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5弦ベースは4弦ベースとは全然違って、
もはや別の楽器のイメージ。
━━サンズアンプの話が出ましたが、サウンドの肝となっているのは、やはりサンズアンプなのでしょうか?
ライヴだと基本サンズアンプをかけっぱなしで、さらに別の歪みエフェクターをかけて音作りしますが、レコーディングだと曲によって吟味をして、サンズがないほうがいい場合は歪みエフェクター単体で音作りすることもあります。
━━藤原さんのボードには歪みエフェクターとしては、ボスのODB-3とNoah’s arkのGREENがありますね。
Noah’s arkのGREENはTS系のギター用の歪みなのですが、ベースにかけるとすごくいい感じに歪んでくれるのでずっと使っています。基本的にこれとODB-3のふたつを曲ごとに使い分けたり、併用しながら歪みの音色を作っています。
━━その他のエフェクターの使用用途は?
MULTICOMPは基本的に常にかけっぱなし、ディレイはもともとギターをやっていた頃から使っているボスのDD-6を使っています。ズームのマルチストンプ(MS-60B)は“スロー・アタック”というプリセットで主に飛び道具として使っています。ヴァイオリンのような音色を表現できるので、そういったニュアンスを出したいときに活躍しますね。
━━ベースはMAYONESが藤原さんのひとつのアイコンになっている印象です。
そうですね。今作も全曲MAYONESで録りました。そこに鳴るはドロップ・チューニングの曲もあるので、5弦ベースを使うことを考えたこともあるのですが、5弦ベースは弾いた感じが4弦ベースとは全然違って、もはや別の楽器のイメージだったので、プレイや音作りなど相当慣れが必要だなと思いました。
━━ベース録りはリアンプで行なっているとのことでしたが、アンプは何を使いましたか?
エバ電子という大阪の電子楽器工房で作ってもらったアンプです。ラック式のプリアンプのようなイメージで使っていて、これと別のパワー・アンプを併用する形で音作りをしています。ライヴだとDIとしても使っています。
━━では今後に向けて、自分のサウンドやプレイをどのように進化させていこうと考えていますか?
ベース・プレイの幅を広げるために、最近はスラップの練習をしています。既存曲でも“このフレーズ、スラップにしたらええかも”と思う箇所がいくつかあるので、そういったところを今後スラップに変えていければなと思っています。あとはピック弾きで順アングルと逆アングルの使い分けができるようになりたいです。今はずっと順アングルで弾いているのですが、逆アングルだとまったく違ったサウンドやニュアンスが出せますし、エフェクターが一台増えるくらい音の幅が広がると思うので、今後はそういった細かい部分もコントロールできるようになりたいと思っています。
◎Profile
ふじわら・みさき●2011年に大阪で結成された3ピース・ロック・バンド“そこに鳴る”のベース&ヴォーカル。バンドは2015年にEP『I’m NOT a pirolian』にてインディーズ・デビュー。以降、5枚のミニ・アルバムをリリースし、ハイ・レベルなバンド・アンサンブルと唯一無二の世界観で急速に人気を獲得する。2018年にリリースされたミニ・アルバム『ゼロ』のリード曲「掌で踊る」はYouTubeで驚異の280万回再生を突破。近年ではヨーロッパ・ツアーを始め、台湾や香港でも公演を行なうなど、ワールド・ワイドな活動を展開している。2020年10月7日にバンド初のフル・アルバム『超越』をリリースした。
◎Information
そこに鳴る Official HP YouTube Twitter
藤原美咲 Twitter