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“何も考えずにぶっ放しましょう” – EarthQuaker Devices / Blumes【高松浩史の音色探索 その箱の中は地獄より深い】第18回
生粋のエフェクター・フリークとして知られる高松浩史(The Novembers/Petit Brabancon)による連載がベーマガWEBにて復活! マニアックなものからビギナー向けのお勉強企画まで、エフェクターを語り尽くします(連載一覧はこちらから)。
第18回(2025年1月篇):“何も考えずにぶっ放しましょう”
EarthQuaker Devices / Blumes
今回は新年1発目ということで、スカッと気持ちの良いペダルをご紹介したいと思います。

こちら、EarthQuaker Devices “Blumes”。同社のTS系オーバードライブ”Plumes”のベース・ヴァージョンということで、音を出すまではオーソドックスな歪みペダルなのかな? と思っておりました。
弾いてびっくり、めちゃくちゃ個性的な歪みでした…!!
思いきり歪ませてピックでバシバシ弾きたくなるような、男気のあるペダル。
コントロールは、
Level…音量の調整
Tone…音質の調整
Gain…歪み量の調整
Mode switch…3種類のクリッピングの切り替え
このような感じ。
第一印象としては、「かなり歪む」「音がでかい」「圧縮感すごい」「シンセっぽい、ファズみたい」「めちゃくちゃかっこいい」といったところでしょうか……。
メーカーHPによると、BlumesはPlumesのゲインを2倍にしているらしく、ズバズバ歪んでくれます。アタックになまりというか、独特の圧縮感があって、歪み感も相まってファズっぽいニュアンスを感じます。
コントロールは先述の通りかなりシンプルですが、クリッピングの切り替えができるので、3パターンのキャラクターを使い分けるという感じですね。
それぞれ、
1…Symmetrical(対称)LEDのクリッピング
2…クリッピングなし
3…Asymmetrical(非対称)シリコンダイオードのクリッピング
(公式HPより)
となっています。
“1”は歪みの粒が粗く、ミチミチとした質感。個人的にLEDクリッピングの質感はとても好きなので、このモードを使用することが多いですね。ファズ感は一番強いかなと思います。そこも好きです。
“2”はゲインが低く、音量がとても大きいです。この機種を試す際は注意してほしいポイントですね。本当に大きいので……(笑)。
ただ、ゲインが低いと言ってもGainを上げればしっかり歪みます。僕はGainが3時、Toneが2時くらいの設定が好みです。一番ガッツがあるモードだと思います。
“3”は3つのなかでは一番オーソドックスでしょうか。音量も一番小さいですね。歪みの粒も少しさらさらしているというか、細かいですね。それでもゲインを上げるとファズっぽい質感があるので、この機種の個性なのでしょう。
使いやすいモードなのですが、ほかのふたつに比べて普通っぽいので、使用頻度は低めです。
以上、今回はEarthQuaker Devices “Blumes”について書きました。このペダル、ロー・ゲインにもできるのですが、思いきり歪ませてピックでバシバシ弾きたくなるような、男気のあるペダルだと思います。
ガッツがすごい!
価格帯もそこまで高くないので手を出しやすいですし、見た目もかわいいのでかなり良いですよね。
個性が強いので要試奏ですが、とても気持ちの良いペダルです。
実は新年早々体調を崩してしまい、嫌なスタートをしてしまいました……インフルエンザなど流行っているみたいなので、皆様もお身体ご自愛ください。
それでは、今回はここまで。
ご覧いただきありがとうございました!
◎Profile
たかまつ・ひろふみ●栃木県出身。2002年に高校の同級生だった小林祐介(vo,g)とともに前身バンドを結成する。2005年からThe Novembersとしての活動を開始し現在までに8枚のフル・アルバムなどを発表している。2021年からは京(vo)、yukihiro(d)を中心としたプロジェクトPetit Brabancon、浅井健一&THE INTERCHANGE KILLSのメンバーとしても活躍している。その他、Lillies and Remains、圭、健康のサポート・ベーシストも務めている。Petit Brabanconは8月7日に2nd EP『Seven Garbage Born of Hatred』を発表している。
◎Information
高松浩史 X Instagram