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    【第144回】1フィンガーでゴースト4連打する裏ワザ 石村順の低音よろず相談所 〜Jun’s Bass Clinic〜

    • Text:Jun Ishimura

    “約3分”でベース上達にまつわるさまざまなトピックを解説するYouTube動画連動の連載『石村順の低音よろず相談所 〜Jun’s Bass Clinic〜』。第144回のテーマは、“1フィンガーでゴースト4連打する裏ワザ”

    こういうゴースト・ノートまみれのフレーズ、どう弾きますか? 実は1フィンガーでも弾けちゃうんです。

    一般的には、このようにオルタネイトで弾くという人が多いんじゃないかなと思います。(i = 人差指、m = 中指)

    これはこれで全然問題ないです。ただ、たとえばテンポがすごく速い場合とか、1曲中ずっと何分もこれを弾き続けるような場合、ちょっとハードルが上がるかもしれません。そんなの余裕だよ!という人については、もう心からリスペクトです。でも僕の場合は、もしこれを数分間弾き続けなきゃいけないとしたら、疲れるのは嫌なのでなるべく楽して弾きたいです。そこで、前回・前々回で練習した“タッチで出すゴースト・ノート”と“レイキング”を組み合わせて弾きます。いくつかのやり方がありますが、今回はちょっと極端かもしれないけど1フィンガーでも弾けちゃうよ!という弾き方を紹介しますね。こうです。

    まず、ここでは全部 i の指で書いてありますが、m の指でやってもOKです。また、1・3拍目のオモテの音のスタッカートは左手だけで表現します。そして、2・4拍目のゴースト・ノートは、全部の弦を左手でミュートした状態で、1音目は i の指で1弦をタッチ、2音目はそのまま同じ i の指で1弦をピッキング、3音目はそのままレイキングして2弦をピッキング、4音目もそのままレイキングして3弦をピッキング、という順番です。さらに、そのままレイキングして次のCの音を4弦でピッキングします。つまり、ゴースト4個と実音1個の5音を1挙動で弾くことになります。

    ではその部分をゆっくり練習しましょう【ex.1】。1音1音ていねいに練習してもらいたいので、【ex.1】はすべて4分音符で書いてあります。ゴースト・ノートは“点”のように感じがちですが、音と音の間の長さ(音価)を感じるように気をつけましょう。フレーズの1部分を抜き出しての練習なので、ここだけ6拍子になっているのでご注意を。

    手順に慣れたら【ex.2】をやります。手順は【ex.1】と同じで、ただ今度は8分音符になっています。4分音符のときと同じように音価を感じながら弾きましょう

    次の【ex.3】でも手順は同じで、今度は課題フレーズと同じ16分音符で書いてあります。これはゴースト・ノートに限った話ではないんですが、“16分音符の音価”を感じるのが難しい人も多いかもしれません。でもそれが難しく感じるのは思い込みなので、この【ex.3】の譜面を見つつ、【ex.1】で4分音符として練習したときに感じる“音と音の間の長さ”をしっかり感じ続けながら弾きましょう

    最後に、【ex.4】は課題フレーズと同じです。今までと同じように、それぞれの音価に気をつけて安定したリズムで弾きましょう

    これができると、全部の音をピッキングするのの1/3くらいの労力で演奏できるので、肉体的にも精神的にもかなり余裕が生まれますよね。石村順でした!

    ◎書籍版『石村順の低音よろず相談所』はこちらから!

    石村順
    ◎Profile
    いしむらじゅん●元LOVE CIRCUS、元NEW PONTA BOX。日食なつこ、ポルノグラフィティ、東京エスムジカ、K、JUJU、すみれ、大江千里、松山千春、宇崎竜童、石川ひとみ、種ともこ、近藤房之助、豊永利行、Machico、紘毅、城南海、西田あい、つるの剛士、SUIKA、Le Velvets、葡萄畑など、多数のライブや録音に参加している。ロングセラー『ベーシストのリズム感向上メカニズム グルーヴを鍛える10のコンセプトとトレーニング』の著者。Aloha Bass Coachingではベース・レッスンのほか全楽器対象のリズム・レッスンを行なっている。

    ◎Information
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