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    マークベースのベース・モデル3機種をフジイタクミ(マルシィ)が徹底レビュー!【動画連動】

    • Photo:Takashi Hoshino

    近年エレキ・ベース本体の企画・生産に注力するマークベースより登場した新シリーズ“MB YELLOW BASSES”。鮮烈なイエロー・カラーが印象的な本モデルは、普遍的なJB/PBの装いを纏ったエントリー・モデルだ。本記事では、MB YELLOW BASSESのJB/PBに加え、既に多くのプロからも熱視線を浴びるアクティヴ・モデル“GLOXYシリーズ”より4弦モデルをピックアップ! フジイタクミ(マルシィ)による試奏レビューとともに、“マークベースのベース”の実力に迫っていく。

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    MB Yellow JBの試奏レビュー

    普遍的なサウンドがこの価格で鳴らせるということが、このベースの最大の魅力。

    MB Yellow JB × フジイタクミ(マルシィ)

    MB Yellowシリーズの第一印象ですが、見た目がすごくカッコいいと思いました。カッコよさと可愛さを併せ持ったカラーリングで、すごく素敵な色なので弾いていてテンションが上がりました。マッチング・ヘッドということもあり、すごくいいルックスのモデルだと思いました。

    まず、MB Yellow JBはいい意味ですごく“スタンダード”。伝統的なスタイルを踏襲するという姿勢を強く感じます。パッシヴで2ヴォリューム/1トーン、各種ハードウェアの形状などからも、“ザ・ジャズ・ベース”を感じられる、すごく伝統的な趣向だと思いました。普段僕は1966年製のジャズ・ベースをメインで使っているのですが、MB Yellow JBはサウンドのほか、演奏性の面でも王道に近しいものを感じます。ネック・シェイプはやや小ぶりな形状なので、初心者の方や、僕みたいに手の小さい方でも演奏しやすいのではと思いました。正直、この価格帯(価格:56,100円)でここまで王道の“ザ・ジャズ・ベース”なサウンドを出せることが凄いです。

    僕はジャズベのリア・ピックアップの音が好きなのですが、MB Yellow JBのピックアップをリアに振り切ると、例に漏れず僕の好きな音がします。フロント・ピックアップの音もすごくナチュラルで、まさに王道のサウンド。普段ジャズベを使っている僕としても、まったく違和感がないです。リア/フロント、どちらのピックアップを鳴らしてみても、その印象は変わりません。その普遍的なサウンドがこの価格で鳴らせるということが、まずこのベースの最大の魅力だと思います。

    MB Yellow PBの試奏レビュー

    いかにもPBタイプらしいプレイをやってみたくなる音色ですね。

    MB Yellow PB × フジイタクミ(マルシィ)

    僕は普段ジャズ・ベースばかり弾いていて、プレシジョン・ベースやPBタイプは弾くことが少ないです。だから普段ジャズベを使っている人がプレベやPBタイプを持つと、ちょっと抵抗や違和感を感じることもあると思うのですが、MB Yellow PBは一般的なプレベと比べて小ぶりなネック・シェイプということもあって、違和感なく持ち替えられました。

    サウンドの印象としてはPBらしい温かみがあって、MB Yellow JBと同じく、“ザ・プレシジョン・ベース”な音色だと感じます。トーンを絞ってブリッジ・ミュートして親指弾きしてみたり……そういういかにもプレベらしいプレイをやってみたくなる音色ですね。そしてやっぱり、このクオリティで価格が56,100円ということにも驚きです。好きな楽器っていうのは人それぞれだと思うのですが、こういった王道のサウンドが手軽に出せる楽器を一本持って練習することで、よりスムーズに上達に導いてくれるのではないでしょうか。そういったベースがこの価格帯で手に入るっていうのは革命的だと思います。僕自身もMB Yellow PBを購入して、PBのイロハをこのベースで学んでいきたいと思うくらい、素敵なモデルだと思いました。

    マークベース“MB Yellowシリーズ”の概要はコチラをチェック!

    MB GV 4 GLOXYの試奏レビュー

    パッシヴでもアクティヴでも、両方とも戦力として使える印象を持ちました。

    MB GV 4 GLOXY VAL × フジイタクミ(マルシィ)

    驚いたのは、EQをフラットにしてアクティヴとパッシヴで弾き比べた際、音量に差がほぼないこと。ステージ上でも使いやすくていいと感じました。僕の持っているアクティヴ・ベースだと、パッシヴはあくまでも補助的で、アクティヴで使うことを前提に作られているようなイメージなのですが、このベースはパッシヴでもアクティヴでも、両方とも戦力として使える印象を持ちました。

