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    INTERVIEW – 山下昌良[LOUDNESS]

    • Interview:fuyu-showgun

    40周年の重みが宿る、鋼鉄の低音

    2021年にデビュー40周年を迎えた日本が世界に誇るモンスター・バンドLOUDNESSが、40周年を記念した29枚目となるオリジナル・アルバム『SUNBURST〜我武者羅』をリリースした。バンド史上初となる2枚組の大ヴォリュームで展開される本作において、ベーシストの山下昌良は極太のボトムラインでアンサンブルを支えつつ、風格を感じさせる圧巻のベース・プレイを展開。世界を陥れるパンデミックのなか、彼らは重低音として我々に光を届けている。節目となった本作にかける思いと、込められたベース・サウンドについて山下に話を聞いた。なお、1月19日発売のベース・マガジン2022年2月号にも山下昌良のインタビューを掲載! 誌面では『SUNBURST〜我武者羅』での具体的なベース・プレイについて聞いているので、あわせてチェックしてほしい。

    “大丈夫か? これ、酔うてるんちゃうか⁈”って(笑)。

    ——2021年は再々延期になったツアー“LOUDNESS World Tour 2019-2020 THANK YOU FOR ALL Chapter 4 LIVE in JAPAN”、そして40周年ツアー“LOUDNESS 40th Anniversary JAPAN TOUR 2021 THE SHOW MUST GO ON”と、徐々にライヴが開催できるようになりましたが、オーディエンスは声が出せなかったりと制約も多く、これまでとは違う状況下のライヴだったと思います。そのあたりはステージから見てどう感じていましたか?

     LOUDNESSのファンは我々と同年代の方も多いので、もともとスタンディングで“ウワーッ!”となるよりも着席を求めているお客さんが多かったんですね。だからZeppでやるときも前方は椅子席を作ったりしてたんです。そういう意味では、(この状況下のライヴは)LOUDNESSのお客さんはイヤではなかったんじゃないのかな。若いバンドのファンはスタンディングでぎゅうぎゅうになって、モッシュしないとライヴじゃない、ということもあるだろうけど。LOUNDNESSはそこは当てはまらないんじゃないかと思います。

    ——コール・アンド・レスポンスができなくて、寂しいというバンドも多くいるので。

     そういう意味では、LOUDNESSはコロナ前とそんなに変わらないというか。お客さんもじっとプレイを観るという感じで。もともと、大声を出して盛り上がるというのはそんなになかったんでね。ただ、僕としては打ち上げができなくなってしまったのが寂しいですね。ツアーで地方に行ったらその土地の美味しいものを食べながらお酒を飲むというのも楽しみだったんで。それができなくなってしまったので、すっかり家飲みのプロになってしまいました(笑)。

    左から、山下昌良(b)、二井原実(vo)、鈴木政行(d)、高崎晃(g)。
    『SUNBURST~我武者羅』
    カタナミュージック
    KTNC-1~3(初回生産限定盤)
    KTNC-4~5(通常盤)

    ——海外ツアーは延期になってしまいましたが、そのぶん制作に集中できたところはありますか?

     そうなんですよ。40周年でニュー・アルバムを作ってたわけですけど、もしコロナがなかったら、ヨーロッパ・ツアー、アメリカ・ツアー、国内ツアーとあったんで、“いつ作んねん!”っていう状態でしたね。海外ツアーがなくなったぶん、時間はたっぷりあったんで、レコーディングを何回かに分けてやって。納得のいくまでやり直しました。だから満足のいく作品ができました。そこはポジティブに考えてよかったなと思います。

    ——そうして完成した『SUNBURST~我武者羅』は、全16曲2枚組という形になりましたけど、これは想定したものだったのでしょうか?

     最終的に16曲集まって、削る曲がないから2枚出そうか、2枚組にしようか、という話は当初からありましたね。

    ——本作で印象的なのは日本語詞ですが、最初からそのつもりで作られたのですか?

     最近は全部英詞なんで、いつも二井原(実/vo)さんが日本語で書いてそれを英語に直すんですけど、今回は高崎(晃/g)さんが作った日本語の歌詞がすごいハマるということになって。それもコロナで時間がたっぷりあったからでしょうね。コロナじゃなかったら、二井原さんが作ってきた詞を英語にしてそのまま終わってたんじゃないかな。蓋を開けてみれば16曲中、1曲はインストなんですけど、2曲英語で、それ以外は全部日本語。復活第一弾のときも日本語はありましたけど、久々ですね。いわゆる“オールドLODNESS”と呼ばれる『魔界典章』『撃剣霊化』の頃のニュアンスに近い日本語の歌詞かなと思います。

    ——かなりインパクトのある言葉選びですよね。

     高崎さん独特の歌詞だなと。一斉メールでやりとりするんですけど、最初にメールで歌詞だけ送られてきたときに、“大丈夫か? これ、酔うてるんちゃうか⁈”って(笑)。“誕生前夜”、“戦慄の奇蹟”、“魔界転生”、“撃剣霊化”と過去のアルバムのタイトルが出てきたり、“富士山のてっぺん”やら、“新幹線”に乗ったり、“火星人の頭にも響かせろ”とか出てくるから(笑)。最初はびっくりしましたけど、ぶっ飛んでておもしろいんじゃないかなと思います。

    ——メンバーでもびっくりしたんですね(笑)。

     かなりびっくりしましたよ!(笑)

    ——日本語詞と英語詞では演奏自体も違ってきたりします?

     ほとんど変わらないですね。ただ、何を言ってるかがわかるっていうのはあります。英語だとちょっと意味がわかりづらいですから。

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