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井嶋啓介が斬る! マークベース最新モデル
- Photo:Takashi Hoshino
- Equipments Explanation:Makoto Kawabe
Total Impression
マークベースの各最新モデルを体感した井嶋に、今回の試奏を振り返ってもらった。自身もマークベース・ユーザーである彼は、ブランドに対し改めてどんなイメージを抱いたのだろうか。
音色のバリエーションを拡げつつ、常にアップデートしている。
マークベースの機材はどれもローに特徴があると思っていて、温かみがあるというか、上げても全然攻撃的にならないところが気に入っているんです。僕は人間味がある演奏というか、歌詞に合わせた演奏が好きなので、そういうイマジネーションをかき立ててくれるブランドだと思っています。普段キャビネットはマークベースのStandard 104HRを使っているんですけど、これもローの鳴りに特徴がありつつ、しっかりと力強く鳴ってくれるんですよ。加えて素直でまとまりが良くて、自分のタッチや表現したい感覚に付いてきて包み込んでくれる感覚がありますね。
マークベースのベース本体は今回初めて弾かせていただいたんですけど、どちらも5弦のローB弦がちゃんと生かされた音だったし、でも2本のキャラクターが全然違って、それぞれに良さがあっていろいろなイメージをかき立ててくれる楽器でしたね。発売されてからそれほど年数が経ってない製品ですけど、マークベースというブランドに信頼性があるので、楽器のクオリティも音色も絶対的な安定感がありますよね。そういう意味ではマークベースの製品に共通する部分があるのだと思います。弦も初めて試させてもらったのですが、とにかく手触りが気に入ったので、長期的に試してみて使用感を確認したいです。プリアンプのMark Vintage Preは、もうね、名作です(笑)。決して安い価格帯の製品ではないですけど、人気があるっていうのはやっぱりプリアンプとしての音の良さが評価されている証だと思います。ツマミの効きも良いし、それぞれのキャラクターが明確で、プレイヤーごとに生きる道があるのが良い部分ですよね。
最新モデルのアンプ・ヘッドLittle Mark Ⅳはとにかく効きが良いのが印象に残りました。普段はLittle Mark Tube 800というヘッドを使っているのですが、それとの比較ではイナたさが減ってパリッとした部分がある印象で、でもこれまでのマークベースの良さも残したまま現代的にバージョンアップしてきてるなと思いましたし、マークベース自体がそういうモダンな方向に向かっているのかなと感じました。やっぱりマークベースと言えば“小型軽量”のベース・アンプで一世を風靡しましたけど、過去のブランドにならず、音色のバリエーションを拡げながら常にアップデートしているんだと思います。
本記事は2022年1月19日発売のベース・マガジン2月号にも掲載しています。
本誌では“Markbass 20th Anniversary マークベースが創出した定義と未来”と題し、ブランドのこれまでの歩み、社長のマルコ・デ・ヴァージリス氏へのインタビュー、国内を代表するマークベース・ユーザーのベーシストによる対談など、計13ページの大ヴォリュームにてお送りいたします!