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    プロのベース練習、覗いてみた。– 第7回:TOMOMI(SCANDAL)

    • 取材:伊藤大輔
    • 撮影:小原啓樹
    • デザイン(ロゴ):猪野麻梨奈
    • Presented by Positive Grid

    プロのミュージシャンは、どんな練習を積み重ねてきたのか?──本連載では毎回、異なるベーシストに登場いただき、自身の練習遍歴や現在のルーティンについて語ってもらう。

    今回登場するのはSCANDALのTOMOMI。ダンスにルーツがある彼女が、特有の16ビートの捉え方や、“振り付け”のようにフレーズを覚えるというユニークなベースとの向き合い方を明かしてくれた。さらに、自宅練習用アイテムとして話題の多機能型スマート・ヘッドフォン Positive Grid “Spark NEO”も試奏してもらい、そのインプレッションと活用法についても語ってもらった。

    目次
    ・TOMOMI(SCANDAL)が語る、プロ・ベーシストの“自宅練習”
    ・TOMOMI(SCANDAL)× Positive Grid “Spark NEO”

    TOMOMI(SCANDAL)が語るプロ・ベーシストの“練習”

    とにかく1週間後までに、一曲を最初から最後まで無事に演奏し終えるいうのが目標でした

     そうですね、かなり特殊なはじまり方でした。もともとダンス・スクールの発表会のオープニング・アクトとして、1週間で1曲弾けるようになったら出られるというもので、もちろん楽器の経験もありませんでした。

     とにかく1週間後までに、一曲を最初から最後まで無事に演奏し終えるいうのが目標でした。なので、楽器がうまくなるための練習ではなく、とにかく課題曲を何度も繰り返し演奏してオープニングアクトとしてステージに立つことしか興味がありませんでした。当時、私たちはバンドを知らなくて、4人がかろうじて知っていたKISSのDVDを観たりしましたね。ダンス・スクール出身らしく最初はポーズから入りました。ダンスの振りと同じように楽器を持つ角度がどうとか、そんな感じでした。

     ダンスは16ビートが基本なので、どんな曲でも16でリズムを取るクセがあります。曲を演奏するときはバンドだと“ワン・ツー・スリー・フォー”で入りますけど、ダンスの場合は“ファイブ・シックス・セブン・エイト”というカウントで入るので、私たちはそれで弾き始めたりしていました。

     最初からオリジナルの曲があったので、曲を弾けるようにするためにテンポを落として弾いたりしていました。最初の頃は楽器を教えてくれる人もいませんでしたが、少し経ってからRIZEでギターを弾いているRioさんが同じ事務所にいたので、私たちにとってはじめての先生が彼でした。Rioさんに教えてもらった運指練習は今でもやってますね。

     メジャー・スケールで上昇&下降を繰り返す運指練習ですね。これをいろんなキーでやったり、いろんなテンポで弾いたりしていました。

    譜例:TOMOMIが行なってきた運指練習の例

    自分たちの曲を弾くのが練習で、20年間そういうやり方でやってきました

     リズム面だとバンドでクリックにひたすら合わせる練習もやっていましたね。でも、ひとりがひとりがオン・テンポで刻めていたとしても、それがいいものになるとは限らなくて。だからいつもリハーサルを録音して4つの楽器がどの位置で鳴っているかを聴いて、“ここがちょっともたっているから調整する”というやり方になりました。バンドとして20年もやっていると、同じタイミングで全員がもたりたくなってるというクセがついていたりもします。 

     みんながこういう風に行きたくなるっていうところで、自分だけがちょっと速くなっていたり、遅くなっていたりしたら、そこを微調整する感じです。なので私の練習は、自分たちのリハーサル音源に合わせて弾くというのがほとんどですね。独自のスタイルというか、オリジナルな感じでやってきたんだと思います。

