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【第95回】今年こそレベル・アップしたい人限定“練習への向き合い方” 石村順の低音よろず相談所 〜Jun’s Bass Clinic〜

  • Text:Jun Ishimura

2023年もよろしくお願いします! 今年も楽しくベース弾いていきましょう〜! 

今年こそレベル・アップしたい。そのためにはどうやって練習していけばいいのか。新年ということで、今回は練習への向き合い方についてです。参考になるといいなと思います。

何を練習するか、つまり練習内容ももちろん大事なんですが、人によってやりたいこともレベルも違うので、練習内容も人それぞれです。それとは別に、どう練習するか、練習への向き合い方っていうのもすごく大事で、どんなジャンルでもどんなレベルでもどんな楽器でも当てはまるようなポイントを紹介します。“なんだよ、当たり前のことばっかりだな”って思う内容かもしれないけど、意外とやっていない人が多いかなと思います。

毎日練習する

まずは、当たり前すぎますが毎日練習しましょう。レベル・アップしたいんだったら、どんなに忙しくても1日3分でもいいから毎日弾きましょう。基礎練でも曲の練習でも何でもいいので、時間が短いなら短いなりにとにかく毎日楽器を触りましょう。練習ゼロより全然マシです。何日か演奏しないだけで体はなまります。

“3分はさすがに短すぎじゃね?”と思うかもしれないけど、逆にそこがミソです。例えば“1日60分くらいは練習しなきゃ”と思い込んでると、人によっては忙しい日は“今日は疲れたからもういいや”って諦めてしまうかもしれませんが、“3分でOK”と言われたら、“じゃ、ちょっとだけ”と楽器を手に取りやすいでしょう? そして、いざ弾き始めると楽しくなってくるので、 だいたい3分では止めずにもっと練習することになります。

手軽に音が出せる環境を作る

音が出るまでの手順を少なくしておくといいですね。ケースから楽器を出してアンプを電源につないでエフェクト・ボードを出してきてシールドつないで、ってなると面倒くさくなってしまうので、“いつもの椅子の横の楽器を持ってアンプをオンにしたら音が出る”くらい手軽にしておくといいです。

集中して練習する

それから、これも当たり前すぎますが、練習するなら集中して練習しましょう。ボーッとしながらだらだら60分練習するより、集中して15分練習するほうが全然いいです。

意識的に練習する

そして、集中すると言っても、ただ闇雲に指を動かすのではなく、その練習の目的と注意点を踏まえて練習するのが大事です。何のための練習なのか、どこに気をつけるべきなのか、ちゃんと意識しながら練習すると効果的です。

練習結果をチェックする

また、練習しっぱなしではなく、ちゃんとできているかどうかチェックするのも大事です。そうしないと、多くの場合、演奏できているつもりが実はできていなかったりします。なので、録音したり録画してチェックします。自分の演奏を聴くと凹んだりしがちですが、そこは冷静に、他人の演奏を聴くつもりで聴いて、気づいた点や直すべき点をメモしておいて、次の日の練習に取り入れていきます。

練習箇所を絞る

曲を最初から最後まで弾く、という練習をする人がわりといますが、曲を覚えたい場合は別として、苦手なところをピックアップして前後の流れを含めて集中的に練習するほうがいいと思います。早く曲を通して弾けるようになりたい気持ちはよくわかるし、パーツをひとつひとつ練習するのは時間がかかりそうに思えるかもしれないけど、いわゆる“急がば回れ”ってやつですね。パーツができあがってない状態のまま全体を何度も繰り返すより、苦手なパーツに集中して取り組んでクオリティを上げていって、それを少しずつつなげて全体を組み立てて行くほうが、結局は近道です。

ということで、今年もガンガン練習して、いい音楽・いいグルーヴを世界に送り出していきましょう〜! 石村順でした!

石村順
◎Profile
いしむらじゅん●元LOVE CIRCUS、元NEW PONTA BOX。日食なつこ、ポルノグラフィティ、東京エスムジカ、K、JUJU、すみれ、大江千里、松山千春、宇崎竜童、石川ひとみ、種ともこ、近藤房之助、豊永利行、Machico、紘毅、城南海、西田あい、つるの剛士、SUIKA、Le Velvets、葡萄畑など、多数のライブや録音に参加している。ロングセラー『ベーシストのリズム感向上メカニズム グルーヴを鍛える10のコンセプトとトレーニング』の著者。Aloha Bass Coachingではベース・レッスンのほか全楽器対象のリズム・レッスンを行なっている。

◎Information
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