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    【七宝盤】第十一回 – 藤田(ネクライトーキー)

    あのベーシストは、どんな音楽を聴いて現在の音楽性/ベース・スタイルを築き上げたのだろうか? さまざまなベーシストに、自身が影響を受けた“私的名盤”を7枚厳選してご紹介いただく連載企画です。

    藤田
    (ネクライトーキー)

    Profile
    ふじた●ネクライトーキー、コンテンポラリーな生活のベーシスト。ネクライトーキーは2017年に朝日(g)を中心に結成され、2019年3月に中村郁香(k)が正式加入して現編成に。2018年に『ONE!』でインディーズ・デビューし、2020年に『ZOO!!』でメジャー・デビューを果たした。2022年6月15日に、朝日がボカロP“石風呂”名義で発表していた楽曲を音源化したセルフ・カバー・ミニ・アルバム『MEMORIES2』をリリース。6月25日(土)の千葉LOOKを皮切りに全国ツアーを開催する。最終公演は8月18日(木)東京・恵比寿リキッドルーム。
    Official HP ◎藤田 Twitter 

    七宝盤①

    『Pirates』
    indigo jam unit

    (2008年)

    音楽の専門学校に通っていた頃にジャズ喫茶で働いており、スタンダード・ジャズや海外アーティストのジャズはそこでよく聴いていたのですが、日本のアーティストを知らなかったので知り合いから教えてもらったのがきっかけでした。特に気に入っている曲は「Rumble」ですが、速いビートのなかにうねるウッド・ベースや鬼気迫るピアノが曲の後半に向かってどんどん大きなグルーヴを作っていく曲になっています。

    七宝盤②

    『Blood Sugar Sex Magik』
    レッド・ホット・チリ・ペッパーズ

    (1991年)

    軽音部の通過儀礼であるレッチリですが、私は『Blood Sugar Sex Magik』を繰り返し聴いていたタイプでした。もちろんコピバンもしました。「If You Have to Ask」がとにかく好きでして、音の隙間が多いことによるエクスタシーがここにはあるなと勝手に思っています。「Funky Monks」も好きなんですが、レッチリで好きな曲を自分のなかでピックアップするとスラップ曲がほとんどなく、自身のプレイ・スタイルとしてあまりスラップを使わないので、卵が先か鶏が先かはわかりませんがなるほどと独りごちました。

    七宝盤③

    『THUMPχ』
    ポルノグラフィティ

    (2005年)

    中学生の頃、ポルノグラフィティのベーシストであるTamaさんがきっかけで音楽とベースに興味を持ったものの、直後にそのTamaさんが脱退。ショックと悲しみに打ちひしがれていたなかで、その後リリースされた『THUMPχ』があまりにも素晴らしくて、なぜか悔しくなったことを覚えています。本アンケートを作成するために改めて聴いて、アルバムを通して流れの緩急、大きな感情のうねりの作り方に影響を受けているなと感じました。曲順って大切だなぁと頭の深いところに植え付けられたアルバムです。

    七宝盤④

    『Bakers Dozen』
    Baker Brothers

    (2006年)

    初めてジャズ・ファンクに触れた1枚。当時なんとなくTSUTAYAでファンク・コーナーに行って目についたものを選んだ記憶がありますが、聴いてみて自分の知らない世界が一気に広がったような感覚に襲われました。ビートの小気味良さやグルーヴ感が気持ち良くて、ことあるごとに聴いています。あと、ドラムの音がめちゃくちゃカッコいいです。

    七宝盤⑤

    『Aquarium』
    ジョゼ

    (2013年)

    フル・アルバムではないですが、ジョゼを知るきっかけになった大切なEPなので選出します。水面に反射する光のような、ホースを上向きにして落ちる水を被るような、透き通る湖に浮かんでたゆたうような、煌めきと透明感に満たされる音源です。日常や現実に疲れて、人里から離れた山や川へ行きたいけど行けないときに、ジョゼの音楽でマイナスイオンを摂取しています。

    七宝盤⑥

    『Arc』
    Everything Everything

    (2013年)

    ギターの朝日にカッコいいバンドがいると教えてもらったのがきっかけでしたが、まず1曲目の「Cough Cough」に度肝を抜かれ、バンドってこんなに自由にやれるものなのかと目から鱗が落ちました。とは言え自由にやるだけでは音楽として成り立たないわけで、そのバランス感覚が素晴らしいなと。あと、ファルセットやコーラスの入れ方も非常に美しく参考になります。

    七宝盤⑦

    『Audioslave』
    オーディオスレイヴ

    (2002年)

    高校の軽音部でコピバンしていたのですが、どの曲もリフがカッコいいしギターが気持ち悪くて最高です。リフがカッコよけりゃそれでいいんだよ! と知能指数が下がるようになったのはオーディオスレイヴが原因。もちろんリフだけじゃなくてほかの構成要素やバランスも良いから曲が良くなるんですが、たまにはアホになって曲のアレンジ考えたいなってなると聴いて高校生の自分を憑依させたりしています。