     練習の方法もそうですけど、最初にロール・モデルが存在しなかったのが大きかったと思います。もともとはダンスや歌がやりたくてスクールにいた私たちが、突然ギタリストやベーシストになったのでお手本がなかった。そのあとも、そんなに誰かのコピーもやらずにオリジナル曲を演奏するようになって、バンドも自分たちのことしかよく知らないという時期がわりと長かったんです。最初から好きなバンドがいたり、バンドサウンドが好きで楽器を始める方が多いと思うのですが。

     TRICERATOPSがすごく好きで、ベーシストの林幸治さんが複雑なコーラスを歌いながらベースを弾く姿がめっちゃかっこいいなと思っていました。林さんのベースはシンプルなものも多いけど、この曲にはこのベース・ラインじゃないとあり得ないというフレーズなんですよね。私たちも全員で歌うので、そういう意味でもTRICERATOPSにはかなり影響を受けています。

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     トライセラの楽曲はコピーしましたね。あとはたまたまテレビを見てて音楽番組やCMで流れた曲を弾いたりもします。覚えているのはCHARAさんの「Inner Peace」(2020年)のギター・ソロがすごくカッコ良くてベースでコピーしました。

     ベース・マガジンで覚えているのは、2010年のKenKenと上ちゃんの付録音源です。私たちの先生だったRioさんもギターで参加していたし、聴きながら練習もしました。でも、コピーはほかの人と比べたら全然やっていないと思います。それより自分たちの曲を弾くのが練習で、20年間そういうやり方でやってきました。ただそれが正しい練習だったのかと言われたら、そうじゃないかもしれないですけど。

     確かに、テンポの捉え方とかもバンドをやっている人とは全然違うと思います。あとはベースのフレーズを弾くときも“このコードだからこの音”って理論で覚えているわけじゃなくて、私のなかではダンスの振り付けと同じように、身体や指のカタチで覚えているという感覚です。

     そうですね、ずっとダンスの延長線上にあります。ダンスも基本のステップがあって全部その応用だったりするので、多分ベースという楽器もそれに近いんだろうと思っているところがあって。ダンスをやっていたからカタチを覚えるのは早いし、そういうところはダンスに助けられた部分もあると思います。多分私たちのライヴ・パフォーマンスも、ダンスのルーツが元になってオリジナリティがある動きになったんだと思いますね。

    TOMOMI(SCANDAL) ×
    Positive Grid “Spark NEO”

    スマート・アンプでおなじみのPositive Gridが手がけたSpark NEOは、ヘッドフォン・スタイルで自宅練習の自由度を大きく広げてくれる注目アイテムだ。Spark NEOを使った“練習”の可能性について、TOMOMIに聞いた。

    ▼ Positive Grid “Spark NEO”の詳細はこちら

    Spark NEOは遮音性も高くて付けた瞬間に自分の空間になる

     私は家でベースを弾くときはいつもアンプを鳴らしています。そのほうが単純にテンションも上がるし、練習したときも身に入る気がしますね。普段はヘッドフォンをあまり使わないんですが、Spark NEOは前に使っていたアンプ・シミュレーターとオーディオ・インターフェイスにヘッドフォンをつないだときのように、ベースの音がそのまま耳元で聴こえる感じがなくて、アンプを鳴らしているような距離感があります。だからライヴっぽいというか、小さいライヴハウスでアンプの生音を聴きながら弾いている感覚に近くて、それがとても良いです。付けたときってすごく集中力が高まるなと、改めて感じました。このSpark NEOは遮音性も高くて付けた瞬間に自分の空間になる感じがあって、練習にはすごく向いてると思います。あとはワイヤレスなのも最高ですね。

     Sparkアプリにはいろんな練習用の機能があって、例えばYouTubeを見ながら自動でコードを拾ってくれるAuto Chordsはすごく便利でした。欲を言うとベースのタブ譜まで拾ってくれたらもっと最高なのにとは思いました。ベース方面の機能をもっと充実させてくれたら嬉しいですね。あと私は普段から練習のときにMoisesっていうアプリを使っていますが、Sparkアプリで作った音を鳴らしながら練習したらすごく良さそうです。

