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  • NOTES

    ROOTS of 渡辺直樹

    渡辺直樹が影響を受けた作品を紹介。

    「お嫁においで」
    加山雄三
    (1966年)


    8枚目のシングルで、同名の映画も制作された。加山は、直樹の兄・茂樹が所属したザ・ワイルドワンズの名付け親ということで近い関係にあり、渡辺家でも本レコードはよくかかっていた。その後直樹は、加山雄三のレコーディングにも参加。
    『シカゴI(シカゴの軌跡)』
    シカゴ
    (1969年)


    シカゴ・トランジット・オーソリティ名義でリリースされた、シカゴの事実上の1stアルバム。翌年にシングル・カットされた3曲がすべてヒットし、アルバムはすぐゴールド・ディスクとなり、最終的にはダブル・プラチナ・アルバムに。
    『グランド・ファンク』
    グランド・ファンク・レイルロード
    (1969年)

    当時、日本でも大きな人気を獲得したアメリカの3ピース・ハードロック・バンド。本作はアニマルズの「孤独の叫び(原題:Inside Looking Out)」のカバーを含む2ndアルバムで、ゴールド・ディスクに認定された。
    『クリムゾン・キングの宮殿』
    キング・クリムゾン
    (1969年)


    “プログレッシブ・ロック”を確立したと評される1969年発表のデビュー・アルバム。凝った楽曲の多いプログレが好きだった直樹は、ピアノの弦をピックで弾いたような、グレッグ・レイクのゴリッとしたベース・サウンドに注目していた。
    『展覧会の絵』
    エマーソン・レイク・アンド・パーマー
    (1971年)

    ムソルグスキーの同名曲をロック・アレンジでカバーしたライヴ・アルバム。ライヴ録音されたもののリリース未定だったが、海賊盤が出回ってしまったことに事態を憂慮したアーティスト側が、オフィシャル版を発売したという曰く付きのアルバムだ。
    『ホワッツ・ゴーイン・オン』
    マーヴィン・ゲイ
    (1971年)


    2020年の“ローリング・ストーンの選ぶオールタイム・ベストアルバム500”で1位にランクされるなど、当時の社会問題を世に問うた傑作アルバム。アルバムと同名のタイトル曲でのベース・ラインは、ジェームス・ジェマーソンの名演のひとつに数えられている。
    『シンギング&プレイング』
    ラリー・カールトン
    (1973年)


    クルセイダーズ在籍時に発表されたソロ名義としては2作目にあたるアルバム。1978年発表の『夜の彷徨(原題:Larry Carlton)』で名ギタリストとしての地位を確立するカールトンだが、今作はタイトルどおり8曲中6曲がヴォーカルものになっている。

    SELECTED DISCOGRAPHY

    渡辺直樹の参加作品から注目盤をピックアップ。

    「悲しき願い」
    MMP
    (1978年)



    キャンディーズの専属バック・バンドとして結成されたMMP。キャンディーズの応援歌となる1枚目のシングル「Super Candies」に続く2枚目のシングルは、洋楽のカバー曲となった。直樹はアレンジでも活躍している。
    『CHABAKO TRICK』
    MANNA
    (1979年)



    佐野元春とバンドを組んでいたMANNA(vo)の1stアルバム。細野晴臣、矢野顕子、筒美京平などの提供楽曲を、林立夫(d)のプロデュースによりLAで録音。直樹にとっては自身の個性を確立するターニング・ポイントとなった。
    『ゴールデン☆ベスト GOLDEN☆BEST』
    スペクトラム
    (2008年)


    スペクトラムがリリースしたアルバムから抜粋したベスト。1980年にシングル・カットされた「SUNRISE」はプロレスラー、スタン・ハンセンの入場曲として使用されたが、その後もテレビ・ドラマの乱闘シーンなどでよく使われた。
    『MoonLight Island』
    桑名晴子
    (1982年)



    シュガーベイブや小坂忠など、1970年代の名曲を集めたカヴァー・アルバムで、録音にはAB’Sのメンバーが参加しており、直樹はコーラスも担当している。直樹としては納得のいくプレイで、印象に残る作品となったと語る。
    『AB’S』
    AB’S
    (1983年)


    SHOGUNの芳野藤丸(g)とプログレ・センスに定評のある松下誠(g)というツイン・ギターに、パラシュートの安藤芳彦(k)、スペクトラムのリズム体である直樹と岡本郭男(d)が合体。都会的なセンスが凝縮された音作りで注目を集めた。
    『STAR CHILD』
    渡辺直樹
    (1987年)


    2ndソロ・アルバムで、全曲の作編曲を手がけた。ピアノで母・渡辺照子と祖父・平茂夫が参加し、直樹と妹の南翔子がデュエットするという、一族の才能が一堂に会した“音楽”を収録。「風に吹かれて」はCMに起用された。
    「Dangerous Night」
    ジェイク・H・コンセプション
    (1988年) 

