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  • One Control
    Blackberry Bass OD

     マニアックなペダル作りで知られるビルダーのビヨン・ユールが手がけるOne Controlのオーバードライブ・ペダル、Blackberry Bass OD。こちらは同じくユール氏がデザインしたBlueberry Bass Overdriveをもとに設計されたモデルで、真空管アンプのニュアンスを持った温かみのあるドライブからファズ系まで多彩な歪みを得られる。歪みの操作子が独特で、ドライブとデプス・コントロールは、コンプレッションの強さとアタックの応答性の調整が可能。ピッキング・タッチで音の表情を変化させられるため、粒立ちの良い歪みサウンドを得られるのが、本機の特徴と言える。

    【Specifications】●コントロール:ヴォリューム、ドライブ、ボディ、デプス、オン/オフ・スイッ チ●入出力端子:インプット、アウトプット●電源:9V乾電池/アダプター●外径寸法:61(W)×113(D)×31(H)mm●重量:305g●価格:¥19,800

    製品に関する問い合わせ:LEP INTERNATIONAL(☎︎03-5784-2202)
    https://www.lep-international.jp

    Umetsu’s Impression

    One Control/Blackberry Bass OD

    イナたくてブーミー、目立ち度満点のサウンド

     温かく、懐かしさも感じる歪みですね。帯域的にはミドルに特徴があり、特にロー・ミッドに厚みがあります。このポイントは歪ませたときにベースにとって美味しいんですよ。ハイじゃなくて、ロー・ミッドで抜けてくる感じがあるのですごく扱いやすい。そこがこのペダルの特徴だと思います。ちょっとイナたい感じの音楽にも向いていて、例えばフラット・ワウンド弦を張った楽器でも、カラっとして爽やかな歪みが出せるでしょう。コントロール類が変わっていて、ボディのツマミはミドルのレンジ感を可変させてくれますが、これでアンサンブルのなかでベースが抜けるポイントを調整できます。ドライブも、上げていくと歪みが足されていくというよりも、厚みが増していくような印象。ギンギンになるというよりもブーミーなキャラクターで、単純に目立つ音だと思います。こういったテイストの歪みが好きな人にとっては、替えの効かないペダルだと思います。

    Shin’s Music
    ACID BASS DRIVE

     エンジニアの鈴木伸一氏が製作するハンドメイド・ペダルのブランドShin’s Music。このACID BASS DRIVEは、もともとキーボードやシンセサイザーのために開発された歪みペダルをベース向けに調整したモデルだ。コントロールは4つでドライブ(DRV)、ヴォリューム(VOL)に加えて、シンセの操作子でも見られるフィルター(FLT)、レゾナンス(RES)を装備しているのがポイント。フィルターはロー・パス・フィルターで、その動きに合わせてレゾナンスが歪みを付加させる。ACIDという製品名どおりにシンセ・ベースのような重心の低い音色を得意とするが、ファズやオーバードライブまで、多彩かつ個性的な歪みを出力する。

    【Specifications】●コントロール:ドライブ、ヴォリューム、フィルター、レゾナンス、オン/オフ・スイッチ●入出力端子:インプット、アウトプット●電源:9Vアダプター●外径寸法:60(W)×110(D)×30(H)mm●重量:約260g●価格:¥38,000

    製品に関する問い合わせ:モリダイラ楽器(☎︎03-3862-5041)
    http://moridaira.jp

    Umetsu’s Impression

    Shin’s Music/ACID BASS DRIVE

    アナログ回路ならではの太いシンセ・ベース的な音色

     ブーミーな歪みですね。真空管に負荷をかけてスクリームさせているようなニュアンスを、ちゃんとペダルで再現していることに驚きました。ACID BASS DRIVEという名前からも、ローランドのTB-303のようなシンセ・ベースっぽいキャラクターがあります。特に指でベースを弾いたときにシンセっぽいニュアンスを出しやすいです。コンプとも違う、音が壁のように張りつくというか、耳に近いところで鳴っているような感じが個性的ですね。歪みペダルとして使っても良いですが、このペダルをシンベの音として使うのもアリだと思います。ベース本体のトーンを絞って弾くと、おもしろい効果が出せます。一般的なデジタルのシンセ・ベース系エフェクターとは違い、このペダルはアナログ・シンセのような、図太い音が特徴です。このペダルなら、バンドのなかでもほかの楽器に負けない存在感が出せるので、シンベの音をバンドで出したいと思っている人にはピッタリですね。

    TECH21
    SANSAMP YYZ

     テック21サンズアンプが開発するゲディ・リーのシグネイチャー・モデル。既存のラックマウント型プリアンプ(GED-2112)をペダル・サイズに落とし込んだDI-2112を、さらにコンパクト化したのが本機だ。コントロールは音量レベルを調整するマスター、ゲディ仕様にチューニングされたロー、ハイ、ミッドの3バンドEQ。歪み系の操作端子はチューブ・ライクな歪みの量を調整するドライブに加えて、クリーンとドライブのブレンド比をコントロールするミックスを搭載。タイト・ボタンを押すと明瞭感が加わり、ゲディ・リーのようなアタッキーでタイトなサウンドが得られる。

    【Specifications】●コントロール:マスター、ミックス、ロー、ミッド、ハイ、ドライブ、タイト・スイッチ、オン/オフ・スイッチ●入出力端子:インプット、アウトプット●電源:9V乾電池/アダプター●外形寸法:100(W)×120(D)×54(H)mm●重量:約320g●価格:オープンプライス(市場実勢価格:¥29,000前後)