    3バンドEQに関して、まずBASSはローを素直に太くしてくれる感じがあるのですが、フルテン近くまで上げていった場合でも低域がブワァっと広がり過ぎてしまうことがなくて非常にプレイヤビリティが高いです。これはマークベースのアンプにも通じるものがあって、シンプルに音を太くしてくれる印象です。MIDDLEもすごくマークベースらしいミドルだと感じました。コリッとした、マークベースのアンプのハイ・ミッドを上げていったときと同じような感覚があります。HIGHは上の帯域のキラッとした部分がすごく上品。やっぱりマークベースのベース・モデルということだけあって、ベース本体のEQもアンプに通ずる洗練された印象です。

    僕が実戦でこのベースを使うのであれば、ちょっとローを足してあげるくらいのニュアンスで設定すると思います。ブワッと広がっていくローは、僕のバンドでは出すことが多くはないのですが、ローの帯域をちょっとブーストした状態が、ちょうど良くバンド・アンサンブルにも馴染んで使いやすいと思います。全帯域をちょっとブーストして、元気なハイファイな感じもおもしろいかもしれません。

    このベース、重量がすごく軽くて、4kgを切ってる?ってくらい、体感ではそれぐらいの感覚です。僕が使っている1966年製のジャズベも比較的軽い個体なのですが、それよりも軽いと感じますし、ボディの形状も小ぶりで構えた際に体に馴染んでくれる。僕の1966年製のジャズベにはネック・バインディングが施されていて、ライヴでの視認性も高くて気に入っているのですが、このベースのネックにもバインディングが施されていて、指板のブロック・インレイにも高級感があり、すごく好きな見た目をしています。マッチング・ヘッドほど主張していない、さりげない“プチ・マッチング・ヘッド”的なカラーリングもオシャレでカッコいいです。そしてこのクオリティで価格が13万円台……驚きです。

    マークベース“GLOXY”シリーズ”の概要はコチラをチェック!

    総評 〜3モデルを弾いてみて〜

    この価格帯で十分なクオリティを持つモデルを作っていることが本当に素敵。

    フジイタクミ(マルシィ)× マークベース ベース3モデル

    僕は普段、マークベースのLittle Mark Tube 800(アンプ・ヘッド)とStandard 104HF(キャビネット)を使っていて、マークベースのアンプはサウンドを素直に大音量にしてくれる印象があります。Little Mark Tube 800は、トランジスタと真空管のミックスができて、温かみをブレンドできる感じがすごく好みです。このアンプには“VPF”という、僕が勝手に“レッチリ・スイッチ”と呼んでいるツマミがあるのですが(笑)、このツマミは、ドンシャリにできると同時に上下の帯域をパキッと出してくれる優れもので、僕はいつもけっこう上げています。今回の動画のデモ演奏でもVPFのツマミを使用しました。

    Little Mark Tube 800(アンプ・ヘッド)とStandard 104HF(キャビネット)
    フジイが使用するLittle Mark Tube 800(アンプ・ヘッド)とStandard 104HF(キャビネット)。

    MB Yellow JBとMB Yellow PBに関しては、改めて見た目も音も含め、王道のスタイルを踏襲したトラディショナルなモデルだと思いました。そしてこのイエロー・カラー、めちゃくちゃ好きです。このクオリティで価格56,100円ということで、初心者はもちろん、2本目を検討されている方にもお薦めしたい。“ベースといえば、ジャズ・ベース/プレシジョン・ベース”という世間一般的な概念があると思うので、そういった音を自分の手で体感してみるという意味では、“どんなベースを選ぼうかな”と迷われている初心者の方、2本目を検討されている方にはこのシリーズが適しているのではと感じました。MB Yellow JBとMB Yellow PBはいい意味でスタンダードであることに加え、この価格帯で普遍的な王道の音が出せるモデルはなかなかないと思うので、ぜひ一度試していただきたいです。

    MB GV 4 GLOXYはアクティヴ・ベースということもあって、いろいろなジャンルに対応できる懐の深さがあると思いました。EQ自体も補正的に使えるものでありながら、マークベースのアンプに近しいキャラクターがあり、積極的な音作りにも使えるEQだと思うので、1本で多彩な音楽性に対応できるベースを探されている方には最適な選択肢になると感じました。

    マークベースのベースには“KILIMANJARO”というハイエンドのシリーズもありますが、そのなかでもこういった手に取りやすい価格帯で十分なクオリティを持つモデルを作っているというのは、本当に素敵だと思いました。

    ◎Profile
    フジイタクミ●12月27日生まれ。X(現X JAPAN)の影響でベースを弾き始める。2020年に「Drama / 絵空」配信リリースし、ノンプロモーションにもかかわらずSNSを中心に楽曲が広まり、新人バンドとして異例のSpotifyバイラル・チャートへ約1ヶ月連続チャートインを記録する。2022年6月に1stアルバム『Memory』でユニバーサルシグマよりメジャー・デビュー。2023年11月には2ndアルバム『Candle』をリリース。2025年4月12日にはチケット即完売を記録した日本武道館での単独公演が控えている。

    ◎Information
    マルシィ:Official HP X Instagram YouTube TikTok
    フジイタクミ:X Instagram