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    【ウエノコウジのBorn to Lose】 – 第05回後篇 with 古市コータロー&藤井一彦

    • Interview : Ryutaro Akima
    • Main Photo : Miyoshi Tsukasa

    ギター・ヒーローって言葉は死語かもわからんけど、
    わしのなかではふたりともギター・ヒーローよ。

    ウエノ まだまだがんばります。プレベだけじゃなくてジャズ・ベースもね。昔、フェンダーに言われたんよ。“持っとらんけえジャズべが欲しいんじゃけど”って言ったら、“ウエノさんはプレベしか弾かないでください”って。

    一彦 ウエノはそれでいいと思う。

    コータロー ウエノがジャズべってちょっと違うなあ。

    ウエノ でも吉川(晃司)さんのときは使っとるけえ。

    コータロー まあ、それでもウエノに弾いてほしいって言われてるんだから。

    ウエノ プレベだとドッピドッピ(オクターヴ奏法)が抜けてこないんですよ。

    コータロー ピがね。

    一彦 ドッピドッピって吉川さんの曲に多そうだね。

    ウエノ そうなんよ。コータローさんにとって、一番のギター・ヒーローって誰なの?

    コータロー キース(リチャーズ)。

    ウエノ あー!

    コータロー 要はエレキ・ギターの一番大切なイメージ、別にうまくなくていいとか、そういうのを印象づけたすべての頂点だと思う。で、オリジネーターでしょ。

    ウエノ ですねえ。一彦は?

    一彦 キースだねえ(笑)。

    コータロー 歳取れば取るほどそう思わない?

    一彦 思う思う。

    ウエノ リフ弾いてるだけでカッコいいもんね。

    コータロー やっぱり只者じゃないよ。ダントツ。

    一彦 もううまいとかを超えてる感じ?

    コータロー でもアコギとかけっこううまいよね?

    一彦 うん。すごい研究してるし、ロバート・ジョンソンとか。

    ウエノ 俺が観に行った公演で、キースがスカジャン着て出てきたときは、“スカジャンって!”と思いましたけど(笑)。

    コータロー あれはね、スカジャンじゃないです。ボンバージャケット。ファッション的に言うと。

    ウエノ 知らんけど(笑)。

    スカジャンを着たキース・リチャーズ

    コータロー その前にはスカジャン着てて、グッチの80万円のやつね。でもグッチのスカジャンは日本のテーラー東洋が作ってたそうだから、テーラー東洋で買えば3万です。

    一同 ハッハッハッハ!

    ウエノ しかしね、わしのなかでこのふたりは似て非なるギタリストなんよ。

    ──絶妙な関係性ですよね。鮎川誠さんの系譜の、その下の世代というか。

    ウエノ お互いにうまいと思ってると思うんですよ。

    コータロー 昔、よく比べられたよ。

    ウエノ ギター・ヒーローって言葉は死語かもわからんけど、わしのなかではふたりともギター・ヒーローよ。

    コータロー 一彦のギターはホント好きだね。名越(由貴夫)はすごいなと思うし、(佐藤)タイジもいいなと思うけど、一彦は好きだな。近いのかな。

    ウエノ ルーツが近いんでしょうね。

    コータロー 一彦はブルースをすごいわかってる。俺はそんなわかってない。

    一彦 先輩は粋だから。

    コータロー 一彦に初めてもらったアルバムで、「遥かなる」って曲あるじゃん(『SETZNA』収録/2003年)。一緒にセッションしたやつ。あれ聴くと、新宿の古いロック処を思い出す。

    ウエノ SIONか!(笑)

    一彦 小滝橋のね。

    コータロー うん、1990年代のロック、そのこれから行くぞっていう当時の感じがすごいするんだよね。だからあの曲をセッションさせてもらったんだけど。

    一彦 俺らが共有してるさ、きっと今の子たちには通じないような時代感っていうか。

    コータロー それはいいんじゃない、また違った形で伝われば。

    ウエノ これギター・マガジンに載っけたほうがいいよ! 次の表紙はこのふたり!(笑)

    ウエノコウジ
    Profile
    うえのこうじ●1968年3月27日生まれ、広島県出身。パブ・ロックやガレージ・パンクをルーツとするサウンドで人気を集めたミッシェル・ガン・エレファントのベーシストとして、1996年にデビュー。同バンドの解散と前後して、2003年にはRadio Carolineを結成。現在はthe HIATUSのメンバーとして活躍するかたわら、武藤昭平withウエノコウジ、加山雄三が結成したバンド・THE King ALL STARS、吉川晃司のサポートなど、多方面で活躍している。
    http://mutoueno.com/

    古市コータロー
    Profile
    ふるいち・こーたろー●1964年生まれ。ギタリスト、人生評論家。1986年、THE COLLECTORSを結成。1986年にメジャー・デビュー。以来、現在までに20枚以上のアルバムをリリース。ソロとしても2019年に4thアルバム『東京』を発売。そのほかTHE King ALL STARS、KOTARO AND THE BIZZERE MEN、数々のセッションや役者業にいたるまで多岐にわたり活躍中。
    http://www.pci-jpn.com/kotarofuruichi
    https://twitter.com/furuichikotaro

    藤井一彦
    Profile
    ふじい・かずひこ●1967年生まれ。1988年、THE GROOVERSを結成。翌1989年にメジャー・デビュー。1993年トリオで再デビュー後、現在も精力的に活動を続けている。また、1990~91年、および2001年に頭脳警察の再結成をサポート。2002年からはSION with THE MOGAMIのギタリストとしても活躍。ほかにも石橋凌など、さまざまな現場でブルージィな魂を爆発させている。
    http://www.thegroovers.com
    https://twitter.com/KazTheGroover