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    首藤義勝がthe cabsの再結成ツアーで使用したエフェクター・ボードとORANGE製アンプ

    • 取材・文:辻本秀太郎(ベース・マガジンWEB)
    • 機材撮影:八島崇

    2025年、the cabsが再結成を果たし、全国ツアー『the cabs tour 2025 “再生の風景”』を開催。8月から11月にかけて全国9都市を巡った本ツアーは、11月5日(水)の東京・豊洲PIT公演を含め、全公演のチケットがソールドアウトとなった。

    the cabsは、2013年1月に1stフル・アルバム『再生の風景』を発表後、同年2月に解散。以降、約12年間にわたってライヴを行なっておらず、その存在は日本のバンド・シーンにおいて“伝説的”とも語られてきた。そんな彼らが再びステージに立つという事実そのものが、大きな話題を呼んだツアーでもあった。

    本記事では、11月5日の豊洲PIT公演にて撮影された、首藤義勝(b)のライヴ機材にフォーカス。エフェクター・ボードとオレンジ製アンプを紹介する。

    ◎ベース篇はこちら

    首藤義勝(the cabs)エフェクター・ボード
    首藤義勝(the cabs)エフェクター・ボード

    ① Boss / TU-3(チューナー)
    ② Free The Tone / BASS BLASTER / BB-2(オーバードライブ)
    ③ Boss / BC-1X(コンプレッサー)
    ④ Tech 21 / SANSAMP BASS DRIVER DI(プリアンプ)
    ⑤ Boss / BB-1X(オーバードライブ)
    ⑥ ELECTRO-HARMONIX / SMALL CLONE(コーラス/weed モディファイ)
    ⑦ Boss / LS-2(ライン・セレクター)
    ⑧ The 3 Knobs Booster(ブースター)
    ⑨ Free The Tone / PT-3D(パワー・サプライ)

    ボードの核となっているのが、Free The Tone製BASS BLASTER BB-2(②)。
    「かけっぱなしのプリアンプとして使っていて、ちょっと歪ませてドライブ感を出しています。歪みのツマミ自体は控えめなんですけど、トレブルを上げるとジャリジャリしたドライブ感が出て、それがピック弾きに合うんですよね」という設定で、ライヴ中は常時オンとなっている。

    Boss製BC-1X(③)も常時オンのペダルで、アンサンブル全体を意識したローの安定感を担う存在。
    「粒立ちを揃えるというよりは、外音でロー感がぶれないように使っています。白玉のフレーズを弾いたときに、ベースが引っ込んじゃうことがあるじゃないですか。そういうときでも、ずっと一定のローが出てくれるので、“エフェクトとしてのコンプレッサー”というよりも“外のロー用”ですね」と語る。

    Tech 21製SANSAMP BASS DRIVER DI(④)はV1後期型で、首藤にとって“飛び道具”的なポジション。
    「ブースター扱いで、ここぞというときにバッキバキのドンシャリを出したいとき用です。スイッチが踏みづらいので、下のスイッチャーにつないでいます」。設定は「ドライブは10時、ブレンドは2時くらいで、けっこう攻めてます(笑)」とのこと。

    歪み専用として使っているのがBoss製BB-1X(⑤)。
    「発売当初、“ラインアウトできる”という新鮮さで話題になって、物珍しさで買ったんですけど、シンプルに歪みが良質で。純粋に歪ませたいとき用ですね。歪みエフェクターとして使っているのは、ボードではこれだけです」。

    ローディ自作のThe 3 Knobs Booster(⑧)は、音圧とレベルを持ち上げるためのブースター。
    「サンズアンプが“音色を変えたいブースター”だとしたら、こっちは音量と音圧をグッと上げるイメージです」と、役割を明確に使い分けている。

    Electro-Harmonix製SMALL CLONE(weedモディファイ/⑥)は曲間用の飛び道具。
    「曲と曲の間のフリー・セッションで踏んで、浮遊感のあるフレーズを弾いたりします。曲中で使うことはあまりないですね」。レベル不足を補うため、Boss製LS-2(⑦)で音量を稼いでいる。

    首藤いわく、「ずっと踏みっぱなしなのは、BASS BLASTER BB-2とBC-1X」。一方で、手前に配置されたサンズアンプ、BB-1X、The 3 Knobs Boosterはフレーズごとに踏み替えており、サンズアンプは“うるさいドンシャリ”、BB-1Xは“歪ませたいとき”、3 Knobs Boosterは“ちょっとデカくしたいとき”というイメージで役割分担をしている。なお、これらを同時に踏むことはないという。

    シールドには、最近導入したBELDEN 8412を使用している。

    首藤義勝(the cabs)ベース・アンプ

    アンプ・ヘッドにはtc electronic製RH750、キャビネットにはオレンジ製OBC410(10インチ・スピーカー×4)を使用している。

    アンプのセッティングについて首藤は、「歌うので、どうしてもローが邪魔になるんですよね」と前置きしつつ、「ベースとローミッド、ハイミッドは下げています」と語る(※ ノブ位置ではなく、赤いLEDインジケーター表示が実際のパラメーターを示している)。RH750は音圧に余裕があり、「ゲインは12時もいっていなくて、だいたい10時くらい。マスター・ヴォリュームは2時くらいかな? それでも音量的には相当出ています」とのことだ。

    キャビネットにはオレンジ製の4×10を選択。「オレンジの1発(OBC115)も持っていて、音はめちゃくちゃ好きなんですけど、ちょっと重すぎて(笑)。搬入・搬出のことを考えて、今回はこっちを選んでいます」と、実用面を考慮した選択であることも明かしてくれた。

    首藤義勝(the cabs)アンプ・ヘッド

    Setlist】
    the cabs tour 2025 “再生の風景”
    2025年11月5日(水)豊洲PIT


    【Setlist】
    01. anschluss
    02. カッコーの巣の上で
    03. purusha
    04. わたしたちの失敗
    05. ラズロ、笑って
    06. Leland
    07. 第八病棟
    08. 二月の兵隊
    09. 解毒される樹海
    10. 花のように
    11. sarasa
    12. チャールズ・ブロンソンのために
    13. camm aven
    14. すべて叫んだ
    15. 地図

    -Encore-
    16. 新曲
    17. キェルツェの螺旋

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