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【第68回】楽勝そうで結構キツい! ハンマリング修行/石村順の低音よろず相談所 〜Jun’s Bass Clinic〜

  • Text:Jun Ishimura

年末年始、ハンマリングのスキルを上げていこう!

リズム感が気になるときって、指弾きでもピック弾きでもスラップでも右手のリズムを気にしがちですが、実は左手のリズムも同じくらい重要です。例えば、ハンマリング・オンって、うまく使うとフレーズをなめらかにしたりグルーヴを深めたりできるんだけど、逆にハンマリングのリズムが崩れているとフレーズ全体が不安定になります。そういう場合、そのフレーズをひたすら練習するのもいいですが、まずはハンマリングだけに的を絞って練習すると効果的です。

ここでは6種類の運指のエクササイズを紹介しますが、主にふたつのことを鍛えていきます。ひとつはハンマリングの“精度”です。ただ指が動けばいいんじゃなく、安定したリズムで弾くのが目標です。

もうひとつは“スタミナ”で、これは反復練習で鍛えますが、ただ“持久力を上げていく”だけではなくて、“無駄な力を使わないで演奏する”のも同じくらい大事ですね。

クリックのパターン5種

クリックの鳴らし方を、ここでは5パターン紹介します。パターンAは、拍のオモテに鳴らします。これが一番簡単ですね。Bは、よくある2&4拍パターンです。Cは、これもよくある拍のウラ。Dは、1小節に1回のパターンで、譜例のように3拍目でもいいし、2拍目や4拍目でもいいです。そしてパターンEは音符と音符の間に鳴らします。16分2個目4個目ですね。ちょっと難しいかもしれないけど、音価をしっかり安定させる練習になります。

1→2の指でハンマリング

譜例では例として5フレット→6フレットでやっていますが、実際は指板上のいろんな場所で練習します。

2→3の指でハンマリング

3→4の指でハンマリング

1→3の指でハンマリング

2→4の指でハンマリング

1→4の指でハンマリング

譜例ではひとつの弦につき4回ハンマリングしてから弦移動していますが、慣れてきたら“2回やって弦移動”っていうパターンに変えてもいいし、もっと慣れたら“1回やったら弦移動”に変えてもいいです。

ということで、ハンマリングのスキルを上げて、より安定したリズム感を身につけていきましょう!

来年もよろしくお願いします。皆さん、良いお年を!

石村順でした!

石村順
◎Profile
いしむらじゅん●元LOVE CIRCUS、元NEW PONTA BOX。日食なつこ、ポルノグラフィティ、東京エスムジカ、K、JUJU、すみれ、大江千里、松山千春、宇崎竜童、石川ひとみ、種ともこ、近藤房之助、豊永利行、Machico、紘毅、城南海、西田あい、つるの剛士、SUIKA、Le Velvets、葡萄畑など、多数のライブや録音に参加している。ロングセラー『ベーシストのリズム感向上メカニズム グルーヴを鍛える10のコンセプトとトレーニング』の著者。Aloha Bass Coachingではベース・レッスンのほか全楽器対象のリズム・レッスンを行なっている。

◎Information
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