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    現在の沼【高松浩史の音色探索 その箱の中は地獄より深い】– 第6回

    生粋のエフェクター・フリークとして知られる高松浩史による、以前本誌にて掲載していた当連載がBM Webにて復活! マニアックなものからビギナー向けのお勉強企画まで、豊富な機材知識を持つ高松がエフェクターを語り尽くします。第6回は、自身のエフェクト・ボードにおける緻密なシステムを自らの言葉で解説してくれた。

    現在の沼

    Bass Magazine Webを御ご覧の皆様、ごきげんいかがでしょうか。高松浩史です。

    2024年です。新年、あけましておめでとうございます。本年も何卒よろしくお願いいたします。

    さて、今月18日に発売されたベース・マガジン2024年2月号にて、The Novembersの最新作『The Novembers』についてインタビューしていただきました。ベース・マガジン本誌に掲載していただくのは、季刊誌になってから初めてでは? アルバムのこと、機材のことなどお話ししておりますので、ぜひご覧ください。

    それに関連づけて、今回は最新のペダル・ボードの解説をしようかなと思います。

    まずは全景写真です。

    ベースからの信号は、

    ①Papa Goriot Studios/ADVENT MONOLITH.(オーバードライブ)
    ②Studio Dayream/TRIGGER6 V1.2(スイッチャー)
    ③TECH21/SansAmp Bass Driver DI V2(プリアンプ)
    ④EarthQuaker Devices/Tone Job(イコライザー、ブースター)
    ⑤Darkglass Electronics/HARMONIC BOOSTER(イコライザー、ブースター)
    ⑥Shin’s music/Baby Perfect Volume(ヴォリューム・ペダル)
    ⑦1995fx/Stomache ache(イコライザー、ブースター)

    となっており、スイッチャー(TRIGGER6 V1.2 )からの信号は、

    【ループ1】⑧electro-harmonix/POG2(オクターバー)
    【ループ2】⑨EarthQuaker Devices/Rainbow Machine(モジュレーション)
    【ループ3】⑩1995fx/Stomache ache(イコライザー、ブースター)
    【ループ4】⑪Darkglass Electronics/ALPHA・OMEGA ULTRA(ディストーション)
    【ループ5】⑫Free The Tone/PA-1QB(イコライザー、ブースター)
    【ループ6】⑬electro-harmonix/MAINFRAME(ビット・クラッシャー)

    という構成です。

    まず基本の音色は③がかかっていて、これはオフにすることはありません。設定的にはほんの少し歪ませつつロー感を担保し、いらないミッドを削るというイメージです。

    歪み系は使用頻度が高く、使い分けとしては①をしっかり歪ませつつ輪郭がはっきりしたオーバードライブ、⑤はディストーションとファズをカバーする音色、⑬は⑤と組み合わせてさらに過激なファズ、といった感じです。⑬は今回のツアーから導入した新入りで、いろいろと遊べるのでかなり気に入っています。コンパクトですし、見た目も良いですよね。

    前回紹介した、2台のStomache acheは、⑦が最終段での低音域のブースター、⑩はほんの少し歪ませつつ、ほんの少し重心を下げる役割です。この使い分けにしてから、各歪み系ペダルの役割にメリハリがついてすごく良いです……!!

    僕のペダル・ボードには“イコライザー、ブースター”という役割のペダルが多いのですが、④はミッド・ブースター、⑤はフレットレス・ベース用の音色補正、⑫はプリセットで大胆にドンシャリにしたり、細かく微調整したりとそれぞれ使い分けがあります。正直、⑫のみでも成立しそうですが、イコライザー、ブースターのセクションは試行錯誤の最中です。

    その他、⑧はオクターヴ上や下を出したり、上下両方出してシンセっぽい音色にしたり……。音はクリアでしっかりと発音してくれて(機種によってはふにゃふにゃになってしまうので……)、ベースでも使いやすいです。正直、オクターヴ下はアナログのオクターバーのほうが音は太くて好きですが、利便性などのバランスを考えてこちらを使用しています。

    ⑨は一般的には飛び道具系のペダルとされていますが、僕はダブラーとして使用しています。いわゆる揺れないコーラス的なものですね。フレットレスにかけるととても雰囲気が出るんですよね。

    以上、簡潔ですがペダル・ボードの紹介でした。

    こうやってペダル・ボードの解説をすると、一気に入れ替えたくなってしまうので、次にご紹介するときはまたいろいろと変わっているかもしれませんね……。

    それでは、今回はこのへんで。ご覧いただきありがとうございました。

    ◎Profile
    たかまつ・ひろふみ●栃木県出身。2002年に高校の同級生だった小林祐介(vo,g)とともに前身バンドを結成する。2005年からThe Novembersとしての活動を開始し現在までに8枚のフル・アルバムなどを発表している。2021年からは京(vo)、yukihiro(d)を中心としたプロジェクトPetit Brabancon、浅井健一&THE INTERCHANGE KILLSのメンバーとしても活躍している。その他、Lillies and Remains、圭、健康のサポート・ベーシストも務めている。

    ◎Information
    高松浩史 X Instagram