プランのご案内
  • NOTES

    UP

    【ニッポンの低音名人extra】 – 長岡“ミッチー”道夫

    • Text:Koichi Sakaue
    • Photo:Eiji Kikuchi

    ROOTS of 長岡“ミッチー”道夫

    長岡“ミッチー”道夫が影響を受けた作品を紹介。

    「上を向いて歩こう」
    坂本九
    (1963年)



    小学校時代、長岡が大好きだった坂本九の代表曲。初めて買ったレコードもこれだった。ビルボードTop 100で1位になった唯一の日本人による曲としても知られている。
    「禁じられた遊び」
    ナルシソ・イエペス
    (1952年)



    長岡が初めて弾いた曲で、19世紀後半にギターの練習曲として作られた曲とされている。同名のフランス映画の主題歌となり一般に知られるようになったが、元々は「愛のロマンス」という曲名だった。
    『ビートルズ・フォー・セール』
    ザ・ビートルズ
    (1964年)


    高校時代に組んだザ・フィーバーズ時代に長岡が、ナイトクラブでよく歌っていた「ミスター・ムーンライト」を収録。ビートルズ4枚目のアルバムで、多忙時に制作されたためか、「ミスター〜」を含めて数曲のカバー曲が収録されている。
    『限りなき探求』
    ミロスラフ・ヴィトウス
    (1969年)



    ウェザー・リポートの創設メンバでもあるジャズ・ベーシストの1stソロ・アルバム。長岡がウッド・ベースを弾き始めた頃にちょうど来日。目の前で見たプレイに感動し、強く印象に残ったという。
    『グラハム・セントラル・ステイション』
    グラハム・セントラル・ステイション
    (1973年)


    スラップ・ベースの生みの親であるラリー・グラハムが、スライ&ザ・ファミリー・ストーンを脱退して作ったバンドのデビュー・アルバム。日本のミュージシャンの間でも、このベースはどうやって弾いているのかと話題になった。
    『マン・チャイルド』
    ハービー・ハンコック
    (1975年)




    エレクトリック楽器を大胆に導入してジャズを変革した偉大なミュージシャン、ハービー・ハンコック(k)。長岡は、ポール・ジャクソン(b)によるハイ・ポジションのプレイが“最高にカッコいい!”と評している。
    『ジャコ・パストリアスの肖像』
    ジャコ・パストリアス
    (1976年)



    ウェザー・リポートに参加すると同時に発表されたソロ・デビュー・アルバム。世界中のベーシストに衝撃を与えた。長岡は、“素晴らしい!のひと言”と評しており、ベーシストだけでなく、多くの音楽家に影響を与えた天才。

    SELECTED DISCOGRAPHY

    長岡“ミッチー”道夫の参加作品から注目盤をピックアップ。

    『アスファルト』
    ゼロ戦
    (1976年)


    フュージョン・ブーム以前に、大谷和夫(k)ら腕利きミュージシャンが集結して制作されたジャズ・ファンク・アルバム。根強いファンも多く、2017年に限定再発売された。
    『Yellow Magic』
    One LINE BAND
    (1977年)


    ハワイでレコーディングされ、グループのデビュー・アルバムとなったものの、すぐに移籍してSHŌGUNと改名。だからメンバーも、ハワイ在住の女性シンガー以外、芳野藤丸(g)に大谷和夫(k)、山木秀夫(d)と、SHŌGUNそのもの。
    『ROTATION』
    SHŌGUN
    (1979年)


    グループの2ndアルバム。社会現象となった松田優作主演のテレビ番組『探偵物語』のオープニング・テーマである「バッド・シティ」とエンディング・テーマである「ロンリー・マン」を収録。全曲英語の歌詞で、洋楽ファンにも受け入れられた。
    『A LONG VACATION』
    大瀧詠一
    (1981年)


    才人、大瀧詠一最大のヒット・アルバムで、1曲を除いてすべて松本隆が作詞している。細野晴臣や長岡をはじめ何人かのベーシストが参加しているが、次作『EACH TIME』(1984年)では、長岡が全曲でベースを弾いた。
    『AKA-GUY』
    AKA-GUY
    (1986年)


    松原正樹(g)を中心に、島村英二(d)、新川博(k)、斉藤ノブ(perc)ら腕利きミュージシャン7人が集まってできたグループ。強力なリズム・セクションによる抜群のグルーヴが心地よい。
    『YEAH!! YEAH!!』
    Yuji Ohno & Lupintic Six
    (2016年)


    大野雄二率いるグループとしては、YOU & THE EXPLOSION BANDで1979年から参加していた長岡だが、このグループから復帰。お馴染みのルパン・ナンバーを含む11曲を収録。
    「ロックンロール・ウィドウ」
    山口百恵
    (1980年)


    作詞・阿木燿子、作曲・宇崎竜童という名コンビにより生み出された、山口百恵の30枚目にあたるシングル曲。2014年E-girlsがカバーし、CMにも起用された。
    「「ヒゲ」のテーマ」
    たかしまあきひこ&エレクトリック・シェーバーズ

    (1980年)

    国民的人気番組、ザ・ドリフターズの『8時だョ!全員集合』の、1979年から始まった「ヒゲダンス」コーナーで流れた曲。人気を呼んで翌年レコード化された。元曲はテディ・ペンダーグラスの「Do Me」。
    「YOUNG MAN(Y.M.C.A.)」
    西城秀樹
    (1979年)


    西城秀樹27枚目のシングル。ディスコなどでヒットしていたヴィレッジ・ピープルの「Y.M.C.A.」を日本語でカバーし、こちらも大ヒット。アレンジは大谷和夫。
    「風立ちぬ」
    松田聖子
    (1981年)


    松田聖子としては7枚目のシングル曲で、大瀧詠一の曲としては唯一のシングルとなった。大瀧お得意の、分厚く壮大なアレンジが施されている。作詞は松本隆。

    【お知らせ】
    発売中のベース・マガジン2021年2月号の『ニッポンの低音名人』では、長岡“ミッチー”道夫のこれまでの軌跡を追ったロング・インタビューを掲載!

    PROFILE
    ながおか・みちお○1949年、神奈川県川崎市生まれ。高校でバンドを結成し、ナイトクラブでの演奏を開始。1968年、19歳で小野寺猛士とロス・オノデラスに参加したのち、1971年に森山良子のサポートで全国ツアーを経験。1978年、芳野藤丸(g)や大谷和夫(k,arr)、山木秀夫(d)らとONE LINE BANDでレコード・デビュー。翌年SHŌGUNと改名して出した「男たちのメロディー」が50万枚超えのヒットとなり、一躍人気グループに。並行してスタジオ・ミュージシャンとしても売れっ子となり、大瀧詠一、西城秀樹、松田聖子をはじめ、膨大な曲数に上る録音をこなしている。現在は『ルパン三世』でお馴染みの大野雄二(k,arr)率いるYuji Ohno & Lupintic Sixなどで活躍中。