GEAR
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AriaProIIの最新モデル“RSB-800” “RSB-700WP”を長島涼平が試奏!「真剣に始めたい人に最適なエントリー・モデル」
- Photo:Chika Suzuki
- Text:Makoto Kawabe
約50年もの歴史を持つ、老舗ギター/ベース・ブランドAriaProII。豊富な製品ラインナップを武器に、ジャンルを問わず高い支持を集め続ける同社の人気シリーズ“RSB”より、新たに2モデルがリリースされた。AriaProIIの系譜を確かに受け継ぎつつ、独自の進化を遂げた本モデルはどのような実力を備えているのか。長島涼平(フレンズ)による試奏レビュー、そして弊誌でもお馴染みのベーシスト河辺真(SMORGAS、NEO BURNING FIRES)による製品解説動画とともに検証していく。
RSB-800/RSB-700WPのサウンドを聴く
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RSB-800 製品解説
モダンかつパワフルなサウンドメイクを実現する万能モデル
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“RSB”はAriaProIIの象徴的なモデルであるSBシリーズ(スルー・ネック仕様)のボディ・シェイプを継承しつつ、ボルト・オン仕様に落とし込んだシリーズ。ネック・プレートを介さない6点止めのジョイント構造や、最終24フレットまでのプレイアビリティを確保するべく深く彫り込まれたカッタウェイが特徴的なボディ・シェイプなどは現行のRSBシリーズ共通のスペックだが、新登場したRSB-800は現行ラインナップとしては最上位モデルという位置付けであり、下位モデルとは異なるピックアップやオリジナル・サーキットによる2バンドEQプリアンプ、剛性が高く質量のあるブリッジなどを搭載することで、よりモダンでパワフルかつバリエーションに富んだワンランク上の音色を実現するほか、ゴトー製のペグGB- 10の採用によりチューニングの安定性の向上を図っている。
ブロック・インレイにバインディング付きのネックはメイプル、指板はローズウッドと、マテリアルはオーソドックスなセレクトだが、ボディは東南アジアなどが原産のバユールを採用しており、楽器としては馴染みの薄いマテリアルだけに本器の音色キャラクターを際立たせる一因となっている。ボディ・カラーは4色がラインナップしており、すべてヘッドがボディと同色のマッチング・ヘッド仕様だ。既存のモデルであるRSB-42AR(アクティヴ仕様)やRSB-618(パッシヴ仕様)は非常にリーズナブルな価格帯だが、最上位モデルとなるRSB-800でさえも、その充実したスペックと比較すると、驚異的なコスト・パフォーマンスを実現している点も見逃せない。
Specifications
●ボディ:バユール●ネック:メイプル●指板:ローズウッド●スケール:34インチ●フレット数:24●ピックアップ:AJB-1×2●プリアンプ:AriaProII AXBP-3●コントロール:ヴォリューム、バランサー、トレブル、ベース●ペグ:ゴトーGB-10●ブリッジ:VFB-1002C●カラー:メタリック・ブルー(写真)、チャコール・メタリック、ペルシアン・レッド、ホワイト●価格:110,000円
長島涼平(フレンズ)による試奏レビュー
直線的な音色というか、ブライトな方向性で今っぽいイメージ。
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普段は細めのネックのJBタイプのモデルを弾いているんですけど、RSB-800もけっこうネックが細くて自分の楽器に近い感じがして弾きやすいです。弾き心地もとても良いですよ。このボディ・シェイプだとハイ・ポジションもすごく弾きやすくて、いつもよりも高いところがしっかり弾ける感じがします。直線的な音色というか、ブライトな方向性で今っぽいイメージですね。
アクティヴを入れるとよりパワーが出ますけど、パッシヴにしても(次ページで紹介するパッシヴ仕様の)RSB-700WPとは全然違う印象なんですよね。弦高などの楽器のセッティングもあるんでしょうけど、アクティヴでもパッシヴでもちょっとジャリっとした音色が付いてくるのはなぜなんでしょう? ブリッジの違いとかネックの仕様の違いとかもあるのかな? 2バンドEQをブースト/カットすると、それなりに音色が変化しますし効きも問題ないですが、基本の延長線上にある音色だし、パッシヴ/アクティヴを切り替えても根底にあるサウンド・キャラクターが変化しないので、曲中でも十分に使い分けられると思います。ステージなど、楽器を持ち替えたくない場面でも活用できるので使いやすいですね。(RSB-800の価格を聞いて)えっ、この内容で11万円なんですか? メチャクチャ安いじゃないですか! びっくりです。
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