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【第112回】オクターヴの表現の幅を広げる発展型エクササイズ 石村順の低音よろず相談所 〜Jun’s Bass Clinic〜

  • Text:Jun Ishimura

ルートとそのオクターヴ上の音はベース・ラインによく使われます。シンプルな音使いですが、それだけに曲調や場面に合わせたニュアンスで演奏したいですね。そんなオクターヴの表現の可能性を広げるため、前回やった“隣り合った弦でのオクターヴ”に慣れるエクササイズの発展型に取り組みましょう。

前回はFのオクターヴを練習しましたが、今回はGメジャー・スケールのそれぞれの音を使って練習します。

Gメジャー・スケールの構成音はG-A-B-C-D-E-F#-Gです。

その1オクターヴ上は以下の通りです。

Gメジャー・スケールの低いポジションと高いポジションの位置を指板上で見ると、【図1】のようになっています。今回のエクササイズは、それぞれのポジションの対応する音を行き来しながらスケールを上行・下行します。

STEP 1

ウォーム・アップとして、Gメジャー・スケールを低いポジションと高いポジションそれぞれで何回かずつ上行・下行して、それぞれのポジションに慣れておくといいでしょう。

STEP 2

では、今回の本題、【ex.1】に取り組みましょう。ここでは、低いポジションの音は1の指(人差指)、高いポジションの音は4の指(小指)で押さえています。

ポイント① 次の音のポジションを見る

どの音も4つずつ弾くので、その間に次の音のポジションを見ます。4音目を弾いたらグリスしながらシフトして、次の音に着地します。その4音を弾いている間に、その次の音のポジションを見ます。

ポイント② スケールの全体像をイメージして演奏する

どの音を弾いているときも、その音のことだけでなく、できるだけその音のまわりに【図1】のようにGメジャー・スケール全体のシェイプをイメージしながら弾きましょう。

ポイント③ 音名を意識しながら演奏する

どの音を弾いているときも、ただ指と目を動かすだけでなく、その音の音名(G、A、Bなど)も意識しましょう。

自分がやりやすいゆったりしたテンポ、間違えずに弾けるテンポから始めて、慣れてきたら少しずつテンポを上げていきます。

使いたいときにいつでも使えるように、それぞれのオクターブの位置関係を身体に叩き込んでおきましょう。石村順でした!

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石村順
◎Profile
いしむらじゅん●元LOVE CIRCUS、元NEW PONTA BOX。日食なつこ、ポルノグラフィティ、東京エスムジカ、K、JUJU、すみれ、大江千里、松山千春、宇崎竜童、石川ひとみ、種ともこ、近藤房之助、豊永利行、Machico、紘毅、城南海、西田あい、つるの剛士、SUIKA、Le Velvets、葡萄畑など、多数のライブや録音に参加している。ロングセラー『ベーシストのリズム感向上メカニズム グルーヴを鍛える10のコンセプトとトレーニング』の著者。Aloha Bass Coachingではベース・レッスンのほか全楽器対象のリズム・レッスンを行なっている。

◎Information
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