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視覚で学ぶ! プロ・ベーシストのグラフィックEQ
吉田一郎不可触世界
Profile
よしだいちろうふかしょくせかい●1982年12月14日生まれ。自身がベース・ヴォーカルを務める3ピース・バンド12939dbを経て、2007年にZAZEN BOYSに加入(2017年12月に脱退)。現在はTK from 凜として時雨、Aimer、坂本真綾をはじめとした多数のアーティストのサポートを手がけるほか、2015年からは“吉田一郎不可触世界”名義でソロ活動を開始し、2015年に『あぱんだ』、2020年5月に『えぴせし』という2枚のアルバムをリリースしている。
◎Official HP
Q1:素のライン音の状態から、パラグラフィックEQのみを使って、自身が普段行なう奏法における理想のEQカーブを作成してください。
Q2:使用したプラグインの名前を教えてください。
WAVES Q10
Q3:EQカーブ作成の際に用いたベースのモデル名は?
1969年製フェンダー・ジャズ・ベース
Q4:作成したEQカーブのポイントを奏法ごとに教えてください。
●指弾き
使用する楽器/機材によるっしょ、のひと言に尽きるんですが、それだと身も蓋もないので全力で挑戦しました。シミュレーターもプリアンプも何にもなしでライン音をインターフェイスしてみると……今回は聴感上、1kHzあたりがピーキーな楽器だったのでそこだけ切ってあとは少しずつ足していきました。
使用しているインターフェイス(RME)のレンジが広いせいで音が硬質(ハイ過多)に聴こえる傾向があることもあり、今回は16kHz以上を切りました。ローエンド・カットも同じ理由です。
●スラップ
指弾きの設定からまずは250〜500Hzを少し下げました。サムピングのときにボワっと膨らんだロー・ミッドが邪魔だったからです。その後フレット・ノイズがカチンカチンうるさかったので8kHzあたりを少し下げました。
今回はEQだけで音作りして、しかも私のモニター環境下で聴いた場合は、という企画なので、そのとおりにやってますが普段はプリもコンプも何もない状態でグラフィックEQだけをいじることはないです。どこに行っても基本は一緒で、“使う楽器/機材/ケーブル/インターフェイス/モニター環境に合わせて聴感上で勝負するのみ”です。
●ピック弾き
スラップの設定とまったく同じ。私のピック弾きは自分のスラップ演奏のモノマネをするように近づけてレベル取り/音作り/演奏をしているので、自然と同じセッティングになりました。いい音です。さすが俺といった感じです。
が、ピック弾きでバンド内のベース音作りに迷ったら正直俺なんかより原昌和(the band apart)の音を聴くとヒントがあると思います。バンドではなくベースソリストの人は俺にはよくわかんないのでインスタとかtiktokでテクニックを披露してる人の動画を一生観れば良いと思います。