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FEATURED BASSIST-辻村勇太[BLUE ENCOUNT]

  • Interview:Kengo Nakamura

Tsujimura’s Gear

Bass

 『Q.E.D』のレコーディングで使用された1962年製のフェンダー・ジャズ・ベース。ライヴでもメインで使用している。“絶対無敵な1本が欲しいなと思って、楽器店に行っていろんなヴィンテージを弾いては帰るっていうことをしていたんですけど(笑)、このベースを弾いて家に帰ったときに「ほかの人に買われてしまったらどうしよう」っていう気持ちが急に出てきて。翌日に買いに行きました”と、購入時のエピソードを語ってくれた。

 『Q.E.D』のレコーディング終了後に、ジョン・イーストのプリアンプを搭載してアクティヴ化するという改造を施している。これについては“スラップを多用しているのに、それが前に出ないっていうのが気になってきたんです。ベース1本でやりますっていうときに、70年代のアッシュ・ボディのベースならスラップに関してはいいんでしょうけど、それだと強靭なミドルの支え方ができないから、ヴィンテージのベースで60年代と70年代の2択って考えると、こっちにアクティヴを入れてスラップをバキバキにする方向で考えたいと思ったんです。ラインの音も強くなりますしね。アクティヴって正直あんまり好きではないんですけど、自分の好きな音がアクティヴになっている感じだからすごく弾きやすいし、音の反応もいい”とのこと。

 コントロールは、マスター・ヴォリューム/バランサー(2軸2連)、トレブル/ベース(2軸2連)、ミドル/ミドルのフリケンシー(2軸2連)。ミニ・スイッチは、アクティヴ/パッシヴの切り替えとハイ・ブーストとなっている。プリアンプの回路、電池も含めて、ボディをほぼ削ることなく、元のキャビティ内に詰め込んでいる。

 レコーディングでは本器のほか、フリーダムカスタムギターリサーチ製のJBタイプ5弦ベースも使用された。

Effects

 以前はかなり大型のエフェクター・ボードを使用していた辻村だが、1962年製ジャズ・ベースの導入に合わせてボードが縮小化し、現在はかなりコンパクトになっている。

 右上がTCエレクトロニックのpolytune(チューナー)。下段は右からボスのFS-5L(フットスイッチ/アンプのチャンネル切り替え用)、TDC-YOUのBASS DI(DI)、フェンダーのDOWNTOWN EXPRESS(マルチ・エフェクト・ペダル)。パワー・サプライはフリーザトーンのPT-1Dを使用している。

 DOWNTOWN EXPRESSはコンプレッサー、3バンドEQ、オーバードライブを搭載したマルチ・エフェクト・ペダル。それぞれが独立しての切り替え が可能だ。コンプレッサーとオーバードライブの並べ替えスイッチはオーバードライブ→コンプレッサーの順で使用している。“いい意味でバキバキ過ぎないのでバンド・アンサンブルのなかでしっかりボトムとして馴染みますね。ゴリゴリではないけどけっこう歪みますし、コンプの感じも好きです”とのこと。

 なお、アンプはフェンダーのBassmanを使用している。

Pick

 ピックはフェンダーのセルロイド製ミディアムのティアドロップ型を使用。“前まではおにぎり型のものを使っていたんですけど、今はティアドロップ型を使っていて、しかもティアドロップの丸いほうの角で弾いているんですよ。これはボビー・ベガがピックでファンクを弾いている動画を観てカッコいいなと思って、その影響です”と話していた。

お知らせ
2021年1月19日発売のベース・マガジン2021年2月号にも、辻村のインタビューを掲載。本インタビューとは別内容でお送りします。

◎Profile
つじむら・ゆうた●1988年6月20日、神奈川県出身。中学でベースを始める。熊本の同級生同士で2004年に結成されたBLUE ENCOUNTに東京の音楽専門学校で出会い、2008年に加入。インディーズでの活動を経て、2014年にメジャー・デビューを果たす。2016年には日本武道館、2017年には幕張メッセでの単独公演も成功させる。2020年11月18日に4thアルバム『Q.E.D』をリリース。2021年4月18日には横浜アリーナでの単独公演が予定されている。

◎Information
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