     Spark NEOのアンプ・モデリングはどれも全然キャラクターが違うから、自分が好きな音をちゃんとシミュレーションできる気がします。アンプを買いたいと思っている人が、これで先に試しておくという使い方もアリだと思います。ちなみに私はSunny 3000が好きでした。エフェクターは普段、特殊なものはあまり使用しないのですが、今ちょうどSCANDALでアコースティック・ライヴのリハーサルをやっていて、その練習でSpark NEOのディレイとかリバーブを使って弾いてみたら、すごくテンションが上がりそうですね。

     個人的にではありますが、私はベースの練習ってあんまりテンション上がらないものなので、自分で(テンションを)上げられる環境作りが大事です。それにもSpark NEOはすごく合っていると思います。

    トランスミッターとのセットで接続も簡単。低レイテンシー設計により音切れもなく、快適なプレイが可能。ヘッドフォン、トランスミッターともに付属のUSB-Cケーブルで充電して使用する。
    専用アプリSpark Appと接続すれば、音作りからジャム・セッションまで多彩な機能が利用可能だ。33種のアンプと43種のエフェクト、10万以上のToneCloudトーンにアクセスでき、ベース用のアンプやエフェクターもラインナップされている。
    Positive Grid Spark アプリ画面
    ギャリエン・クルーガー製800RBのトーンにインスパイアされた“RB-800。”
    Positive Grid Spark アプリ画面
    Sunn製300Tのトーンにインスパイアされた“Sunny 3000”。
    Positive Grid Spark アプリ画面
    定番ベース用コンプを彷彿させるトーンを再現した“Bass Comp”。
    Positive Grid Spark アプリ画面
    多彩なプリセットが並ぶクラウド、“ToneCloud”の画面。“ToneCloud”からダウンロードした音色は、Spark NEO本体に保存も可能だ。
    Sparkアプリには、リアルタイムでコード表示する“Auto Chords”や、思い描いたトーンを言葉で伝えるだけで最適なサウンドを提案する“Spark AI”といったAI機能も搭載。練習やジャムセッションを彩る、多彩なバッキングトラック機能にも注目だ。

    ◎Profile
    TOMOMI(ともみ)●5月31日生まれ、兵庫県出身。2006年に、同じヴォーカル&ダンス・スクールに在籍していたメンバーで、大阪にてSCANDALを結成し、ベースを始める。インディーズでの活動を経て、2008年にシングル「DOLL」でメジャー・デビュー。翌年リリースした「少女S」でレコード大賞新人賞を受賞する。2012年には日本武道館公演、2013年には大阪城ホール公演を成功させ、2015年には世界9ヵ国41公演のワールド・ツアーも大盛況に収めるなど、日本を代表するガールズ・バンドの地位を築く。2019年にはプライベート・レーベル”her”を設立。2023年8月には同一メンバーによる最長活動の女性ロック・バンドとしてギネス世界記録に認定された。2026年5月27日(水)、12作目となるフル・アルバム『ECHO』をリリースする。
    ◎Information
    HP X Instagram

    ◎ NEWS
    ケーブル1本で接続! 新ヘッドフォン“Spark NEO Core”が登場。

    Positive Grid “Spark”シリーズに、有線ヘッドフォンの新モデル“Spark NEO Core”が追加された。標準的な1/4インチ・ケーブルを楽器から直接挿すだけで、内蔵されたSparkの高機能なギター/ベース・アンプをそのまま利用できる、“ワイヤレスより有線派”のユーザーには嬉しいモデルだ。価格もSpark NEOに比べて手頃な27,500円(税込)に設定されている。

    Spark NEO Core

    製品詳細

    Positive Grid / Spark NEO
    Positive Grid / Spark NEO Core

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