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【第39回】転回形を知るためのアルペジオ

  • Text:Jun Ishimura

【第39回】転回形を知るためのアルペジオ 

アルペジオを練習してコードの転回形を理解しましょう。

◎講師:石村順
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BASS MAGAZINE Web『石村順の低音よろず相談所 ~Jun’s Bass Clinic~』の第39回です。

これまで(第36回第37回第38回)はひとつのコードだけでアルペジオを弾いてましたが、今回は、C、F、G の3コードを使ったコード進行をアルペジオで弾いてみます。C、F、G、Cというシンプルなコード進行です。キーがCで、 I、IV、V、I という進行ですね。

これを、例えば前回にやった5音アルペジオのパターン2の運指をそれぞれのコードに当てはめて弾くとこうなります。

やってみるとわかりますが、4弦ベースでこのパターンを弾くのは結構大変、というか無理があります。1小節目最後のEから2小節目最初のFに飛ぶのは運指的にもフレーズ的にも不自然ですし、3小節目最後のBから4小節目最初のCに動くのは フレーズ的にはいいですが、運指に無理があります。

なので、フレーズ的にも運指的にも、もう少し自然な流れにしたいな、と思います。いろんなフレーズが考えられますが、同じポジションのまま弾けるフレーズだと運指面ではラクなので、例えばこんな感じはどうでしょう (ex.1)。

これだとフレーズ的にも自然ですし、運指もラクです。

ただ、気づいた方もいると思いますが、FとGの1拍目がルートではないんですね。Fは5度のCの音から始まっていて、G は3度のBの音から始まっています。つまり、コードが変わった瞬間はFはF/C、GはG/Bのようにオンコード (スラッシュコード)のサウンドになっていますが、これはそれぞれ転回形になってるんですね。

転回形とは何かというと、普通、コードはルートが最低音なんですが、ルート以外のコード・トーンを最低音にしたバージョンのことです。例えばトライアドの場合はコード・トーンが3つあって、Fだと1度、3度、5度の順に重ねるとF、A、C=ファ、ラ、ドなんですが、この順番を変えて、3度のラから並べてラ、ド、ファ、とか、5度のドから並べてド、ファ、ラ、など重ねたものを転回形と呼びます。3度が一番下に来たのが第1転回形、5度が一番下に来たのが第2転回形です。

サウンドとしては、3つともFのトライアドの響き、カラーを持っていますが、やはり最低音が変わると雰囲気が変わります。

で、このex.1の場合、Fは5度のCが最低音になってる第2転回形、Gは3度のBの音が最低音になってる第1転回形です。 運指はこうなります。

曲に転回形のオンコードが出てくる場合、もちろん響きそのものが欲しくて使う場合もありますが、今回のフレーズのように「ベースのフレーズの動きのなめらかさ」が欲しくて転回形を使う場合も多いと思います。そういう意味では、こういったアルペジオの練習で転回形の響きやベース音の動き方を覚えると、ベース・ラインを考えるときにも役立ってくるので、ぜひ日々の練習に取り入れてください。

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◎Profile
いしむらじゅん●元LOVE CIRCUS、元NEW PONTA BOX。日食なつこ、ポルノグラフィティ、東京エスムジカ、K、JUJU、すみれ、大江千里、松山千春、宇崎竜童、石川ひとみ、種ともこ、近藤房之助、豊永利行、Machico、紘毅、城南海、西田あい、つるの剛士、SUIKA、Le Velvets、葡萄畑など、多数のライヴや録音に参加している。ロングセラー『ベーシストのリズム感向上メカニズム グルーヴを鍛える10のコンセプトとトレーニング』の著者。Aloha Bass Coachingではベース・レッスンのほか全楽器対象のリズム・レッスンを行なっている。

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