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INTERVIEW − 長谷川プリティ敬祐 [go!go!vanillas]

  • Interview:Tomoya Zama
  • Live Photo:Taichi Nishimaki、Kazuki Watanabe

しっかり最新の自分たちの音楽を鳴らして、
ファンにはそれを楽しんでほしいと思う。

━━「RUN RUN RUN RUN」は唯一のインスト曲ですが、これはどういった経緯で生まれたのでしょうか?

 「LIFE IS BEAUTIFUL」を録ったときに参加してくれたプレイヤーの皆さんと一緒にインストのSEを録りたいっていう話になって、せーので録ったんです。みなさんすごいプレイヤーで、例えば手島さんはいろんなアイディアを出してくれて音楽愛に溢れてるし、go!go!vanillasっていうバンドを好きでいてくれて、いいものを一緒に作り上げようっていう愛のある人だなって思いましたし、ファンファンさんも力強くて温くて、一緒に入るだけで元気が出ますね。その素晴らしい方々とせーので録ったので、曲が進むにつれて緊張感もあったんですけど、楽しさだったり高揚感を感じながら録りましたね。

━━「LIFE IS BEAUTIFUL」では、1Bで高いポジションのプレイが入っていて、ピアノや管楽器とのバランスも考えるところだと思うのですが、どのような意識をしましたか?

 確かそこの部分も進太郎がデモで作ったものがめちゃめちゃよかったんですよ。実は最初、そのデモを超えようと思って、めちゃめちゃ泣きのメロを入れていたんです。そうしたら“泣きすぎ”って言われて(笑)。Bメロっていうかもう泣きメロになってたみたいな。なので、進太郎が最初に持ってきたものを自分でブラッシュアップして、ちょっとした変化を加えていったんです。

━━2Bはまた1番と違うアプローチで、ダブル・ストップを入れて変化を出していますね。

 こことかも録ってる当日に牧から“そこちょっと同じところでやっているのは気持ち悪いから別のものに”っていうやりとりで生まれた部分ですね。でも、今ライヴで弾いているベースはまた違うんですけどね。ちなみに「青いの。」で弾いているフレーズも違っていて、それはライヴをするなかで、ライヴで聴いたときに寂しく感じるっていう意見があって、より良い見せ方を探してそこで生まれた変化なんです。だからライヴを通じて変わっていく曲も多くて、自分たちのやりたいことが曲にどんどん反映されていくし、ほかの音源も今後のツアーで変わっていく可能性はありますね。

━━最後に、2023年1月からアルバムのツアーが始まりますが、このツアーどのようなものにしていきたいですか?

 音源とライヴで聴くものって当たり前に違うわけで、来てくださった皆さんが音源で聴いていたものとはいい意味でまた違った聴き方ができるようになったらいいなって。あとは、しっかり最新の自分たちの音楽を鳴らして、それを楽しんでほしいと思いますね。

━━今後、go!go!vanillasとしての未来はどのような姿を想像していますか?

 2回目の武道館で牧がポロッと“あー、まだ帰りたくない。次は2デイズだ!”って言ったんです。本当に自然と口から出た言葉だと思うんで、それをgo!go!vanillasで実現させたいと思います。次の夢ですね。もう宣言したので。

━━いちベーシストとしてはいかがでしょうか?

 今回『FLOWERS』を作っていくなかで、俺はまだ理解が全然及んでないって思った部分もあったので、曲を作る牧や進太郎がどういうものを欲しがるんだろうとか、そういうことを理解したい、深めていきたいって思いました。あとは、作曲者の意図を理解しつつ、それを実現するためにプレイヤーとしてうまくなりたい。それに尽きますね。

Pretty’s Gear

メイン機である1966年製造のフェンダー・プレシジョン・ベース。今作では「ペンペン」、「 Two of Us feat. 林萌々子(Hump Back)」、「My Favorite Things」、「LIFE IS BEAUTIFUL」で使用。写真のSHINOS&L CITY BASS HEAD(アンプ・ヘッド)、SHINOS&L CITY BASS SPEAKER212(キャビネット)は今作でも使用された
スピッツの田村明浩から借りているフェンダー・ジャズ・ベース。「HIGHER」、「青いの。」、「Dirty Pretty Things」で使用した。また本作では、DIとしてPueblo Audio製OLLA、API製TranZformer LXを用いてレコーディングを行なったとのこと。
上段が右から、デジテック製Drop(ピッチ・シフター)、ボス製OC-2(オクターバー)、SUBDECAY製Proteus MkⅡ(
エンヴェロープ・フィルター)、One Control製Dimension Blue Monger(フランジャー)、ボス製TU-3S(チューナー)、フリーザトーン製PA-1QG(イコライザー)、Manlay Sound製RONNO BENDER(ファズ)、VOCU製Magic Blend Room Spec.B(ブレンダー)。下段右からフリーザトーン製ARC-4(オーディオ・ルーティング・コントローラー)、VEMURAM製Jan Ray(オーバードライブ)、Xotic製Bass BB Preamp(プリアンプ)、EBS製MicroBass 3(プリアンプ)

◎Profile
はせがわ・ぷりてぃ・けいすけ●1989年12月20日、大分県生まれ。中学校の同級生である牧達弥(vo,g)らとともに、go!go!vanillasを結成し、そのタイミングでギターからベースへ転向。2014年アルバム『Magic Number』でメジャー・デビューを果たす。これまでに6作のフル・アルバムをリリースし、精力的にライヴ活動を展開している。プリティは2018年に交通事故に遭うも翌年の10月に復帰。2020年11月には初の日本武道館公演を開催した。また、2021年11月に初のアリーナ・ツアーを敢行、2022年9月には2度目にしてフル・キャパシティの武道館公演を成功させる。2022年12月に6枚目のアルバム『FLOWERS』をリリースし、2023年1月より全国23公演を巡る“FLOWERS TOUR 2023”を予定している。

◎Information
長谷川プリティ敬祐:Twitter Instagaram 
go!go!vanillas:Official HP  YouTube