    製品に関する問い合わせ:キクタニミュージック(☎︎0561-53-3007)
    https://www.kikutani.co.jp/

    Umetsu’s Impression

    TECH21/SANSAMP YYZ

    ゲディ・リーの音も出せる、汎用性の高さ

     このペダルはミックスのコントロールが特徴で、ディープはクリーンなアンプ、ドライブは歪ませたアンプという感じで、2台のアンプで鳴らしたようなサウンドをブレンドできます。このツマミの位置によってサウンド・キャラクターが変わるので、そこがこのペダルのおもしろいところだと思います。それと、タイト・ボタンを押すと余分なローがカットされて、音の立ち上がりが速くなり、ゲディ・リーのような細かくて速いフレーズでも聴きとりやすくなりますよ。デモ演奏ではミドルを少しブーストしてローとハイはセンターくらいに設定したのですが、ミドルを強調するとアンプっぽいニュアンスになりますね。シグネイチャー・ペダルではありますが、ゲディ・リーのような音を出すには、わりと音を作り込む必要があります。その分、サンズアンプらしく、ほかにもいろんなキャラクターのサウンドを出せる。その意味でも汎用性の高いペダルですね。

    Vivie
    Rhinotes

     注目を集める気鋭の国産ブランド、Vivieのベース用オーバードライブ・ペダル。コントロールはレベル、ミックス、ゲインに加えて、トレブル、ミドル、ベースの3バンドEQを搭載。ミドルの周波数帯域は400Hzと800Hzをスイッチで切り替えられ、2kHzを5dBブーストするブライト・スイッチも装備。原音と歪みのサウンドのバランスが良く、軽い歪みから過激なセッティングまで、濁りがなく芯のあるサウンドが得られる。歪みは高域に特徴のある現代的なキャラクターで、EQと各スイッチを組み合わせることでバッキングからソロまで、プリアンプ+歪みペダルとして使うことができる。

    【Specifications】●コントロール:レベル、ミックス、ゲイン、トレブル、ミッド、ベース、ミッド・フリケンシー・スイッチ、ブライト・スイッチ、オン/オフ・スイッチ●入出力端子:インプット、アウトプット●電源:9V乾電池/アダプ ター●外径寸法:98(W)×128(D)×50(H)mm●重量:約320g●価格:¥29,800

    製品に関する問い合わせ:CygnusEntertainment
    ✉️CygnusEntertainment info@cygnus-entertainment
    https://vivie-effect.com/

    Umetsu’s Impression

    Vivie/Rhinotes

    芯がボケない、こだわりのオーバードライブ

     個人的にも気になっていたペダルでしたが、チェックしたら前評判どおりというか、流石の仕上がりでした。まず、原音をブレンドできるミックスのツマミを目一杯上げても、良い感じに自然なサウンドでいてくれるところが気に入りました。かなり大げさに歪ませても音の芯がなくならないので、ベースの特性をしっかりと意識してた作られたペダルという印象です。EQで歪みの聴こえ方が変化するのもおもしろいですね。トレブルを上げても、単純にEQで高域を持ち上げた感じではなく、まるで歪みのゲインの量が上がるように聴こえます。ミドルのフリケンシーも美味しい帯域に設定されていて、積極的に歪みのキャラクターを追い込めます。ブライト・スイッチも自然な効きで、ハイが出るというよりも音色全体が明るくなるので、ふたつの異なるキャラクターを使い分けられます。どのコントロールもこだわって設定したことが伝わってくる、完成度の高いペダルです。ローの残り方や歪みのきめ細やかさなど、唯一無二の個性を持っていますね。

    Way Huge Electronics
    RUSSIAN-PICKLE FUZZ

     ファズの名機でもある90年代のロシアン・ファズ(SOVTEK)のサウンドを追求して製造されたファズ・ペダル。オリジナルのBC183/NOSシリコン・トランジスタを使用しており、暴力的なまでにファットなボトムに加えて、クリアなミッド・レンジを備えたクリーミーなファズ・トーンを出力する。コントロールはヴォリューム、トーン、ディストーションのみというシンプルな構成で、多彩な歪みが得られるタイプではなく、ロシアン・ファズというひとつのキャラクターに特化したモデル。分厚いロー・エンドを鳴らしながら過激に歪ませたいベーシストにとっては、鬼に金棒となる一台だ。

    【Specifications】●コントロール:ヴォリューム、ディストーション、トーン、オン/オフ・スイッチ●入出力端子:インプット、アウトプット●電源:9V乾電池/アダプター●外径寸法:82(W)×127(D)×65(H)mm●重量:200g●価格:¥18,000

    製品に関する問い合わせ:モリダイラ楽器(☎︎03-3862-5041)
    https://moridaira.jp/

    Umetsu’s Impression

    Way Huge Electronics/RUSSIAN-PICKLE FUZZ

    歪みで壁を作るロシアン・ファズの再現モデル

     このペダルのオリジナルでもあるロシアン・マフは以前から愛用していて、同じ再現系のモデルも所有しているのですが、オリジナルと同じパーツを使っていても、筐体の素材や形状の違いのせいか、ニュアンスが異なるサウンドになることが多々ありました。そのなかでもこのペダルは、僕がイメージしているロシアン・ マフのサウンドにかなり近いですね。なかでもサウンドの決め手になるトーンのツマミの効き方は、オリジナル・モデルを彷彿させる印象です。ディストーションのツマミは途中から歪みの量が飽和していくあたりもうまく再現されていますね。音量を上げすぎるとアンプが飛ぶ可能性があるので注意が必要ですが(笑)。オリジナルのロシアン・マフはスイッチが脆かったり、改造しないとアダプター電源が使えなかったりもします。その点、このモデルはコンパクトでありながら、そういった心配もないので、オリジナルのロシアン・マフの代わりとして使えますね。歪んだ音の壁を作りたい人にはマストのペダルですよ。

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