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【第109回】基礎テクニック見直しでレベル・アップ! 押弦する位置を再チェック 石村順の低音よろず相談所 〜Jun’s Bass Clinic〜
- Text:Jun Ishimura
最近どうも伸び悩んでいる、手が疲れやすい、痛くなる。そういうときは、基礎テクニックを見直しましょう。そこにレベル・アップのヒントがあるかもしれません。
今回は押弦のやり方をチェックします。具体的には、押弦するときフレットに対してどのへんを押さえるかがポイントです。
早速、曲でもスケールでも何でもいいので弾き慣れたフレーズを弾いて、ネックを上から見たり、鏡で見たり、ビデオに撮ったりして、押弦している指の位置を細かくチェックします。もし、ほとんどのときにフレットのすぐ近くを押さえているのならOKです。でも、フレットから離れた位置を押さえていることが多い場合、デメリットがいくつかあります。
フレットから離れた位置で押さえるデメリット①
バズが出やすいです。これは、低めの弦高にしている場合に鳴るバズとか、フレットの摩耗によるバズとは違う種類のバズです。こういう音です(動画を参照)。これを避けるには、できるだけフレットに近い位置で押さえたほうが良いです。
フレットから離れた位置で押さえるデメリット②
フレットから離れた位置で押さえていると、バズを防ぐためには少し強めに押さえないといけません。その結果、疲れやすかったり、指や手が痛くなりがちです。適当に押さえたほうが正確にフレットの近くを押さえるより楽そうな気がするかもしれませんが、実は余計に力を使っている可能性があります。より少ない力で押さえるためにはできるだけフレットの近くを押さえたほうが効率的です。
フレットから離れた位置で押さえるデメリット③
バズを防ぐために強めに押さえると、音程が少しシャープしてしまいがちです。これは、力を入れ過ぎた結果、フレットのところで弦が持ち上がったり、チョーキング(ベンド)する感じになってしまっているからです。正しくオクターブ調整やチューニングをしていても、押さえ方でピッチが悪くなってしまうわけです。より正確な音程で演奏するにはできるだけフレットの近くをリラックスして押さえるのが良いです。
押弦する位置
指の中心線とフレットが一致する位置=フレットの真上、だとします。このフレットの真上で押さえるのがいいのでしょうか? これはこれで悪くないですが、実はもう少し良い位置があります。
ちょっと細かい話になりますが、押弦した状態の指と弦の接点を見ます。指と弦が軽く接触してるだけの状態からゆっくり押弦していくと、指先の肉が弦で押されて横に広がっていきますよね。そう、指と弦は“点”ではなく“面”で接してます(正確に言えば「立体的」に接しているでしょうが、ここでは単純化して“面”で接してるとイメージします)。“指と弦が接している面”の右端は、指の中心線ではなくもう少し右側です。この“指と弦が接している面の右端”とフレットが一致する位置、ここで押さえるのが僕は理想的だと思います。この位置だと指の中心線はだいたいフレットのすぐ横に来るので、この位置を“フレットの真横”と呼ぶことにします。
“フレットの真横”の押さえ方
フレットの真横で押さえるにはコツが要ります。指を無理に開いて指だけの力で押さえようとしてはいけません。僕のお勧めは、親指とネックの接点をピボットにして手を動かして指先をフレット真横に持っていく押さえ方です。シフトと違い親指の位置は変えません。このやり方だと、無理に指を開く必要はないので力まなくて済みます。その代わり、ひとつのポジションの中でもこまめに手を動かす必要はあります。 たとえばCメジャー・スケールで、それぞれの音でフレットの真横を押さえる練習をします。どこでどう動かすべきかは手の大きさなどによるので、人それぞれ違ってきます。自分に合った自然で無理のない方法でやってください。下記の譜面は、参考までに僕が弾く場合どの音でどう動くかを説明してあります。
まず最初は、特に人差指と中指の位置に気をつけましょう。なぜなら、もし人差指や中指がフレットから離れていたら、より力のない薬指・小指もフレットから離れてしまいます。なので、最初はまずとにかく人差指と中指の位置に気をつけましょう。慣れてきたら残りの指の位置も直していきましょう。石村順でした!
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石村順
◎Profile
いしむらじゅん●元LOVE CIRCUS、元NEW PONTA BOX。日食なつこ、ポルノグラフィティ、東京エスムジカ、K、JUJU、すみれ、大江千里、松山千春、宇崎竜童、石川ひとみ、種ともこ、近藤房之助、豊永利行、Machico、紘毅、城南海、西田あい、つるの剛士、SUIKA、Le Velvets、葡萄畑など、多数のライブや録音に参加している。ロングセラー『ベーシストのリズム感向上メカニズム グルーヴを鍛える10のコンセプトとトレーニング』の著者。Aloha Bass Coachingではベース・レッスンのほか全楽器対象のリズム・レッスンを行なっている。
◎Information
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