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    リハで差がつく! 重宝されるベーシストの心がけとは?【石村順の低音よろず相談所】第159回

    • Text:Jun Ishimura

    “約3分”でベース上達にまつわるさまざまなトピックを解説するYouTube動画連動の連載『石村順の低音よろず相談所 〜Jun’s Bass Clinic〜』。第159回は、「重宝されるベーシストの心がけ」について。


    “重宝されるベーシスト”がリハで意識していることは……?

    普通のベーシストと優秀なベーシストの違いはなんでしょう?

    数え上げたらたくさんありますが、今回は“リハーサルにどう取り組むか”という観点からその違いを考えてみましょう。

    普段、何を意識してリハに臨んでいますか?

    自分のパートをしっかりこなす。それは当然です。そのレベルで、とりあえず“普通のベーシスト”です。

    その先を見て、バンド全体のサウンドのレベルアップに貢献するのが“優秀なベーシスト”です。そのために大事なのは、関係性を意識することです。

    “重宝されるベーシスト”がリハで意識していること

    全体を意識

    ベース単体のことを考えているだけでは、良いベーシストとは言えません。

    優秀なベーシストは、全体のサウンドに意識を向けます。自分の演奏だけではなく、歌や他の楽器のフレーズを把握したうえで、ほかのパートとの関係性を意識したベース・プレイを心がけましょう。

    「そのバンドに合うベース」「その曲に合うベース」を弾けるのが優秀なベーシストです。

    つまり、自分も含めた“バンド全体”を俯瞰して見渡す、バンマス/プロデューサー的な観点が大事、というわけです。

    アレンジを意識

    優秀なベーシストは「アレンジへの意識」を持っています。

    「ここのベース・ラインはもっとシンプルにした方が曲の流れが良くなるのでは?」とか「ここで少し動きのあるフレーズを入れると歌のメロディーがもっと生きるかも?」など、より良いアレンジを追求していく姿勢が大切です。

    音域を意識

    優秀なベーシストは「音域の棲み分け」を意識します。

    ベースの音域は、ギターやキーボードなどの音域とも被ってます。特に、ベースがハイ・ポジションあたりで弾くと、ヴォーカルやギターその他の音域とモロに被ります。

    同じ音域で複数の楽器が主張しすぎると、サウンド全体が濁ります。リハでは、ほかの楽器の音域とぶつかっていないかどうか注意して、問題があればベースの音域を変更してみる工夫も必要です。

    音色を意識

    優秀なベーシストは「音色のバランス」を意識します。

    ベース単体で「この音色がいい」と考えるのは、出発点としては良いです。

    でも、リハでは、ベースの音色が歌や他の楽器の音色とうまく共存しているか、気をつける必要があります。ベースだけ突出し過ぎていたり、ほかの楽器を邪魔していたり、あまりにも曲調と合ってなかったり、ということがないように、全体のなかでのバランスが取れた音色を心がけましょう。

    音数を意識

    優秀なベーシストは「音数の棲み分け」を意識します。

    例えば、メロディが細かく動いているときに音数の多いメロディックなベース・ラインを同時に弾くと、メロディを邪魔しがちです。逆に、メロディとメロディの隙間で、ベースも何もせず隙間を作ってしまうと、流れが止まってしまうことがあります(もちろん、どちらにも例外はあります)。

    ベースがスペースを作ることでほかのパートがより良く聴こえたり、ベースが歌やほかの楽器のフレーズをつなげる役割にまわることで流れがスムーズになることが多いです。

    コミュニケーションを意識

    優秀なベーシストはコミュニケーションを大切にします。

    より良いアンサンブルを作るためには、疑問点や提案があれば遠慮せずに話し合うことが不可欠です。もちろん言い方にも気をつけます。言うべきことは言ったほうがいいですが、メンバーへのリスペクトは忘れずに。場の雰囲気を壊して、良いアンサンブルどころでは無くなってしまっては本末転倒です。

    また、演奏中にアイ・コンタクトなどで意思疎通を図るのも大事です。曲の始まり、曲の進行の変わり目、エンディングなど、節目節目で目や身振りで合図を送ることで、バンドの一体感が高まります。

    客観的に確認

    リハを録音して後で客観的に聴き返すのは必須です。

    リハ中には気づかなかった問題点が見えてきます。自分の演奏の問題だけでなく、楽器どうしのバランスが悪かったり、アレンジがうまくいっていない箇所を発見できるかもしれません。


    ということで、これらのポイントを踏まえて“関係性を意識してリハに取り組む”ことで、バンド全体のレベルアップに貢献する優秀なベーシストに一歩ずつ近づいていきます。ぜひ、次のリハから取り入れてください。

    石村順でした!

    ▼ 今回の動画はこちら ▼

    【石村順の低音よろず相談所】第159回

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    石村順
    ◎Profile
    いしむらじゅん●元LOVE CIRCUS、元NEW PONTA BOX。日食なつこ、ポルノグラフィティ、東京エスムジカ、K、JUJU、すみれ、大江千里、松山千春、宇崎竜童、石川ひとみ、種ともこ、近藤房之助、豊永利行、Machico、紘毅、城南海、西田あい、つるの剛士、SUIKA、Le Velvets、葡萄畑など、多数のライブや録音に参加している。ロングセラー『ベーシストのリズム感向上メカニズム グルーヴを鍛える10のコンセプトとトレーニング』の著者。Aloha Bass Coachingではベース・レッスンのほか全楽器対象のリズム・レッスンを行なっている。

    ◎Information
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