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【第37回】一石二鳥のアルペジオ練で右手も左手もスキルアップ!/石村順の低音よろず相談所 〜Jun’s Bass Clinic〜

  • Text:Jun Ishimura

前回は、メジャー・トライアドのコード・トーン=ドミソの3音だけを使ったアルペジオでしたが、今回はルートの1オクターブ上の音も入れた、ドミソドの4音のアルペジオを練習します。今回もパターンは3つあって、フレーズは同じですが運指が違います。

早速パターン1を弾いてみましょう(Ex.1)。

今回のポイントは異弦同フレットです。

2拍目のソ→ドと3拍目のド→ソの運指が、隣同士の弦の同じフレットなんですが、これ、苦手な人が多いですね。

異弦同フレットは、違う指で押さえるときもありますが、僕は基本的には同じ指で押さえます。このパターン1の場合は、ソとドを1の指で押さえます。
で、ギターでアルペジオを弾く場合は音を伸ばすので全部の指を押さえっぱなしにしますが、ベースでアルペジオを弾く場合、一度に1音ずつしか鳴らさないことのほうが多いため、ここではそうします。押さえっぱなしは押さえっぱなしでキツいんですが、一度に1音ずつ弾く場合は前の音をミュートする必要があります。これ大事。

この異弦同フレットの部分は1&2弦を1の指でセーハするように押さえるんですが、セーハと違って、押さえっぱなしにしないで順番に押さえます。

まずソは指の腹で押さえます。

指は自然なアーチ形で、第一関節のあたりで軽く1弦に触れてミュートします。

次に、第一関節を伸ばしてドを押さえます。

ソを押さえていた指の腹が浮いて、弦に触れている状態になって2弦をミュートします。

下行するときは逆の順番で動かします。

次に、パターン2はこうなります(Ex.2)。

運指は、2-1-4-4 4-4-1-2なので、4の指が異弦同フレットの担当です。やり方は1の指のときと同じです。 音がブツブツ切れないように、なめらかに弾きましょう。

パターン3の運指はこうです(Ex.3)。

運指は、1-4-2-2 2-2-4-1なので、2の指が異弦同フレットの担当です。やり方は同じです。

リズムがヨレないように気をつけましょう。

実は右手にもコツがあります。指弾きで下行するときにレイキングを使うといいでしょう。例えばex.1だと、ドソミドの4音を同じ指で弾きます。ex.2だとドソをひとつの指で、ミドをもうひとつの指で弾きます。ex.3だとドソミを同じ指で弾きます。ピック弾きの場合も、上行・下行ともそれぞれエコノミー・ピッキングを適宜取り入れるといいです。

ということで、こんなふうにアルペジオっていろんなテクニックを使うから、一石二鳥、一石三鳥な練習なんですよ。ぜひしっかり取り組んでスキルアップして、良い音楽を作っていきましょう!

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石村順
◎Profile
いしむらじゅん●元LOVE CIRCUS、元NEW PONTA BOX。日食なつこ、ポルノグラフィティ、東京エスムジカ、K、JUJU、すみれ、大江千里、松山千春、宇崎竜童、石川ひとみ、種ともこ、近藤房之助、豊永利行、Machico、紘毅、城南海、西田あい、つるの剛士、SUIKA、Le Velvets、葡萄畑など、多数のライヴや録音に参加している。ロングセラー『ベーシストのリズム感向上メカニズム グルーヴを鍛える10のコンセプトとトレーニング』の著者。Aloha Bass Coachingではベース・レッスンのほか全楽器対象のリズム・レッスンを行なっている。

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