GEAR
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AriaProIIの最新モデル“RSB-800” “RSB-700WP”を長島涼平が試奏!「真剣に始めたい人に最適なエントリー・モデル」
- Photo:Chika Suzuki
- Text:Makoto Kawabe
RSB-700WP 製品解説
木材へのこだわりを随所に感じる個性豊かなコンセプト・モデル
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メイプルとウォルナットによる5ピース・ネックや、USAアッシュによるボディ、木製のピック・ガード、木目を最大限に生かすナチュラルなカラーリングなど、全体的に“ウッディ”な印象が色濃いRSB-700WP。ボディ裏のキャビティ・カバーまでもが木製という念の入れ様で、そのウッディな特徴を最大限に生かすべく、サーキットはパッシヴ仕様となっており、コントロールは1ヴォリューム、1バランサー、1トーンというレイアウトが採用されている。
コンパクトなボディ形状で重量が軽く、取り回ししやすい点はRSBシリーズ共通だが、ほかの現行RSBシリーズには搭載されていないMJB-1ピックアップや、1960年代初頭の楽器を彷彿させる小銀杏形状かつ質量の軽いペグなど、ブラックで統一されたこだわりのハードウェアを搭載している。このほかにも前ページで紹介したRSB-800と比較すると、シンプルなドット・インレイでフレット形状はやや高め、ネック・シェイプもわずかに厚みがあるなど、ルックス、サウンド・キャラクター、演奏性といった、あらゆる面においてRSB-800との差別化が図られている印象。価格こそRSB-700WPという型番のとおりRSB-800の下ではあるが、単純にワンランク下のモデルという位置付けではなく、同形状ではあるがまったく趣向の異なる、甲乙つけがたい兄弟モデルだと言えるだろう。ボディ・カラーは本記事で紹介した明るい色合いの“N(ナチュラル)”のほか、シックなブラックを基調としつつ木目が透けて見える“SBK(シースルー・ブラック)”の2モデルから選択可能だ。
Specifications
●ボディ:USAアッシュ●ネック:メイプル/ウォルナット(5P)●指板:ローズウッド●スケール:34インチ●フレット数:24●ピックアップ:MJB-1×2●コントロール:ヴォリューム、バランサー、トーン●ペグ:オリジナル●ブリッジ:VFB-1B●カラー:ナチュラル(写真)、シースルー・ブラック●価格:88,000円
長島涼平(フレンズ)による試奏レビュー
ロー・ミッドにフォーカスしていて、温かみのあるサウンド。
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このモデルもメッチャ軽いですね。これで88,000円かぁ、“良くできている楽器”ですね。ネック・シェイプは、握った感じはRSB-800と大きく違うわけではないけど、やや厚みがあるように感じるし、弾き心地も若干変わります。音色のキャラクターはRSB-800とまるっきり違って、ロー・ミッドにフォーカスしていて、温かみのあるサウンドで……抽象的な表現ですけどうまい人の音がしますね(笑)。ナチュラル・カラーのベースっていまだにうまい人が持っているイメージがあるんですけど、タッチが細かいプレイヤーに向いている楽器なのかな?
弾いているうちにどんどんこのルックスも気に入ってきましたよ。木製のピックガードはルックスも触り心地もとっても不思議な感じがするけど、普通のプラスチック製のピックガードのようにカッチリしすぎていないのが良いのかな? サウンド面でも良いアクセントになっていると思います。
実際に弾きながら音を聴いていると、やっぱりジャンルの違いを感じるというか、弾くフレーズもちょっと変わってきますね。パッシヴだけどコントロール・ノブの感度が良くて、音色バリエーションが豊富です。アンプを通さなくても楽器自体がしっかり鳴っている感じがして、ちゃんと“木でできている楽器”っていう音がしますね。
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