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【第105回】左手のスピード・スタミナ・精度を鍛えろ! 異弦同フレット・エクササイズ 石村順の低音よろず相談所 〜Jun’s Bass Clinic〜

  • Text:Jun Ishimura

今回も、ウォーム・アップと筋トレを兼ねたエクササイズで、左手のスピード・スタミナ・精度を鍛えるのにぴったりな、異弦同フレットのエクササイズです。

フレットは同じままで違う弦に移動する動き、これを異弦同フレットと言います。たとえば、ルートと4度(下記A)とか、5度とオクターブ(B)とか、メジャー3rdと6度(C)、セブンスとその上のマイナー3rd(D)などの動きがそうで、いろいろなベース・ラインで使われている動きですが、苦手な人も多いと思います。

異弦同フレットの弦移動のやり方は3種類あります。

①同じ指で押さえ直す

②別の指で押さえる

③セーハと同じフォームで、同じ指の違う部分で押さえる

今回は①の同じ指で押さえ直すやり方で取り組みます。

ここでは5~8フレットを使いますが、指板のどこでやってもいいです。右手の奏法は、指弾き・ピック弾き・スラップのどれでもOKです。

まずは5フレット(人差し指=1)。4弦で4音、3弦で4音、というふうに、弦ごとに4音ずつ弾いて次の弦に移ります。1弦まで行ったらまた4弦まで戻ってきます。6~8フレット(中指=2 薬指=3 小指=4)も同じようにやります。最初のうちはゆっくり、ていねいにやりましょう。

ポイント①

弾く弦が変わるときにリズムが崩れないように注意しましょう。

ポイント②

4音ひと組の最後の音(16分音符4つ目)まで、ちゃんと鳴らすように気をつけてください。焦って次の弦に移動しようとして早めに指が浮いてしまい、最後の音がゴーストノートみたいになってしまいがちです。

ポイント③

力まず、腕から指までリラックスした状態で取り組みましょう。弦を変わるときに指だけで対応しようとせず、手首・肘・肩を柔軟にして、腕全体で対応してください。

簡単そうに見えて、意外と難しいかもしれません。このエクササイズで具体的に何を訓練してるかというと、音価ギリギリまで押さえ続けるスキル(精度)と、ある弦から次の弦へできるだけスピーディーかつ正確に指を移動させるスキル(スピードと精度)です。1日1セットだけならそこまでキツくないかもしれませんが、何セットか続けてやったりテンポを上げていくと、スタミナもついてきます。

ゆっくりのテンポでできるようになってきたら、だんだんテンポを上げていきます。ぜひ普段の練習に取り入れてください。石村順でした!

石村順
◎Profile
いしむらじゅん●元LOVE CIRCUS、元NEW PONTA BOX。日食なつこ、ポルノグラフィティ、東京エスムジカ、K、JUJU、すみれ、大江千里、松山千春、宇崎竜童、石川ひとみ、種ともこ、近藤房之助、豊永利行、Machico、紘毅、城南海、西田あい、つるの剛士、SUIKA、Le Velvets、葡萄畑など、多数のライブや録音に参加している。ロングセラー『ベーシストのリズム感向上メカニズム グルーヴを鍛える10のコンセプトとトレーニング』の著者。Aloha Bass Coachingではベース・レッスンのほか全楽器対象のリズム・レッスンを行なっている。

◎Information
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