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    第39回:こういうこともありますよね【高松浩史“その箱の中は地獄より深い”】BOSS / XS-1 Poly Shifter

    • Text : Hirofumi Takamatsu

    生粋のエフェクター・フリークとして知られる高松浩史(The Novembers/Petit Brabancon)による連載『その箱の中は地獄より深い』。

    マニアも唸るディープな分析から、ビギナー向けの実践的な解説まで、エフェクターの奥深い世界を独自の視点で掘り下げます。

    第39回:こういうこともありますよね

    ベース・マガジンWEBをご覧の皆様、こんにちは。

    高松浩史です。

    10月。

    The Novembersが11月にツアーがあり、そのライヴが“2007年から2013年までの曲を演奏する”というコンセプトなので、今から準備・練習を進めております。

    機材的には最近使用しているものをそのまま使用するつもりですので、その点も楽しみです。

    さて、今回はこちら。

    BOSS “XS-1 Poly Shifter”

    BOSS XS-1 Poly Shifter
    BOSS “XS-1 Poly Shifter”

    ピッチシフターです。

    僕は最近、サポートの現場でDarkglass ”ANAGRAM”を使用することが多いのですが、ピッチシフターがかなり優秀だなと感じています。

    半音下げ(-1)なので、そこまで大胆にかけるわけではないのですが、曲中で客観的に聴いても違和感はないかなと。

    なのですが、“ANAGRAMも良いけれど、気分を変えてコンパクト・エフェクターでペダル・ボードを組みたいな。その場合はどうしようかな?”と思い立ったわけです。

    そこで今回のXS-1の登場です。

    半音下げの設定はシンプル

    BOSS XS-1 Poly Shifter
    XS-1のコントロール部

    コントロールは、

    BALANCE……エフェクト音と原音のバランスを調整

    SHIFT……ピッチシフトの値の調整。DETUNEモードを使用する際は、ピッチのずれを-20〜+20セントの範囲で調整

    ペダルモード・スイッチ……ペダルを踏んだときの動作の設定

    シフトディレクション・スイッチ……ピッチを下げるか、上げるか、DETUNEモードかを選ぶスイッチ

    ざっくりこのような感じ。

    シンプルでわかりやすいですね。

    ボス製品ってコントロール部分をぱっと見たときに役割がわかりやすくデザインされている点が素晴らしいですね。

    基本的にはどのくらいピッチシフトさせて、それをどのくらいのバランスで出すのかを設定するだけです。

    僕の用途ですと、シフトディレクション・スイッチは左の“▼”に、SHIFTは“1(左に回し切り)”にして、BALANCEは右に回し切ればオッケーです。

    この状態でペダルをオンにするとチューニングが半音下がります。

    ▲ BOSS公式によるXS-1のサウンド・デモ(ギター演奏)。

    半音下げで感じたサウンドの違い

    で、肝心なピッチシフトというか、エフェクトの音なのですが、かなり実用的ですね。

    ただ、今回の半音下げの設定でANAGRAMと比較すると、僕にはANAGRAMのほうが揺れが少なく感じられました……。

    XS-1はハイがしっかり出てて、少し揺れがある。

    逆にANAGRAMは意図的にハイを丸くして、揺れを目立ちにくくするようにしているのかなとも思いました。

    ANAGRAMのまとまった音を使いやすいと感じる方もいるかもしれません。僕自身も、この用途ではANAGRAMのほうが好みではあります。

    あくまで両者を比較するとそうであって、XS-1のピッチシフトもとても優秀だと思います。

    あとは、バンドアンサンブル内でどういった聴こえ方になるのか、まだ実験していないので、そこも検証が必要ではありますね。

    思いがけず惹かれたDETUNE

    このペダル、ピッチシフトだけではなく、DETUNEの機能もあります。

    ざっくりいうと揺れないコーラスといったところでしょうか。

    これがすごく好みでびっくりしてしまいました……。

    ピッチシフター目当てにゲットしたのに、DETUNEのほうにやられてしまった感じです。

    これだけでこのペダルを購入する価値があるといっても良いかもしれません。僕の場合。

    以前One ControlのDimension Blue Mongerについて書きましたが、もともと揺れないコーラスが好きだったので、思いがけずハイスペックなディチューン・エフェクターと出会えて、大変喜んでおります。

    こちらも設定は簡単です。

    モード・スイッチは真ん中のDETUNEに設定し、SHIFTでどのくらい音程をずらすか(DETUNEモードの場合、左に回し切りで-20セント、右に回し切りで+20セント)、BALANCEで原音とのバランスを決めるといった感じ。

    エフェクトの特性上、BALANCEは12時以下で使用することが多いと思いますが、個人的にはうっすら広がりをつける程度に設定するのが好みです。

    さて、今回はBOSS XS-1についてでした。

    ピッチシフターとしてはもちろんハイクオリティですが、DETUNE機能にハマってしまいました。

    コンパクト・エフェクターでピッチシフターをお探しの方、揺れないコーラスをお探しの方……つまり意外と幅広い方におすすめできますね。

    最新技術はすごいですね。

    あと、ANAGRAMのクオリティの高さにも驚かされました。

    さて、今回はこの辺で。

    ご覧いただきありがとうございました。

    ◎Profile
    高松浩史(たかまつ・ひろふみ)●栃木県出身。The Novembers、Petit Brabanconのメンバーとして活動中。そのほか、Lillies and Remains、[ kei ]、健康、松本明人のサポート・ベーシストも務めている。

    ◎Information
    高松浩史 X Instagram

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