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    【第38回】複数スキルを同時に鍛えるアルペジオ練/石村順の低音よろず相談所 〜Jun’s Bass Clinic〜

    • Text:Jun Ishimura

    今回は、前回の4音アルペジオにさらに1音足した、5音のアルペジオがテーマです。
    ドミソドミドソミ というフレーズで、運指が3パターンあります。

    早速パターン1です(Ex.1)。

    ソ~ドは異弦同フレット、1の指で押さえます。詳しいやり方は前回の第37回の動画を見てください。

    ドミソドはひとつのポジションで弾き、一番高いミだけをポジション拡張で弾いて、すぐに元のポジションに戻ってドソミと下行します。ポジション拡張とは、ポジションから1フレットはみ出た音を、無理に指を開いたりシフトせずに 「親指とネックの接点」を支点にして手首を動かして指を届かせるやり方のことで、第24回の動画で説明しています。 2フィンガーで弾く場合、後半のドソミと次のサイクルの1音目のドを合わせたドソミドは、同じ指でレイキングします。

    パターン2です(Ex.2)。

    ソ~ドの異弦同フレットは4の指で押さえます。
    下行するとき、ミドソをレイキングして、ミドをもうひとつの指でレイキングします。

    パターン3です(Ex.3)。

    最初のド~ミは1と4の指で押さえますが、パターン1と同じで「親指とネックの接点」を支点に手首を動かして弾くとラクです。そのままミソドミは同じポジションで弾きます。つまり、パターン1の逆で、ミソドミがメインのポジション で、最初のドだけをポジション拡張で弾く形になります。ソ~ドの異弦同フレットは2の指で押さえます。下行するときのミドソミはレイキングです。

    フレーズ自体はシンプルなアルペジオなんですが、異弦同フレット、レイキング(エコノミー・ピッキング)、ポジショ ン拡張などなど、いろんなテクニックを含んでいて、なかなかハードな練習になります。特に、音がブツブツ切れないようになめらかに弾くには、左手をバタバタさせず、かつ力まないように柔軟に動かすことが大事です。

    慣れてきた人は、C以外のコード、12のすべてのメジャー・トライアドで練習しましょう。

    ベースでこういったアルペジオを曲のなかで弾くことはほぼないですが、アルペジオ練習は、テクニック面でも指板の把握という面でも、コードの知識の面でも相当鍛えられるので、ぜひ日々の練習に取り入れてください。

    ということで、いいね・シェア・コメント、SNSフォロー、お願いします。石村順でした! 

    石村順
    ◎Profile
    いしむらじゅん●元LOVE CIRCUS、元NEW PONTA BOX。日食なつこ、ポルノグラフィティ、東京エスムジカ、K、JUJU、すみれ、大江千里、松山千春、宇崎竜童、石川ひとみ、種ともこ、近藤房之助、豊永利行、Machico、紘毅、城南海、西田あい、つるの剛士、SUIKA、Le Velvets、葡萄畑など、多数のライヴや録音に参加している。ロングセラー『ベーシストのリズム感向上メカニズム グルーヴを鍛える10のコンセプトとトレーニング』の著者。Aloha Bass Coachingではベース・レッスンのほか全楽器対象のリズム・レッスンを行なっている。

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