      
    1988年放映のTVドラマ『NEWジャングル』のオープニング・テーマで、アレンジャーの船山基紀によれば“水を得た魚のように、ときおり入るスラップがパツンパツンと気持ち良く、素晴らしい演奏をしてくれた”とのこと。
    「言えないよ」
    郷ひろみ
    (1994年)


    郷ひろみ66枚目のシングル。「僕がどんなに君を好きか、君は知らない」に続くバラード3部作の2作目としてリリースされ、ロング・ヒットを記録。メロディアスなフレージングで、直樹はバラード曲でのプレイにも定評がある。
    「PARADISE WINGS」
    小曽根真
    (1991年)


    バックは直樹のほか、芳野藤丸(g)、渡嘉敷祐一(d)が務め、ボサノヴァありファンクありの、バラエティに富んだナンバーを収録。レコーディング後のツアーもこのメンバーで行なわれた。
    『POWER OF DREAMS』
    大黒摩季
    (1997年)


    シングル「熱くなれ」を含み、オリジナル・アルバムとしては175万枚という自身最高のヒットとなった作品。前々作、前作と直樹は参加してきたが、本作ではシンセ・ベース以外はすべて直樹がベースを担当。
    『GREEN』
    B’z
    (2002年)



    通算12枚目。恋愛シミュレーション・ゲーム『ときめきメモリアル Girl’s Side』のエンディング・テーマにも起用された「美しき世界」でフレットレスを使用し、間奏後の和音プレイで“直樹印”を付けている。
    「りんごのうた」
    椎名林檎
    (2003年)


    椎名林檎の9枚目のシングルで、フレットレスでの直樹の個性が表われている曲。これを聴き、すぐに“直樹が弾いているのでは?”とピンときた、ベーシストとしても知られる俳優・中村梅雀の感性もお見事。
    『Hurray!』
    ゴスペラーズ
    (2009年)



    ゴスペラーズのメジャー・デビュー後11枚目のオリジナル・アルバムで、直樹は「ローレライ」(船山基紀アレンジ)と「Sky High」(服部隆之アレンジ)という異なるアレンジャーに指名を受けて2曲に参加。
    『K Album』
    Kinki Kids
    (2011年)



    山下達郎による「いのちの最後のひとしずく」に参加。ほかのジャニーズのアーティストでは船山基紀アレンジの「二人の涙雨」関ジャニ∞(2007年)や「Lady ダイヤモンド」Sexy Zone(2012年)などに参加した。
    『HERO オリジナル・サウンドトラック』
    服部隆之
    (2001年)


    木村拓哉主演によるTVドラマ『HERO』のテーマ曲に参加。直樹は多くの劇伴にも参加。作編曲家・服部隆之の直樹への信頼は絶大で、譜面どおりでなく自由に弾いていいとのお墨付きをもらっている。
    『ソロ・ベースのしらべ ベスト・セレクション』
    渡辺直樹
    (2020年)


    ベース1本のみで曲を成立させる曲集。過去に発刊された人気シリーズ『ソロ・ベースのしらべ』計3作に収録された楽曲のなかから、直樹がセレクトしたベスト版となる。直樹自身によるお手本演奏CD付き。

    【お知らせ】
    発売中のベース・マガジン2021年5月号の『ニッポンの低音名人』では、渡辺直樹のこれまでの軌跡を追ったロング・インタビューを掲載!

    PROFILE
    わたなべ・なおき○1956年生まれ。神奈川県川崎市出身。兄の影響を受け、15歳でベーシストとしてプロ・デビュー。数々の歌手のサポートを務めたのち、1979年にホーン・セクションをフィーチャーしたロック・バンド、スペクトラムを結成。この当時すでにライヴではソロ・ベースを披露している。その後本格的にスタジオ・ミュージシャンとしての活動を始め、1982年に腕利きスタジオ・ミュージシャンたちとAB’Sを結成。ソロ・アーティストとしても『SHE』『STAR CHILD』『Sleep Less』と、3枚のアルバムを制作している。抜群のリズム感とメロディアスで的確なプレイに定評があり、日本のスタジオ・シーンのトップに位置するベーシストのひとりである。B’z、大黒摩季、鬼束ちひろ、ケイコ・リーをはじめ多くのアーティストのライヴ、レコーディングに参加する傍ら、2002年にはベース1本で奏でる音楽“ソロ・ベース”という新しいジャンルを確立し、それを広めるため“Solo Bass-Club”を立ち上げ、幅広く指導に当たる。2020年には『ソロ・ベースのしらべ ベスト・セレクション』をリリースしている。