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『タートルズ イン タイム』散りばめられたテーマが複数の曲に統一感を持たせる【クリープハイプ長谷川カオナシのレトロゲーム喫音堂】– 第5回
- バナードット絵:石田芙月(株式会社.AC)
- 挿絵:長谷川カオナシ
2022年にメジャー・デビュー10周年を迎えたクリープハイプ。それを記念して始まった長谷川カオナシによる本連載コラムでは、多彩な趣味を持つ長谷川が特にハマっているという、“レトロゲーム”のベースの世界を案内します。
祝! タートルズ新作ゲーム発売!
われにひかりを!
どうも、レトロゲーム喫音堂です。
本日はニューヨークのマンホールよりお届けいたします。
何故ならば!
本日8月25日は『ティーンエイジ・ミュータント・ニンジャ・タートルズ』の新作ゲームの発売日!
さらに月末には旧作ゲームのコレクションパックが発売されるからです(※1)。
これは買ワバンガ!
そもそもタートルズとは何なのか。
始まりは1984年、アメリカ。
ケビン・イーストマンとピーター・レアードのふたりが描いた、アクション・コミックのキャラクターです。
4匹の亀が突然変異して人間化、ネズミの先生から忍術を学び、悪と戦ってニューヨークの平和を守ります。
これが1987年に子供向けアニメ化され大ヒット。
大規模なグッズ展開がされました。
アニメ・シリーズは日本でも1990年代に放送され(※2)、今日一部の層にとっての“懐かしキャラ”としてその地位を確立しています。
私自身も幼稚園児の頃から大好きなキャラクターであり、当コラム下部プロフィール欄の最後、“長谷川はティーンエイジ・ミュータント・ニンジャ・タートルズのグッズ収集家でもある”という謎の記述を不審に思われた読者の方もいらっしゃったことでしょう。
タートルズの話になると大体言われるのが、
“亀に変形するオモチャ持ってたよ!”
というのと、
“スーパーファミコンのゲームやったことあるよ!”というもの。
それでは本日はタートルズの新作ゲームの発売を祝して、当時のスーパーファミコンのゲームを喫音していきましょう!
『T.M.N.T. タートルズ イン タイム』(1992年/コナミ)(※3)
登場するキャラクターも豊富で、タートルズ・ファンからしても嬉しい作品です。
また、コマンド・アクションが充実しており、単にゲームとして見てもかなりおもしろいベルトスクロール・アクション・ゲームなのではないでしょうか。
音楽も全体的にスピード感があり、“息つく間もないジェットコースター・アクション”を盛り上げます。
そのなかから今回喫音していく楽曲は3曲(※4)!
最初はSCENE 1「BIG APPLE, 3 AM」のBGM。
この曲はタートルズのアニメの主題歌がスウィング調にアレンジされています。
ゲームをプレイし始めるキッズの耳に、いきなりテーマ・ソングを放り込んでくる采配。
かなり粋な演出です!
いわゆるウォーキング・ベースが主となって構成されています。
ギターとドラムはより細かい符割りのフレーズが多いですね。
楽曲自体のテンポは速いですが、それでも構成楽器のなかではベースが1番ゆったりしたフレーズなので、しんがりを務めるイメージでうしろから楽曲を支えましょう。
次に各ボス戦のBGM。
ボス戦の緊張感を煽るように、楽曲のテンポも速いです。
タートルズの主題歌で最も印象的な箇所と言えば、なんといってもサビの最後の「Heroes in a half shell, Turtle Power!」の一節でしょう。
……「色ゼロ発症、ぬるぽ!」と言ったほうが伝わる人も居るかもしれません(※5)。
『タートルズ イン タイム』のステージBGMはほぼ全曲において、曲のどこかにこの一節を盛り込んであります。
本作は“タートルズがいろんな時代にタイムスリップする”というストーリーの都合上、各時代の雰囲気に合わせたさまざまなBGMがあります。
そこに主題歌の印象的な一節を盛り込むことによって、ゲーム全体の雰囲気にそれとなく統一感を出しているのですね。
見事なアレンジの技です!
最後はSCENE 7「BURY MY SHELL AT WOUNDED KNEE」。
西部劇風の雰囲気が色濃い、カッコ良い曲です。
ここでもさりげなく「Turtle Power!(ぬるぽ!)」の一節が盛り込まれています。
ずっと同じ“タッタカ”というループだったので、9小節目から先は崩して少しアレンジしてみました。
ウラ拍の“タカ”の特に“カ”の部分はあまり強調せず、軽いタッチで弾きましょう。
さて今回は私の大好きなキャラクターの、大好きなゲームを喫音してまいりました。
月末発売の旧作コレクションをプレイされる際はぜひ、BGMのどこかに隠された「Turtle Power!(ぬるぽ!)」を探してみてくださいね!
それではまた来月までご機嫌よう。
(※1)
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『ミュータント タートルズ:シュレッダーの復讐(Dotemu/Tribute Games)』Nintendo Switch、PlayStation4のパッケージ版は、本日8月25日に発売!
8月31日にはクラシック・ゲーム・コレクションである『Teenage Mutant Ninja Turtles: The Cowabunga Collection(KONAMI)』が発売されます。忙しくなってしまう〜。
(※2)
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旧シリーズであるいわゆる『旧亀』は、1991年NHKのBS2で放送されたり東和ビデオからソフト化もされた。1993年〜1995年の間はテレビ東京にて放送。吹替声優はそれぞれ別キャストであった。
二度目のアニメ・シリーズいわゆる『新亀』は、日本ではテレビ東京から2007年に放送された。
ニコロデオン社に移籍したあとのいわゆる『nick亀』は、テレビ東京から2014年に放送され、2017年にはディズニーXDで放送された。全エピソードが日本語吹替された唯一のシリーズである。
(※3)
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作曲は泉陸奥彦先生、サウンド・デザイナーは上原和彦先生、上高治巳先生。お三方とも“コナミ矩形波倶楽部”のメンバーの一員であり、『がんばれゴエモン・シリーズ』や『グラディウス・シリーズ』など1990年代から長い間コナミのサウンドを支えてこられました。
(※4)
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また何曲も弾いて……素直に1曲だけを演奏することはもうないのだろうか……(心の声)。
(※5)
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20年ほど前、タートルズの主題歌の空耳のFlash動画が少しだけ流行ったのです。ヒドラだこれ!
◎Profile
はせがわ・かおなし●1987年9月23日生まれ。小学生でピアノとヴァイオリンを手にし、高校1年でベースを始める。クリープハイプは2001年に尾崎世界観(vo,g)を中心に結成。2009年に長谷川、小川幸慈(g)、小泉拓(d)を擁した現編成となる。2012年にメジャー・デビューし、2014年には日本武道館にてライヴを行なう。2021年11月に6thアルバム『夜にしがみついて、朝で溶かして』をリリースした。長谷川はティーンエイジ・ミュータント・ニンジャ・タートルズのグッズ収集家でもある。
◎Information
長谷川カオナシ
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クリープハイプ
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