プランのご案内
  • PLAYER

    UP

    Interview – Sacchan[DEZERT]

    • Interview:Kengo Nakamura
    • Photo:Taichi Nishimaki(Live)

    Bass

     ライヴのメイン・ベースはdragonflyのSHB5/345をもとにオーダーしたオリジナル・モデル。5弦をタイトに鳴らしたいというところで、34.5インチ・スケールやシングルカット・シェイプを持つSHB5/345を選択したという。dragonfly製のプリアンプを装備したアクティヴ・モデルではあるが、パッシヴ・ベースにこだわりを持つSacchanはパッシヴ・モードで使用している。オーダーに際し、複数のコンデンサーを試し、ヴィンテージのフェンダーに採用されているタイプをセレクトしたとのこと。ボディと指板に大胆に入れられたペイントは、Sacchan自身がポスカで描いたもの。なお、『RAINBOW』のレコーディングでは本器のほか、サドウスキーTYO、ワーウィック、フェンダーのアメリカン・デラックスのベースなどが使用された。

    Effects

     Sacchanの足下には2枚のエフェクト・ボードが並べられている。
     足下右側のボードは、主に飛び道具系を集めたもので、TCエレクトロニック製Flashback(ディレイ)、ジム・ダンロップ製105Q CRYBABY BASS WAH(ワウ・ペダル)、デジテック製ベース・ワーミー、ズーム製B3(マルチ・エフェクター)、同MS-60B(マルチ・エフェクター)、MXR製M82(エンヴェロープ・フィルター)、ボス製DD-20(ディレイ)が用意されている。B3にはトレモロ、スロー・アタック、フェイザー、MS-60Bにはオルガンのシミュレーターをアサインしていたが、これらは頻繁に入れ替わるとのこと。いずれも楽曲中で活用するよりは、曲間などでFX的に雰囲気を演出することが多い。多くのエフェクトはフリーザトーン製ARC-53M(オーディオ・ルーティング・コントローラー)で制御され、ARC-53Mを経由してラディアル製JDI(DI)からPAと2枚目のボードに信号が分岐する。
     ベースからの信号は後述のラック内のワイヤレスを経由してプロビデンス製DBS-1(プリアンプ)に入力され、ベースを持ち替えたときの音量差を2チャンネルを活用することで揃えている。そのほか、Limetone Audio製ヴォリューム・ペダル(Flashbackのディレイ音の音量調整用)、フリーザトーン製PA-1QB(EQ)、ISP TECHNOLOGIES製DECIMATOR II(ノイズ・リダクション)、JAM Pedals製Rattler+BASS(ディストーション)がセットされている。
     足下左側のボード。右側ボードの出口であるJDIのスルー・アウトから、フリーザトーン製JB-21(ジャンクション・ボックス)へ入力される。こちらは歪み系のエフェクトが集められており、テック21製サンズアンプ・ベース・ドライバーDI(プリアンプ)、テック21製サンズアンプ・ベース・ドライバーDI-LB(プリアンプ)、MXR製M80(プリアンプ)が2台、HAO製BASS LINER(プリアンプ)、PIKE AMPLIFICATION製VULCAN XL(プリアンプ)、エレクトロ・ハーモニックス製ソヴテック・デラックス・ビッグ・マフπ(ディストーション)がラインナップ。スイッチャーはフリーザトーン製ARC-53Mだ。メインのサウンドは、MXR M80で薄く歪ませており、場合により、サンズアンプ・ベース・ドライバーDI&M80、VULCAN XL&Rattler+BASS、ソヴテック・デラックス・ビッグ・マフπ &Rattler+BASSといった組み合わせが活用される。BASS LINERは「あなたのそばにいる」などイナたい音を出したい際に、そのままに色づけをしないものという点でチョイス。
     ボス製BC-1Xは、コンプというよりはプリアンプ的な効きが気に入って導入。曰く“元気な音になる”とのこと。そのほか、Sonic Research製ST-300 mini(チューナー)、MXR製M108S(グラフィックEQ)が並べられている。

    Amplifiers

     アンプはTCエレクトロニック製RH750(アンプ・ヘッド)とフェンダー製810 PRO(キャビネット)の組み合わせで、これはステージ中音用。
     ラックは上から、ファーマン製PL-8J( パワー・コンディショナー)、TCエレクトロニック製RH750、Ex-pro製PRO-10 PLL( ワイアレス・レシーバー)、同PRO-10Z( ワイアレス・レシーバー)、アンペグ製SVT-IIP(プリアンプ)、テック21製サンズアンプGED-2112(プリアンプ)、TCエレクトロニック製Triple・C(コンプレッサー)、アヴァロン・デザイン製U5(DI)。
     SVT-IIPとGED-2112はライン音にアンプ感をプラスするためで、GED-2112はDEEP OUTからもPAに信号を送っている。これにより、エフェクト・ボードのJDIから、GED-2112のDEEP OUTから、SVT-IIPとGED-2112とTriple・Cを通りU5からという3系統のライン音がPAに送られている。
     近頃、5弦対策としてマルチ・バンド・コンプレッサーを研究したというSacchanの現在のチョイスがTriple・Cで、かゆいところに手が届く操作性が気に入っている。“5弦を使っていなければ、コンプは使いたくないんですけど、やっぱり5弦の収拾をつけるなら必要だなということで導入しました”。

    ◎Profile
    さっちゃん●10月28日生まれ。宮城県出身。小学校5年頃にベースを手にする。ヘヴィロックからボサノヴァまで、さまざまなバンドを経験したあと、2011年9月に千秋(vo)とDEZERTを結成する。メンバー・チェンジを経て、2015年12月から現編成で活動を開始。自主での活動ながら2016年にはZepp Tokyo、2017年には中野サンプラザ公演も成功させる。2018年に新レーベルMAVERICKに所属しアルバム『TODAY』を発表。2021年7月に新作『RAINBOW』をリリースし、現在は全国ツアー“DEZERT LIVE TOUR 2021 RAINBOW -カメレオンは空を見上げて笑えるか?-を開催中。

    ◎Information
    Official HP Twitter Instagram Facebook YouTube