PLAYER

UP

INTERVIEW-REITA[the GazettE]

  • Interview:Kengo Nakamura

特異な時代だからこそ見つめ直した、ベースの王道と基本

独自の美学を貫くハード&ヘヴィな音像で、国内にとどまらず海外にも多くの信奉者を持つヴィジュアル系バンド、the GazettE。前作『NINTH』をリリース後に1年2ヵ月にわたって国内はもとより北米・南米・EU・アジアなど全世界・全61公演に及ぶワールド・ツアーを開催した彼らであったが、昨年3月に開催予定だった18周年記念ライヴの中止決定のアナウンス以来、長らく沈黙を続けていた。そんな彼らは、コロナ禍においても着実に音源制作を進めており、通算10作目となるアルバム『MASS』をリリースした。ロー・チューニングを生かした重厚なサウンドと叙情的なメロディという彼ららしさがより濃厚に醸成された本作において、ベーシストのREITAはベースの基本に立ち返ったアプローチを取ったという。それはコロナ禍において、あらためてベースと触れ合う時間が大きかったということも関係しているのだろう。この特異な時代にリリースされた新たな作品について、REITAに話を聞いた。

“なんかウネっているな”くらいでいいかなと思っていたんです。

━━昨年は世界的に新型コロナウイルスの影響が大きかった1年でしたが、どのように過ごしていましたか?

 外に出ないで家にいる時間が増えたので、すごくベースを弾いた1年だったなっていうのはありますね。基本に立ち返ったり、YouTubeでベースのレッスン動画を観たりして、ベースと触れ合う時間は増えました。あとはレコーディングがあったので機材を買ったんですけど、やっぱり機材を買うと、さらにベースを弾きたくなって。

━━前作『NINTH』をリリース後は、1年2ヵ月にわたるツアーで国内はもとより海外も回っていました。新作『MASS』への動きというのは、いつ頃から始まったんですか?

 一昨年の年末くらいから、具体的には『NINTH』のツアー・ファイナルの横浜アリーナ公演が終わったあとからですね。昨年はコロナの影響で18周年ライヴ(編注:2020年3月10日に開催予定だった)が中止になってしまったんですけど、そのあとはもともと制作の時間の予定で、特にツアーをやる年ではなかったから、バンドとしてはそんなに予定が狂ったわけではないんです。ただ、よりじっくりと時間が取れたので、機材をいじったりっていう時間は相当増えましたね。

━━前々作の『DOGMA』がコンセプトの強い作品で、前作『NINTH』がライヴ映えのするアルバムということでしたが、今作はどのような作品にしようと思っていたのですか?

 どちらかというと、『DOGMA』よりは『NINTH』のように、聴いたときにライヴが見えるようなアルバムっていう感じでしたね。

『MASS』
ソニー
SRCL-11770~11772(完全生産限定/CD+Blu-ray+特製アートブックを同梱した豪華BOX仕様)
SRCL-11773~11775(完全生産限定/CD+DVD+特製アートブックを同梱した豪華BOX仕様)
SRCL-11776~11777(初回生産限定盤/CD+DVD)
SRCL-11778(通常盤/CD)

━━まさにthe GazettEらしい世界観の楽曲が並んでいますが、ベースはユニゾンが基本的なアプローチですよね?

 激しい曲はやっぱりユニゾンが多くなっちゃいますね。でも、そういう曲でもサビではベースが動いているっていうのが最近のオーソドックスな感じですかね。

━━たしかに。そして、動くといっても細かいフレーズではなく、例えば「BLINDING HOPE」のサビでは、グリスを交えながらボトムを支えることで大きなウネリを出していますね。

 今回のチューニングはローAとローA♯なんですけど、やっぱりロー・チューニングだし、まわりの音数も多いし、ベースが細かいフレーズを弾いてもどうせ聴こえないっていうか(笑)。聴こえないくせにライヴでは無駄に忙しかったりしてもノリがよくないなって思うので、なるべく大きく、そこまではっきりしないフレーズで、“なんかウネっているな”くらいでいいかなと思っていたんです。

「BLINDING HOPE 」OFFICIAL MUSIC VIDEO

━━「THE PALE」や「LAST SONG」サビのドライブ感もそのグリス感が担っていて、ある意味、一番耳コピがしにくいタイプのプレイというか(笑)。

 それはあると思います(笑)。まぁ、もともとグリスを使ったプレイが好きっていうのもありますし、イントロとかってやっぱりユニゾンが多いから、ついサビで出してしまうフレーズ感だっていうところはありますね。

━━「濁」のサビも動いていますが、アタマのルートを打ったあとにちょっと浮いてまたルートに戻っていますね。「BLINDING HOPE」などが大きな波なのに対して、こちらは小さい波を作っているような感じです。

 そうですね。「濁」は曲自体も暗い感じだし、ベースがあんまり高いところにいすぎてもどっしりしないところがあるので、ちょいちょいルートのもとの低い音に戻って、違和感を出さないというか。それによってフレーズを締めているイメージですね。そこはちょっと気にしていた部分でした。

━━アコギを生かした6/8バラード「MOMENT」はメロディアスなラインでコードをつないでいますが、前半は動きすぎない感じに抑制しつつ、最後のサビでより大きな動きになるというストーリー性を感じます。

 やっぱりバラードって、ベーシストの見せどころっていう部分があるじゃないですか。ユニゾンから解放されるっていうか(笑)。だから、どう動くかっていうのがポイントなんですけど、歌の邪魔をしたら元も子もないっていうのがあって。でも意外とRUKI(vo)が、“後半でもっと動いてほしい”と言っていたので、最初に作ったフレーズを発展させて、だんだん動いていくようにしたんです。

━━こういったメロディアスなフレーズはどのように作っていくんですか?

 原曲のデモ音源のベースをミュートにして、自分でベースのフレーズを口ずさむんです。ベースを持ってフレーズを考えてしまうと、どうしても手グセが出ちゃう部分があるし、まずはフレーズを口ずさんでからやるような感じですね。

▼ 続きは次ページへ ▼