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BADASS ROOKIE〜BMイチ押しのNEWCOMER〜 – Maika[Chilli Beans.]

  • Interview:Shutaro Tsujimoto

レッチリのカバーで
スラップができるようになりました。

――「It’s ME」はベースの抜き差しが印象的でした。1番と2番のAメロでベースが消えるアレンジは歌が前に出てハッとさせられますし、サビ前で再びベースが帰ってくる箇所で生まれるグルーヴの変化も心地よかったです。この曲のベース・アレンジではどんなことを意識しましたか?

 そうですね。この曲でも、先ほど話した“抜き差し”を意識しました。楽器隊も前に出しつつ、メロディ・ラインにもしっかり耳が行くようにしたかったんです。

――「It’s ME」や「This Way」はスラップから楽曲が始まりますが、スラップ・リフと言うと、やはりレッチリからの影響は大きいですか?

 とても大きいです。レッチリのカバーでスラップができるようになりました。ほかを邪魔しないけど存在感のあるフレーズ作りを心がけています。

――「L.I.B」もベース・ラインがアレンジの肝になっていると感じました。Aメロは、ベースのアプローチを変えることで1番と2番を違うムードで聴かせていますよね。

 これは、この曲の大元を作ったLily(g,vo)と話しながら考えました。2番のスラップはLilyが作ったデモそのままのフレーズなんです。

「L.I.B」(Official Music Video)

――「Tremolo」は全篇にわたって、キャッチーなベース・フレーズが目白押しですね。サビ前(0:20〜)では休符とシンコペーションの効いた見事なファンク・ベースを披露していますが、この曲のフレーズはどのように発想しましたか?

 これも、当時できるようになったことをアウトプットしたいという思いでした。Aメロは休符の多いフレージングだったので、Bメロ以降少し動きをつけることを意識しています。

――ファンクからの影響についても教えてもらえますか?

 ファンクにも影響を受けています。フリーにもファンクの要素が多くありますし、もともとブルーノ・マーズがとても好きなので、自然とファンクの影響を受けるようになりました。ヴルフペックのジョー・ダートも大好きです。

「Tremolo」(Official Music Video)

――「Tremolo」の1番サビは、歌のメロディが“サビ感”のあるキャッチーでヒラけたものになる一方、ドラムのキックとスネアのパターンはサビ前と一定で、リズム体はあくまでクールなプレイをしている印象です。そのあたりもブラック・ミュージックっぽいアプローチだなと感じました。

 サビのメロがシンプルでこの曲のフックとも言える部分だと考えたので、まずは歌を聴かせることを意識しました。

――逆に2番サビではベースが動き回る、“ベースで攻めるアプローチをしていますよね。

 この曲は1番との差別化をしつつ、楽器で盛り上げたいという考えからスラップを使おうと考えました。

――「Tremolo」ではラップも披露していますが、もともとラップは馴染み深いものだったんですか? またこの曲に限らず、ライヴで歌やラップと同時にベースを弾く際にはどんなことを意識していますか?

 ラップが多く含まれているK-POPも好んで聴くので、馴染み深いですし、いつか挑戦してみたいと思っていました。実際にプレイするときには何も考えなくてもできるように練習するようにしています。練習するときは、まずはベースを練習したあと、ベース・フレーズとラップの共通するアクセントがどこにあるのかを探して、そこをずらさないように意識して練習しています。

――1stアルバムの制作を通して、ベーシストとしてどんなところが成長したと思いますか?

 少しずつ自分の好きな音を作れるようになりました。アルバム制作前まではパソコン上のプラグインで音を作っていたのに対し、今回からは実機を使ったレコーディングもしたので、最初は音作りにとても苦労しました。今では自分の好きなアンプの設定もできて、ライヴでの音作りにも役立っています。

――最後に今後の目標を教えてください。

 今と変わらず、日々インプットとアウトプットを重ねながら、少しずつできることを増やしていきたいです。

MY ROOTS ALBUMS

『High School Musical(An Original Walt Disney Soundtrack)』
オリジナル・サウンドトラック

小学生の頃、『ハイスクール・ミュージカル』を観て、音楽をやりたいと思うようになりました。私にとって、大きなきっかけをくれた作品です。

『Dua Lipa』
デュア・リパ

発売されてから今に至るまで、ずっと聴き続けているアルバムです。ベースを始めてからは、フレーズを考えるうえでとても影響を受けているなと感じています。

『Blood Suger Sex Magik』
レッド・ホット・チリ・ペッパーズ

レッチリのアルバムのなかで特に好きなアルバムです。フリーのファンク色の強いベース・プレイが目白押しで、何回聴いても新しい発見があります。

Profile
Maika●Chilli Beans.のベーシスト兼ヴォーカリスト。Chilli Beans.は、主に洋楽ポップスにルーツを持つMoto(vo)、Maika、Lily(g,vo)の3人によって2019年に結成された。メンバーはそれぞれが高い歌唱力を持ち、作詞・作曲・編曲やクリエイティブまで自らで手がける。中毒性のある歌詞やサウンドで大きな注目を浴び、2021年8月に発表した「lemonade」がSpotify“バイラルトップ50(日本)”でデイリー1位を獲得するなど人気を集める。11月から12月にかけて初の全国ワンマン・ツアー『Hi,TOUR』の開催も決定。ツアー・ファイナルは12月14日に豊洲PITにて開催。

◎Information
Chilli Beans.:Official HP Twitter Instagram TikTok YouTube