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    FEATURED BASSIST-日向秀和[Nothing’s Carved In Stone]

    • Interview:Takahisa Kondoh
    • Photo:Taichi Nishimaki

    もはやプレイバックの時間がもったいない(笑)。それぐらい、確信しかなかった。

    ──とはいえ、例えば「Isolation」では2回目のAメロでフレーズを変えたり、ギター・ソロのうしろでは、コード進行も変えて、ガラッと印象を変えていますよね。

     あれはライヴで演奏しているうちに、ライヴ中の感性で変化していったものですね。今回録り直すにあたって、昔の音源はあえて聴かなかったんですけど、ライヴを観てくれている人にとっては“ああ、なるほどね”って思うと思います。

    ──ライヴで演奏することによって、どんどんとアレンジが育っていった曲も多いんでしょうね。

     そうですね。加えて、今作は普段のライヴ演奏とまったく変わらなくて、僕のなかでは“ライヴ・レコーディング”って言ってもいいぐらい、ベースに関してはほぼファースト・テイクで仕上がっていたんですよ。

    ──今回、もとの音源と聴き比べたりしたんですけど、やはり忠実に再現している感じもありますが、確かにライヴに近い音像で、ソリッドな印象でした。

     そうそうそう。より生々しいというか、クリアな状態になっていると思うんですよね。だからレコーディングもあっという間に終わりました。そして、当然ながら基本となるサウンドの臨場感が変わっていると思うので、そのあたりも聴きどころだと思いますね。

    ──ちなみに、レコーディングの作業はスムーズだったんですか?

     今作のレコーディングは……14時にスタジオ入りして、17時には終わるんですけど、結局、3時間で6曲とか録ってましたね。

    ──めちゃくちゃ早いですね(笑)!

     だからもはや、プレイバックの時間がもったいないんですよ(爆笑)。一応プレイバックしないと、“そんなことで許されると思ってるのか!?”みたいな空気感になるので、気にしているフリをしてました(笑)。確認作業がなければ、もっと早いのに……。

    ──確かに、プレイバックするということは、1曲聴くのに等倍速で聴かないと意味がないですからね。

    そうそう。一応メンバーがいる手前、聴き返しましたけど、メンバーがいなかったら、ちょっとわからなかったですよね(笑)。

    ──逆に言うと、プレイした時点で“これはいけるな”っていう確信があったんですね?

     もう、確信しかない。

    ──そこまで断言できるのはすごいです。

     今回収録されている楽曲たちは、これまでライヴで演奏しまくってきたものだから。僕たちにとっては本当に代表曲だし、目をつぶっていても、耳を塞いでいても弾けると思いますよ。