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磯部寛之が所有する6本のベース:[Alexandros] の最新サウンドを支える愛器たち
- Text:Shutaro Tsujimoto (Bass Magazine WEB)
- Photo:Yoshika Horita
2025年4月23日に9thオリジナル・アルバム『PROVOKE』をリリースした[Alexandros]。そのレコーディングやステージを見据え、ベーシスト・磯部寛之の機材にもいくつかの新たな試みが加えられている。
本記事では、“PROVOKE JAPAN TOUR 2025”のリハーサル現場で撮影した最新の使用ベースを紹介する。長年使用するトレードマーク“1964年製ジャズ・ベース”のほか、『PROVOKE』で印象的な存在感を放ったギブソン製ベースなど、磯部の現在のサウンドを形作る注目のベースたちが並ぶ。
![磯部寛之([Alexandros])](https://bassmagazine.jp/wp-content/uploads/BM-alexandros-isobe3-YoshikaHorita.jpg)
▼『PROVOKE』インタビューはこちら▼
Isobe’s Basses
Fender / 1964 Jazz Bass
不動のメイン器であり、『PROVOKE』のレコーディングでもメインで使用された、シリアル・ナンバーがLから始まる1964年製のフェンダー・ジャズ・ベース。各種パーツ類など、基本スペックは当時の状態が維持されており、磯部の激しいステージングを物語るように塗装が剝げ落ちている。
Fender Custom Shop / Jazz Bass
フェンダー・カスタムショップ製のジャズ・ベース。2015年頃より使用を開始し、ライヴではドロップC♯チューニング用として活躍している。モダンなロー・エンドと高域の輪郭が際立つサウンドが特徴で、1964年製ジャズ・ベースとは異なるキャラクターを担っている。リア・ピックアップは高めにセッティングされ、弦との距離を詰めることでよりパワフルな出音を追求している。
Fender / 1977 Precision Bass
1977年製のフェンダー・プレシジョン・ベース。シリアル・ナンバーは“S753340”。ボディはアッシュ、ネック/指板はメイプルという木材構成で、ピックアップにはディマジオ製を搭載している。『PROVOKE』のレコーディングでは、1964年製ジャズ・ベース、本器、そしてギブソン製レスポール・ベースを使い分けながら、それぞれのキャラクターを比較し、楽曲に最適なサウンドを探るという手法が採られていたという。
Rickenbacker / 4001 (1970’s)
鮮やかなレッド・カラーが目を引く1970年代製のリッケンバッカー4001は、磯部が楽器店でひと目惚れして購入した1本。2015年頃からライヴ専用器として使用している。同モデルは1961年に製造が開始され、ポール・マッカートニーやクリス・スクワイアが使用したことでも広く知られている。
Gibson / Les Paul Triumph Bass
川上洋平(vo,g)の兄から借り受けギブソン製Les Paul Triumph Bass。バンド内では“兄ちゃんベース”と呼ばれている。『PROVOKE』収録の「WITH ALL DUE RESPECT」や「Boy Fearless」で聴ける独特なサウンドはこのベースによるもの。ピックアップ・セレクターは基本的にセンター・ポジションで使用され、「WITH ALL DUE RESPECT」ではトーン・セレクターを“2”に設定し、歪みを強調したセッティングで用いられたという。ギブソン製のフライングVベースが“この音”という不動のキャラクターを持つのに対し、本器は個性的でありながらも柔軟な使い分けが可能な点が魅力とされる。
Gibson / 1981 Flying V Bass
「Kick&Spin」演奏時にギブソン・フライングVギターを弾く白井真輝に影響を受け、ステージ上で“ツインV”を演出するために2019年4月頃に購入したという、1981年製のシルバー・バーストのギブソン・フライングVベース。リア・ピックアップをメインに使用している。