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    【誰でもわかる! 低音理論のオハナシ】第10回 – 楽譜の基礎知識・その2

    • Text:Takeshi Yamaguchi

    前回はト音・ヘ音記号や音階の名前などを学んでいったね。今回は音を表わす音符について細かく見ていこう。楽譜が読めるようになるためにがんばってね!

    音符が読めなきゃ始まらない!

    前回から始まった“楽譜”についてのオハナシだが、第1回の冒頭で“楽譜はミュージシャンの世界共通語”と書いた。それはたとえ用いる言語が違っても、オタマジャクシ(音符)に記されたとおりの音を、それぞれのパートの楽器で出していけば、楽曲を組み立てていくことができるからだ。

    というわけで、ここで問題。

    問題】付点8分音符は、16分音符ではいくつ分の長さか?

    これはあまりにも簡単な問題だったかな? それとも、“付点”という言葉が耳慣れなかったかな? いずれにしても、楽譜の“基礎知識”のオハナシなので、基礎がしっかりとできていないと先に進めないからね。

    【答え】3つ

    これはつまり、音符の長さの問題だ。数ある音符(休符も含めて)のそれぞれが表わす長さなどの関係をしっかりと把握しているかどうか、ということ。

    というわけで、今回は“音符”“休符”について進めていこう。

    基本的な“音符”と“休符”

    楽譜に用いる音符や休符にはいろいろなものがあるが、最もよく用いられる基本的なものは【図1】に示すとおりだ。まずは、それぞれの音符(休符)の名称を覚えよう。ちなみに、ここに示す音符(休符)の“~分”という数は、“4/4(4拍子)の楽曲で、その音符が1小節に入る数”を表わしているんだ。

    これはどういうことかというと、例えば全音符というのは、“この音符ひとつで1小節を全部埋めてしまう長さ”ということなんだ。2分音符なら、“1小節を2分する、つまり1小節に2つ入る長さの音符”、4分音符なら同様に4つ入る、というわけだ。規則的な関係なので簡単でしょ? もちろん休符もこれと同様だ。ちなみに、ここにあげたような音符(休符)のことを、このあとに出てくるものと区別するために、“単純音符(休符)”と呼ぶので、頭の片隅にでも入れておいてね。

    音符についている点について

    ●“付点音符”とは?

    次に、冒頭の問題にも出てきた“付点音符”という言葉。これは読んで字のごとく、音符に“点”が付いているわけだが、【図2】に示すように、“ある音符に点が付くと、もとの音符の1.5倍の長さになる”というものだ。つまり冒頭の問題の“付点8分音符”の場合、“8分音符+(8分音符の半分の長さであるところの)16分音符”という長さを表わすことになるわけ。もちろん、これらも休符については同様のことが言える。

    ●“複付点音符”って?

    付点音符と似たもので、点がふたつ付いた“複付点音符”というものもある。これは、【図3】に示すとおり“もとの音符の1.75倍の長さの音符”を表わしたものだ。仕組みは前述の付点音符と同様なので、この図を見てしっかりと把握しよう。もちろん、休符も同様だ。

    “連音符”について

    最後は“連音符”というものだ。“3連”とか“6連”という言葉を耳にしたこともあると思う。これらは、“本来分割されるべき方法とは、異なる方法で等分した音符”のことだ。文字で説明するとなんだか難しく感じてしまうが、【図4】を見てもらえればわかると思う。ひとつ目の例を見ると、本来8分音符は1拍のなかにふたつ入るはずだが、3つ記されているね。つまり、1拍を3等分しますよ、ということなんだ。

    最後の例は、2拍を2等分するべきところを3等分しているね。また、この他にも、7連音符、9連音符、といったものもある。

    さて、音符と休符について、基本的なことは理解できたかな? 楽譜にはまだまだたくさん理解するべきことが盛り込まれているので、次回も引き続き要チェックだ。

    今回のまとめ:オタマジャクシをあなどるなかれ!

    ◎講師:山口タケシ
    東京都出身。小学生の頃ギターを弾き始め、中学生でバンドを作り、ベースに転向。大学在学中にCBS/SONY(当時)よリバンドでデビューした勢いで、新聞記者か小学校教師という進路を変更、親の反対を押し切り就職活動もせずにプロの世界へ。その後はバンドのライヴ活動と同時にスタジオ・ワークやツアー・サポートなどを始める。卒業後、自己のバンドや、数々のアーティストのツアー、レコーディングヘの参加とともに、『ベース・マガジン』誌への執筆や、入門書、教則CD、教則ビデオ制作といった活動も続けている。