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    【第18回】 指弾きで弦跳びするときの、右手親指の使い方 2/石村順の低音よろず相談所 〜Jun’s Bass Clinic〜

    • Text:Jun Ishimura

    BASS MAGAZINE Web『石村順の低音よろず相談所 ~Jun’s Bass Clinic~』も第18回となりました! 今回は指弾きのフォーム第5弾! 『右手親指の使い方2』です。

    前回にやった親指移動式の弾き方でのポイントのひとつは“親指をどこに置くか?”です。これには不要な開放弦をミュートする役割があります。まず最初に、4弦ベースだと僕はこんなふうに親指を使っています。

    1、2弦を弾くときは、指の腹で3弦に触れて、第一関節の横で4弦に触れています。

    これで3弦と4弦を同時にミュートします。

    アポヤンドで弾いていれば、2弦開放は1弦を弾き終わった指でミュートできます。

    3弦を弾くときは4弦に軽く触れます。

    力は入れません。“乗せる”というより“触れる”感じです。

    4弦を弾くときは、ここ(ピックアップの上端の面)に親指を置く人が多いと思いますが、これだと、ただ脱力した状態よりも親指を少し内側に入れる必要があるので、僕はあまりやらないです。

    その代わり、リア・ピックアップの上で弾くときはこのへん(リア・ピックアップのネック寄りの角)に親指の爪の付け根の横あたりで触れています。これだと親指を内側に入れなくていいのでラクです。

    フロントとリアの間を弾く場合はこのへん(フロント・ピックアップの弦に面した側)に触れて、そこを軸にして弾く場所を変えています。

    ネックの端からフロント・ピックアップの間を弾くときは、こんなふうにピックガードに軽く当ててます。

    指板の上を弾くときは、このへん(指板の上端)に軽く乗せてます。

    もしフレーズが1~3弦を中心に動いていて一瞬4弦が混ざるだけの場合は、4弦を弾くときだけ一瞬親指を浮かせて元に戻してます。

    4弦ベースだと、このやり方で右手で開放弦をミュートできますが、問題は多弦ベースです。例えば、5弦ベースで1~2弦を弾くときに、さっきのように親指で3弦と4弦に同時に触れていても、5弦ががら空きで共鳴してしまいがちです。

    家で小さい音量で弾いていると気にならないかもしれませんが、大きいベース・アンプなどで鳴らすとはっきりわかります。特にライヴハウスやホールのメイン・スピーカーからローBの開放が鳴ったときの破壊力はすごいので、それが不要なタイミングで共鳴して鳴ってしまうのは絶対に避けたいですよね。

    これを防ぐ親指の使い方、それが親指スライド式です。親指をどこかひとつの弦に乗せるのではなくて、こういうふうにフラットに寝かせます。

    そして、弦を移動するときはフォームを保ったままスライドさせます。このやり方にはたくさんメリットがあります。

    メリット① 一度に3本以上の開放弦をミュートできる

    これが一番のメリットですね。

    メリット② どの弦でも同じフォームで弾ける

    指が弦に当たる場所や角度を一定にできるので、タッチや音色も一定にしやすいです。

    メリット③ 力を抜いた手の形そのままのフォームで弾ける

    手首が曲がりすぎて痛くなる問題も起きません。

    メリット④ 弦の移動が速い

    親指をピックアップや弦から少し浮かせて弦を飛び越える動作がいらないぶん、速く動けます。

    こんなふうに親指スライド式にはメリットがたくさんあるのですが、もちろん4弦ベースでも役立ちます。僕は、4弦でも5弦でも、このフォームで弾いていることが多いです。皆さんも、親指スライド式をぜひ取り入れてみてください。

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    石村順
    ◎Profile
    いしむらじゅん●元LOVE CIRCUS、元NEW PONTA BOX。日食なつこ、ポルノグラフィティ、東京エスムジカ、K、JUJU、すみれ、大江千里、松山千春、宇崎竜童、石川ひとみ、種ともこ、近藤房之助、豊永利行、Machico、紘毅、城南海、西田あい、つるの剛士、SUIKA、Le Velvets、葡萄畑など、多数のライブや録音に参加している。ロングセラー『ベーシストのリズム感向上メカニズム グルーヴを鍛える10のコンセプトとトレーニング』の著者。Aloha Bass Coachingではベース・レッスンのほか全楽器対象のリズム・レッスンを行なっている。

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