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プロの宅録環境 – BM RECOMMEND AUDIO INTERFACE revisited
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- Product Description:Kohsuke Nakamura(Recording Engineer)
Universal Audio
Apollo Twin X
プロ御用達の高品質定番機
SPECIFICATIONS
●接続:Thunderbolt1/2/3(Mac)、3(Win)●入出力端子:Hi-Zインプット(フォーン)、ヘッドフォン・アウト(標準ステレオ)、マイク/ライン・インプット(XLR/TRSコンボ)×2、ライン・アウトプット(TRSフォーン)×2、モニター・アウト(TRSフォーン)×2、オプティカル・イン、Thunderbolt3●電源:DCアダプター(付属)●外形寸法:160.3(W)×66(H)×148.8(D)mm●重量1.07kg●価格:オープンプライス(市場実勢価格Apollo Twin X DUO=¥97,000、Apollo Twin X QUAD=¥150,000前後/税抜)
Universal Audioはヴィンテージ・エフェクター系の“UAD”プラグインで、レコーディング・スタジオではデファクト・スタンダードになっているブランドです。イン・ザ・ボックスと呼ばれるPC内部でのミックスが主流になってからは、プロのほとんどが同社のプラグインを使って名器のサウンドを得ていると言っても過言ではないでしょう。他社製品のほとんどがPCのCPUパワーを使っているのに対し、同社は専用のDSPを使用するため動作が安定することや、音の遅れが少ないなどのメリットがあります。言ってみればこの仕組みは、デジタル・マルチ・エフェクターのエフェクトが書き込まれないで販売され、ユーザーがエフェクトをプラグインで起動すると中身がロードされるようなものなので、プラグインの利便性と実機の安定感の両方を兼ね備えていると言えます。ここで紹介するApollo Twin XもDSPを搭載しており、ベースなどの録音/ミックスの際にUADプラグインを使用することができるのです。
Unisonテクノロジー
通常のプラグインはデジタル的にアナログ回路を再現するのにとどまりますが、Apollo Twin XのUnisonテクノロジーは、入力インピーダンスが変化するなどアナログ回路の特性を変えることによって、さらに実機のようなニュアンスを得られる仕組みです。エフェクトはかけ録りも、モニターだけかかっている音で聴きながらストレートなサウンドを録音することもできるので、両方押さえておきたいときには便利でしょう。ミックスの際の微調整にも対応できますし、ベースの場合、ラインとアンプの音を混ぜた音作りもポピュラーなので、これができると対応の幅が広がります。また本機には前述のAmpegSVT-VRがバンドルされていますが、同じくUnisonテクノロジーに対応したAmpeg B-15NやEden WT800、Gallien-Krueger 800RBなどがメーカーから正式にライセンスされる形でラインナップされており、追加購入でサウンドの幅を広げることも可能です。
“UAD”プラグインと
Mac用アプリの“LUNA”が標準付属
本機にはベース用以外でも、マイク・プリアンプのUA 610-B、ギター・アンプのMarshall Plexiが付属しており、マイク録りやギターでもUnisonテクノロジーで味のある音色で録音できるほか、スタジオの定番コンプレッサー、Urei 1176SE/LNやTeletronix LA-2A、PultecのEQも同梱されているため、クオリティの高いサウンドに仕上げることができるでしょう。自宅でプロが使っているのと同じものを使用できるのは安心感がありますね。またApolloユーザーに無償提供される、LUNAレコーディング・システムを使えば録音も可能。LUNAではほかのDAWと違い、ミキサー部を本物のコンソールやテープマシンを通した音にするオプションなども用意されており、ひと味違ったサウンドが得られるでしょう。
●フクダヒロム(Suspended 4th)が体感したApollo Twin Xのすごさ
今までがフルHDだとしたら、4K、8K。
今、僕は初期型のApollo Twin Duoを使っています。“ベースを仕事にしたい”と思ったときに、今のご時世、宅録が主流になりつつあるし、プロのスタジオ・ミュージシャンの方に相談しても、“データ納品できるくらいのクオリティで録れるものを使わないとダメだ”と言われたんですよね。
Apolloを選んだのにはいくつか理由がありますが、やっぱりUADのプラグインが使えるというのは大きかったですね。僕はプラグインをよく使用するんですが、UADのリアル感、アナログ感って全然違うんですよね。空気感、再現度……クオリティっていう面ですごく優秀。一度使用してからは、もう手放せなくて、ないと不安みたいな(笑)。1176SEっていうコンプレッサーは、外のスタジオでレコーディングするのと同じ感覚で、最終的に音を整えるトータル・コンプとしてベース録音の際にはほとんど使っています。こういうプラグインがApolloのなかで処理ができるというのが良くて、PCに負担がかからないというのも大きいですよね。録ってからミックスの段階でプラグインをかまして編集するのではなく、最初からある程度作り込んだ状態で録音ができるので、時短にもなるし、聴いていてテンションが上がる音でやれるっていうのがいい。ラインの音ってしょぼくなりがちですから。
アンプ・シミュレーターもアンペグのSVT-VRのモデリングをよく使います。僕自身、実機のアンペグ・ユーザーでもあるんですけど、そういうユーザーからしても納得の再現度。つまみのレスポンスも“なるほどな”って感じるんですよね。これが無料で付属っていうのがすごいですよ。もうひとつ重要なのがレイテンシーがないこと。それ以前に使っていたものはレイテンシーが気になってDAW側で調節をしていたんですね。Apolloにしてからはそのストレスはなくなりました。
そして今回のApollo Twin Xなんですけど、正直、同じApolloだし、そんなに変わらないだろうと思っていたんです。でも、これヤバイですね。例えるなら、今までがフルHDだとしたら、4K、8K。音の解像度がすごく高い。実際にDAWで録り比べても、圧倒的にXのほうがワイドレンジ。僕の初期型の音がくもって聴こえるぐらい。言っても、今まで初期型のApolloで不満に思ったこともないし、“音質がいい”という理由で買ったわけだし、実際に僕らの『GIANTSTAMP』なんかはこれで録ったんですよ。あとXは、ベースを弾いてモニタリングするときでも、テンションの上がる音がする。弾いていて楽しいですよね。これはめちゃくちゃ重要な点で。Xを知ってからは、初期型に戻るとテンションが上がらない……これ、ベーマガさん、どうしてくれるんですか?(笑)正直、X、めっちゃ欲しいです。
あと、今回、LUNAも試してみたんですけど、すごく素直な音が録れるなって思いました。付属のソフト・シンセもすごく優秀で、ちょっとしたトラックメイクなら、LUNAで完結できてしまう。正直、Apollo自体、安いものではないと思うんです。でも、DAWもアンプ・シミュレーターも付いてくるし、それこそ本気でやっていきたいという人なら、安いオーディオ・インターフェイスを買ってのちのち必要になって高いものに買い換えることになるくらいなら、最初からいいものをがんばって買ったほうがいいと思います。
PROFILE
フクダヒロム
●1994年11月3日生まれ。2013年に結成されたSuspended 4thに2015年に加入。名古屋市栄での路上ライヴが話題を呼び、2019年7月に1stミニ・アルバム『GIANTSTAMP』でピザ・オブ・デスからデビューを果たした。
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