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    Black Smoker TRAD MASTER SERIES × 高木祥太(BREIMEN)

    • Photo:Takashi Yashima

    気鋭の国産ブランド、Black Smokerより
    “TRAD MASTER SERIES”が登場!

    トラディショナルなルックスに独自の要素を融合させ、新次元のサウンド体験を生み出すことで、近年のベース・シーンにおいて注目を浴びているギター/ベース・ブランド、“Black Smoker”。その圧倒的なクオリティが話題を呼び、プロ/アマチュアを問わず幅広いプレイヤーからの支持を獲得している同ブランドから、新たにエイジド加工が施された“TRAD MASTER SERIES”がリリースされた。今回は改めてBlack Smokerの魅力に迫るとともに、新シリーズの実力を徹底検証していきたい。

    Black Smoker meets Ryuta Tsunoda (モノンクル)BETA J5 Trad Master Prototype

    Black Smokerの正体

    まずは“Black Smoker”というブランドの正体に迫っていきたい。近年急速にその知名度を拡大し、名だたるプロ・ベーシストの右腕としてそのサウンドを響かせる同ブランドにはどういった背景があるのだろうか。

     日本の弦楽器作りの中心地である長野県松本市のお隣、北アルプス山麓がそびえる安曇野市穂高に拠点を据えるBlack Smokerは、ブラッククラウドギタープロダクツ株式会社が生産するオリジナル・ブランドだ。代表取締役兼シニアビルダーの黒岩真一氏は大手ギター/ベース・メーカーにてOEM製品の製作、海外への技術指導などを経験。2015年に大手メーカーを退社後、2016年に同社を設立した。もうひとり同社で黒岩氏の右腕となる人物が、同じく大手ギター/ベース・メーカーにて木工~組立のセクションに9年間従事してきた経験を持つ、マスタービルダーの柳澤俊氏だ。Black Smoker製品はこのふたりによる、超少数精鋭体勢にて生産されている。

     ベース製品は、JB/PBタイプを基盤とした“BETAシリーズ”がラインナップ。そのなかで5弦モデルをメインとしながらも、あくまでもパッシヴのみにこだわった考え方には他のブランドとは一線を画すものがある。トラディショナルなルックスもあり、一見オーソドックスなJB/PBタイプに見えるかもしれないが、季節・時期に合わせて厳選された木材を使用したうえで、最終セットアップ時に各個体の状態によってネック角度などが細かく調整されており、弾いてみれば、極上のプレイアビリティと高品位なサウンドを体感することができる。

     設立から4年と、国産ブランドのなかでは比較的若く、月間生産本数もわずかではあるが、ふたりの確かな技術力とこだわりが反映された製品は、着実に、そして急速に、若手からベテランまで多くのベーシストを魅了している。今後、そのハイ・クオリティなプロダクツを武器にベース・シーンにどのような一石を投じるのか、その動向が気になるブランドである。

    代表取締役兼シニアビルダー/黒岩真一氏
    マスタービルダー/柳澤俊氏

    TRAD MASTER SERIESとは?

     TRAD MASTER SERIES(トラッド・マスター・シリーズ)は、今冬より新たに始動した、楽器にエイジド加工が施されたシリーズで、加工はすべて自社にて行なわれている。エイジドは加工レベルに合わせ、“Heavy”“Medium”“Light”の3つのバリエーションが用意されており、プレイヤーの好みに合わせた加工具合を選択できるのが嬉しい。また、極薄のオールラッカーでフィニッシングされているため、使用していくなかでの自然な経年変化も楽しむことができるだろう。

     本シリーズでは、木材だけでなくピックガードにも汚しやくもりの加工が施してあるほか、ペグやブリッジ、ノブといったハードウェア類にもカスタムメイドのエイジド加工が施してあるのがポイント。単なる“レリック”ではなく、ボディ、ネックといった木材と合わせた、楽器全体としてのルックス・バランスが考慮されている部分には特にこだわりを感じる。

    Heavy Aged
    Medium Aged
    Light Aged

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