでしたね。

    ━━ちなみに、ドラマー時代はベースという楽器をどういう風に見ていましたか?

     いや、これが、僕はぶっちゃけ、音楽を聴くときにドラムしか聴いてこなかったので、ベースが聴こえていなかったんですよ(笑)。ベース・ソロとかスラップみたいな目立つ部分はわかるし、スタジオで合わせるときには音は聴こえるから、合う合わないっていうのはわかるんですけど、ベースの役割がどういうものかっていうのは全然知らなかったし、音源になったときにはベースってよく聴き取れなかったりして。ドラマーとしてもよくないですよね(笑)。当時は、それくらい自分のことしか考えていなかったんだなって思います。ベースを始めたことで、やっとリズム体の絡みの大事さみたいなものを知ったというところはありますね。

    ━━Novelbrightに加入しての初音源『「EN.」』ではシンプルなプレイが多かったですよね。それが前作『WONDERLAND』では派手な動きのベースも多くなり、新作『開幕宣言』でも『WONDERLAND』の延長線上にあるような派手なプレイになっています。『「EN.」』から『WONDERLAND』の間に何があったんですか?

     『「EN.」』をレコーディングしたのが、ベースを始めて4ヵ月くらいだったんですよ。誘われたときも、“1ヵ月後にライヴあるから、よろしく!”って、けっこう無茶苦茶な感じだったんです(笑)。だから『「EN.」』のときには自分でベース・ラインを作ることもできなかったし、“鬼のルート弾き”みたいな感じで録ったんですよね。『WONDERLAND』はその1年後なので、その間にいろんな曲を聴いたり、メンバーと話したりスタジオに入ったりして、“ベースってこういう役割があって、こういうときにはこういう動き方をするんだな”っていうことが徐々にわかってきたんです。

    ━━ベースがどういうものかを探求していくなかで、スタイルの変化が起こったと。ベーシストにも、ボトムを支えるシンプルなプレイを身上とするタイプと、派手なフレーズで楽曲を彩るタイプがいますが、圭吾さんは後者であったということですね。

     そうですね。派手なベースのほうが好みです。『「EN.」』を聴いていて、僕としては、ドラムとベースだけでもずっと聴いていられるくらいじゃないと楽しくないなって思っちゃったんですよ。インストで聴いていても楽しいくらいにベースが動いているのがカッコいいなって。

    ━━影響を受けたベーシストはいますか?

     『WONDERLAND』のときは、Aimerでベースを弾いていらっしゃる高間有一さんを紹介してもらって、いろいろと教えてもらったんです。そのときは高間さんの影響は大きかったですね。ただ、特定のベーシストやほかのバンドをめちゃくちゃ研究したっていうよりは、自分で感じたように自由に作っている感じです。

    『開幕宣言』全曲ダイジェス・トレーラー
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