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BADASS ROOKIE〜BMイチ押しのNEWCOMER〜 – 大蔵倫太郎[新東京]
- Question:Shutaro Tsujimoto
- Photo:Yuto Koketsu
アドリアン・フェローを聴きまくっていた影響で
あまり深く考えずに買いました。
━━アルバム全篇をとおしてアグレッシヴなベースを聴かせていますが、歌のメロディとの兼ね合いなども意識していますか?
実際のところほとんど意識しておらず、むしろ、どこにどれだけフィルを差し込めるかを考えています。
━━今回のアルバムから、読者に向けてベースの聴きどころを挙げるとすると?
「さんざめく」の、“新東京と言えば動き回るベース・ライン”というイメージを逆手に取ったサビでのルート8分弾きのストレートな気持ち良さや、それと相反するようなベロシティを抑えたベース・ソロ。あとは「透明」のサビでのキーボードとのユニゾンも好きです。「透明」は曲としてもかなり気に入っていて、Aメロ・Bメロ・サビ、それぞれのコントラストを聴いてほしいです。
━━制作にあたって難しかった場面もありますか?
とにかく全篇のレコーディングが簡単ではなかったですが、特に「Perrie」と「Escape」で苦労しました。前者はフリー・テンポにも近い拍感、後者はとにかくスラップが! いまだに脳内でフレーズを把握しきれていません。
━━今作での使用機材を教えてください。
すべてケン・スミス製burner HFを使ってライン直録りです。音作りはDAW上で行ないました。
━━このベースを手に入れた経緯は?
3年ほど前、新東京に加入するにあたって5弦24フレットの楽器を探していて、そのときにアドリアン・フェローを聴きまくっていた影響であまり深く考えずに買いました。ピックアップがハムとシングルの2バージョン存在するのですが、ハムバッカーのモデルにコイルタップ回路を増設し、シングルに切り替えられるように改造しています。気に入っているところは、道具としての精度と安定感。
━━今作の制作を通して、ベーシストとしてどんなところが成長したと思いますか?
スタイルとしての”新東京のベースライン”をより明確なものにできたと思います。それから体力と、筋肉がつきました。
━━最後に今後の目標を教えてください!
フレーズの引き出しを増やしたい、綺麗なフォームを意識したい、大まかでも音楽理論を把握したい。ほかにも目標だらけです。
MY ROOTS ALBUMS
『The Return of the Space Cowboy』
ジャミロクワイ
ジャミロクワイは『Travelling Without Moving』の印象が強いかもしれないが、個人的にはこちらのほうが好み。1曲目「Just Another Story」から意味不明なベースが聴けます。ちなみに、表題曲「Space Cowboy」のベーシストがアルバム版とシングル版で異なる点を留意されたし。あわせて聴き比べてください。
『Bright Size Life』
パット・メセニー
我らがジャコ・パストリアスがベースで参加しています。もはや語るにおよびませんが、やはり表題曲「Bright Size Life」は名曲、名ベース・ソロ。
『Spirit Fingers』
スピリット・フィンガーズ
スーパー・モダンで、テクニックに次ぐテクニック。聴いていて息が詰まりそうになります(いい意味で)。「find」の後半、アドリアン・フェローのベース・ソロ→ユニゾン・セクション→ドラム・ソロ→エンディングの流れが最高。
◎Profile
オオクラ・リンタロウ●東京を中心に活動するギターレスの4人組バンド“新東京”のベーシスト。2021年4月に結成後、SUMMER SONIC 2022やFUJI ROCK FESTIVAL 2023 に出場するなど、驚異的なスピードで躍進を続ける。メイン器はケン・スミス製burner HF。2024年2月7日、バンド初となる全曲書下ろしフル・アルバム『NEO TOKYO METRO』をリリースした。同月より“NEOCRACY”と題した全国ツアーを行なう。ツアーファイナルは3月20日(水・祝)の東京都LIQUIDROOM公演。
◎Information
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