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INTERVIEW – 関根史織[Base Ball Bear]

  • Interview:Koji Kano

ベボベの3ピース・サウンドにはプレベが合ってるのかな。

――今作は何テイクもギターを重ねたり、同期音を入れたりせず、あくまでも3ピースで鳴らしているイメージを大事にしている印象を持ちました。3人での体制も5年を超え、最近はライヴもサポートを入れずにやっていますが、この体制への自信の表われなのかなとも思います。

 サポート・ギターを入れずに本格的に3人でやっているのはここ3、4年くらいなんですけど、前作ぐらいからやっと3ピースの土台ができてきたかなと感じていて。今作はその土台のうえで自分たちなりの3ピースの解釈で、各々が楽しくやりがいをもって3本柱の1本になれた感覚があるんです。3ピースは3ピースで楽しいなって、多分3人とも思っているんじゃないでしょうか。

――3ピースの醍醐味を理解してきたと。

 そうですね。自分たちがバンドを始めた頃、TRICERATOPSとかGO!GO!7188とか、3ピースで好きなバンドも多かったので、3人になってから改めてそういうバンドを聴き直したりして、みんなどんなことをやっていて、どんなことを考えて演奏しているのかを研究したりもしたんです。今思えばアレはいい時間だったなと感じています。

――今作で使用したベースを教えてください。

 全曲フェンダーのプレベで録りました。3ピース体制になってから、やっぱりプレベのほうがキャラクターがあって存在感が際立つので、ベボベの3ピース・サウンドにはプレベが合ってるのかなと思います。

メイン器であるフェンダー・プレシジョン・ベース。関根が二十歳の頃に購入した1970年代製のものだ。“久しぶりにこのベースを弾いてみたら、すごく自分のモードだったんです。だからここ3年はこのベースをメインに使っています”。

――最後に、20周年を超え、ここから新たなベボベの歴史が始まっていくわけですが、今後のベボベにどういった未来を思い描いていますか?

 20年続けて、楽器にも音楽にもバンドにも飽きずにやれているので、この先また10年20年経ったとして、それは失いたくないですね。いつまでも飽きずにやれればいいなと思っています。私個人としては昨年からベボベ以外で演奏する機会も多くて、山中さわお(the pillows)さんとか、内田万里(元ふくろうず)さんのツアーでベースを弾いたりしているんですけど、いろんな人と演奏するといろんなことを感じられて成長できるので、これからも多くの人と演奏してみたいですね。そのうえでまたこのバンドに帰ってきて、ホッとしながら演奏できればいいなと思います。

◎Profile
せきね・しおり●1985年12月8日生まれ、埼玉県出身。2001年、同じ高校のメンバーとSUPERCARのコピー・バンドとしてBase Ball Bearを結成。2006年にミニ・アルバム『GIRL FRIEND』でメジャー・デビュー。これまで2度の日本武道館公演を成功させるなど、幅広い層から人気を集める。2018年にはバンド主宰レーベル“Drum Gorilla Park Records”を設立し、2020年1月に8thアルバム『C3』をリリース、バンド結成20周年を迎えた2021年10月27日には9thアルバム『DIARY KEY』をリリースした。また、チャップマン・スティックの奏者としても知られ、2018年には自身の主宰バンドsticoを結成。2020年2月には初の音源『像と話す女』を発表している。

◎Information
Base Ball Bear:Officia HP Twitter YouTube
関根史織:Instagram