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    【第116回】プリング・オフを鍛える基礎練でフレーズを滑らかに! 石村順の低音よろず相談所 〜Jun’s Bass Clinic〜

    • Text:Jun Ishimura

    フレーズを滑らかに表現したいときに役立つ基礎テクニック、プリング・オフを鍛える基礎練です!

    みなさんご存知だとは思いますが、プリング・オフとは、右手でピッキングせずに左手で音を出す奏法のひとつで、押弦していた左手の指を右手の指弾きのように使って弦を鳴らします。ハンマリング・オンと同じように、右手でピッキングする場合と比べると音が滑らかにつながって聴こえます。音程が下がっていくフレーズを滑らかに表現したいときに使います。

    多くの人が普段からプリング・オフを使っていると思いますが、得意な指と苦手な指がありませんか?

    個人的に基礎練とかメカニカルな練習は好きじゃないし、できるだけフレーズや曲を題材にして音楽的に練習したほうが実践的だと思っています。ですがそうは言っても、ピッキング・押弦・ハンマリング・プリングといった基礎テクニックは基礎練で鍛えておかないとどうしても苦手な運指とかが出てきてしまうし、“苦手な運指だからうまくできない”なんて言い訳はできませんから、いつでもどの指でも使えるように、やはり基礎練でしっかり鍛えたほうがいいですよね。

    ということで、今回はプリング・オフを鍛える基礎練をひとつ紹介します。【ex.1】を見てください。プリングする指(1=人差指、2=中指、3=薬指、4=小指)ごとに、プリングで出す音の組み合わせもすべてカバーしています。たとえば4の指だと、4 から3へプリング・オフ、4から24から14から0(開放弦)という4つのパターンがあります。3の指は3パターン、2の指は2パターン、1の指は1パターンです。

    ちなみに、こういうフレーズが実際に曲のなかで出てきた場合は、最初の音だけピッキングして、そのあとの音は交互にプリング・オフとハンマリング・オンを繰り返して演奏することも多いです。ですが、今回はプリング・オフだけに注意を向けて練習したいので、ピッキング→プリング・オフ→ピッキング→プリング・オフを繰り返すパターンになっています。

    慣れていないとプリングする指が力んでしまうかもしれませんが、音をしっかり鳴らせればそれ以上の力は不要です。取り組んでいくなかで、最小限の力と動きで音が鳴るようにだんだん脱力していきましょう。最初はゆっくりていねいに、慣れてきたらテンポを上げていきます。

    ここではどの組み合わせのパターンも同じ長さで書いてありますが、苦手な組み合わせのパターンはほかよりも長めに取り組んで、いつでも使えるレベルまで鍛えておきましょう。石村順でした!

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    石村順
    ◎Profile
    いしむらじゅん●元LOVE CIRCUS、元NEW PONTA BOX。日食なつこ、ポルノグラフィティ、東京エスムジカ、K、JUJU、すみれ、大江千里、松山千春、宇崎竜童、石川ひとみ、種ともこ、近藤房之助、豊永利行、Machico、紘毅、城南海、西田あい、つるの剛士、SUIKA、Le Velvets、葡萄畑など、多数のライブや録音に参加している。ロングセラー『ベーシストのリズム感向上メカニズム グルーヴを鍛える10のコンセプトとトレーニング』の著者。Aloha Bass Coachingではベース・レッスンのほか全楽器対象のリズム・レッスンを行なっている。

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