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【第59回】シャッフルをウラ重心で弾くリズム練・上級編/石村順の低音よろず相談所 〜Jun’s Bass Clinic〜

  • Text:Jun Ishimura

 ウラに重心を置いてシャッフルを弾くエクササイズ、仕上げ編です。

 オモテに重心を置いてシャッフルを演奏しても、いいグルーヴは出ません。

 ということでウラに重心を置く練習をしてきましたが(第57回第58回の動画をチェック!)、3連3個目に重心を置くというのは、慣れていない人にとってはやはり難しいですよね。普通は、オモテに重心を置いてリズムを感じるほうが楽、というか、その感じ方しか知らないことが多いのです。

 新しいリズムの感じ方を身につけるのは、身体的なスキルの向上ももちろん必要なんですが、大事なのは認識の変化なんですよね。感じ方を変える、認識を変えるというのは、けっこう時間がかかります。1日5分10分やるだけ、とか、一週間練習した、とか、普通はそれくらいでリズムの感じ方は変わりません。根気よく続けるのが大事なんですね。同時に、ひとつのアプローチだけじゃなくいろんな方向からアプローチすることも大事で、そうすることで、新しいリズム感覚をよりしっかりと身につけることができるようになります。

 ということで今回は別のアプローチです。

 これまでは3連3個目にクリックを鳴らして練習しました。今回は、クリックはオモテ(3連1個目)に鳴らして3連3個目を弾くエクササイズです。ゆっくりめのテンポから始めて慣れたら少しずつ上げていきます。

 まずは、準備のエクササイズ(A)です。たとえばBPM60でメトロノームを鳴らして、オモテとして聴きます。フレーズは前回までやってきたフレーズと同じ音使いですが、ただし、音が変わるタイミングが3連1個分前倒しになっています。今まで1拍目に弾いていたCの音を、その手前の4拍目の3連3個目でクッて弾いています。そのあとの音も全部同じ仕組みです。

ポイント

 拍のオモテ+ウラがユニットなのではなく、ウラ+次のオモテがひとつのユニットです。

 (A)に慣れたら(B)をやります。これが今回のメインのエクササイズです。

ポイント

 難しい場合は、(A)と(B)を交互に弾きます。(B)を弾くときに(A)をイメージしながら弾きます。

 慣れないうちは拍のオモテで足をタップしてもいいですが、慣れたら足ではリズムは取らずに弾いたほうがいいですね。

(B)にも慣れたら、クリックをバックビート(2拍目と4拍目)だけに鳴らして、同じ練習をします(C)。

 1・3拍目にクリックがない分、難しくなります。自分がしっかりリズムを取れていないと、クリックとの関係が崩壊します。

 ということで、前々回前回、今回のエクササイズをみっちり練習することで、ウラに重心を置いてシャッフルを演奏できるようになっていきます。その前にやったポリリズム的なアプローチも含め、シャッフルのグルーヴ、磨いていきましょう!

石村順でした!

石村順
◎Profile
いしむらじゅん●元LOVE CIRCUS、元NEW PONTA BOX。日食なつこ、ポルノグラフィティ、東京エスムジカ、K、JUJU、すみれ、大江千里、松山千春、宇崎竜童、石川ひとみ、種ともこ、近藤房之助、豊永利行、Machico、紘毅、城南海、西田あい、つるの剛士、SUIKA、Le Velvets、葡萄畑など、多数のライブや録音に参加している。ロングセラー『ベーシストのリズム感向上メカニズム グルーヴを鍛える10のコンセプトとトレーニング』の著者。Aloha Bass Coachingではベース・レッスンのほか全楽器対象のリズム・レッスンを行なっている。

◎Information
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