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BADASS ROOKIE〜BMイチ押しのNEWCOMER〜 – Maika[Chilli Beans.]
- Interview:Shutaro Tsujimoto
カラフルなベース・ラインで描く
“踊れるポップス”の新しい形
マジでイカす新人=BADASS ROOKIEを紹介する本企画。BMイチ押しの新世代ベーシストとして、今回はChilli Beans.よりMaikaが登場! Chilli Beans.は、ロックと次世代のサウンドが融合したヴォーカル・センスとメロディが魅力のネオ・ガレージ・スタイルで、2019年の結成以来、破竹の勢いでSNSを中心に支持を集めるMoto(vo)、Maika(b,vo)、Lily(g,vo)による3ピース・バンド。ここでは、Vaundyとの共作やミュージック・ビデオの再生数が200万回を超えるなど話題の「lemonade」をはじめ、“踊れるポップス”を標榜する彼女たちの魅力が存分に詰まった1stフル・アルバム『Chilli Beans.』と、彼女の音楽ルーツについて紐解いていこう。
バンド音楽よりもポップスのほうがルーツに近いんです。
――まずベースを始めたきっかけから教えてもらえますか?
2019年に、メンバー全員が通っている“音楽塾ヴォイス”の先生から、ベースを薦められたのがきっかけでした。Chilli Beans.は、先生に“3人で組んでみたら?”と言われたのがきっかけで結成したんです。
――ベースを始めてからの3年間で、これまでどのような練習をしてきましたか?
好きな楽曲や耳に残ったフレーズのカバーと、バンドで作るオリジナル楽曲のベース・ラインの制作ですね。
――では影響を受けたバンドやベーシストを挙げるとすると?
レッド・ホット・チリ・ペッパーズのフリーです。特にライヴでのプレイに影響を受けていて、初めてレッチリのライヴ映像を観たときの衝撃は今でも覚えています。バンドとしての集団のパフォーマンスのパワーはもちろん、メンバー全員がフロントマンのようなプレイをしているところに惹かれました。ライヴがメンバー同士のぶつかり合いの場になっているのがとても好きですね。
――Maikaさんはピンク(P!nk)やデュア・リパなど、全米ヒットチャートで聴けるようなポップスの影響も公言していますよね。Chilli Beans.を聴いていると、ビートや音色の選び方など、そういった音楽からの影響もしっかりと反映されているのが伝わってきます。ベース・ラインを考える際にもバンド系以外の音楽を参考にすることはありますか?
私はもともとシンガー・ソングライターを夢見ていたので、バンド音楽よりもポップスのほうがルーツに近いんです。だから、特別意識して反映させているわけではないのですが、私はポップスの定義を“曲を媒介にしていろんな人とつながれるもの”と考えているので、曲のどこかに“とっつきやすさ”を含むことは大事にしています。もともとデュア・リパの楽曲のベース・ラインが大好きだったので、オリジナル曲のベース・ラインを考えるときにはとても参考にしています。
――Chilli Beans.は、どういった音楽性を目指しているバンドだと言えますか?
“踊れるポップス”です。私たちはメンバー全員が作詞作曲をするのですが、好みが少しずつ違うので、できあがる楽曲のジャンルがバラバラなんです。ただ、そのなかでも“ポップスが好き”という部分は共通していて、あえて言葉で表現するなら“踊れるポップス”という言葉がメンバー全員にしっくりきているかなと思います。
――バンドでの作曲方法や、ベース・ラインの作り方について教えてください。
曲によってバラバラですが、誰かが大元となるデモを持ってきて、それを全員で発展させていくことが多いです。全員で一緒にゼロから制作した楽曲もありますね。私が大元を作るときは、ベース・リフから作ることが多いです。ほかのメンバーが大元を作った曲では、一度自分なりのベース・ラインを入れてみて、メンバーに聴いてもらって調整をしています。
――今作で、Maikaさんが作曲の中心になった曲はどの曲になりますか?
全曲を全員で揉むので回答が難しいところですが、大元を私が制作したのは「It’s ME」、「Tremolo」、「HAPPY END」です。
――普段ベース・ラインを考えるうえで特に大事にしていることはありますか?
“抜き差し”は大事にしていて、“この部分で一番聴かせたいのは何か”を考えてラインを作っています。一度自分の好きなように作ったあと、引き算をすることが多いですね。
――正式メンバーにドラマーはいませんが、ドラムのリズム・パターンはどのように考えていますか? リズム体ということで、Maikaさんが中心となって考えることが多いのでしょうか?
曲の大元を持ってくる人が大まかなリズムも作ってくることが多いです。レコーディングのときには、いつもサポートで入ってくださっているYuumiさんが細かなフレーズなどを考えてくださっています。
――メイン・ベースについて、出会いと、気に入っているポイントについて教えてください。また、ジャズ・ベースをチョイスした理由は何でしょう?
“これさえあれば大丈夫!”みたいな一本が欲しくて何種類か弾き比べて購入しました。もともと色はナチュラルなものがいいなと思っていて、デジマートでいくつか店を探してから向かったのを覚えています。カラフルな服を着るのが好きなので、シンプルな見た目が気に入っています。
――ジャズ・ベースを選んだ決め手はと言うと?
基本の音のシンプルさです。いい意味でクセがなく、エフェクターでいかようにも遊べると考えました。
――今作のレコーディングでの、アンプなどの機材環境について教えてもらえますか?
「It’s ME」、「This Way」、「neck」、「HAPPY END」、「blue berry」ではギャリエン・クルーガーのLegacy 1200を、「L.I.B」ではアギュラーのTONE HAMMER 500をアンプ・ヘッドとして使いました。キャビネットはギャリエン・クルーガーの410RBHです。エフェクターは「This Way」でTECH21のサンズアンプ、「neck」と「blue berry」でJAM PedalsのLucyDreamer Bassを使っています。それ以外の曲はIK Multimediaのプラグイン、AmpliTubeで音作りをしました。
――プレイについても教えてください。「lemonade」のサビでは、リズムにメリハリをつけるような高音弦でのプルが耳に残る印象的なベース・プレイを聴かせていますが、このあたりはどのように発想しましたか?
できるようになったことをアウトプットしたいという思いで考えました。制作当時ベースを初めて3ヵ月ほどだったのですが、ちょうどオクターヴのスラップが弾けるようになったので、この楽曲でアウトプットしようと考えたんだと思います。
――ライヴ映像を観ると、Aメロなどで音源とは違うフレーズも弾いていますが、音源とライヴではアレンジを変えることも多いのでしょうか?
現状「lemonade」のみですが、より良いフレーズを思いついたらどんどんプレイしていきたいなと思っています。
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