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    千葉広樹が20年以上愛用するウッド・ベース 「ポップスの現場ではアンダーウッド、ジャズではリアリストをよく使っています」

    • Interview: Shutaro Tsujimoto (Bass Magazine Web)
    • Photo: Takashi Yashima

    第37回東京国際映画祭で3冠に輝き注目を集める映画『敵』が、2025年1月17日に公開された。日本文学界最後の巨人・筒井康隆による老人文学の傑作を原作に、俳優歴 50 年を迎えた長塚京三が12 年ぶりに映画主演を務めた本作。『桐島、部活やめるってよ』、『騙し絵の牙』の吉田大八監督が劇伴を託したのは、コントラバスと電子音によるサウンドスケープを奏でる音楽家で、優河 with 魔法バンド、蓮沼執太フィルでも活躍するベーシストの千葉広樹だ。ここでは千葉に、本作でも使用された自身のウッド・ベースについて語ってもらった。

    吉田大八監督との対談記事はこちら

    千葉広樹のウッド・ベース

    大学時代に初めて買ったウッド・ベースを現在もメイン器として使い続けている千葉広樹。中国製で、当時40万円で購入したとのこと。“だいぶ育ちましたね。ネックは3回折りましたけど……3回目はもう修理できなくて、ネックごと取り替えました”。

    ピックアップは、FISHMAN BP-100、Underwood Pickup、The Realist Wooden Piezoの3つが取付けられている。“FISHMANは高域まで拾えてエフェクター乗りがいいので、おもにエフェクター用で使っています。Underwoodはオールマイティで、中粋が前に出るので少しエレキ・ベースっぽい音。The Realistは生音用です。なので、ポップスの現場ではUnderwood、ジャズの現場ではThe Realistをよく使っていますね”と語ってくれた。

    またボディに被せられている布は、エドウィンのパンツの生地。裁縫好きの千葉が自作したものとのことだ。千葉が劇伴を手がけた映画『敵』でも、このウッド・ベースのサウンドを聴くことができる。

    千葉広樹
    千葉広樹

    ちば・ひろき●1981年生まれ、岩手県出身。ベーシスト/作曲家。コントラバスと電子音によるサウンドスケープを奏でる音楽家。Riddim Saunterなどのバンド活動を経て2004年よりジャズ・ベーシストとして活動を始める。2008年に初のソロ作品『Hiroki Chiba+Saidrum』を発表し、これまでにベースと電子音によるソロ・アルバムを4枚リリースしている。2016年にはKinetic名義によるビート・アルバム『db』をリリース。2019 年には”ミナ・ペルホネン”のファッションショーの音楽を手がけたほか、美術家の小金沢健人や雨宮庸介とのコラボレーションも行なった。優河 with 魔法バンド、蓮沼執太フィル、サンガツ、スガダイロートリオ、王睘 土竟、Isolation Music Trioなどで活動するほか、これまでに矢野顕子、LOVE PSYCHEDELICO、サム・ウィルクス、大友良英、mouse on the keys、haruka nakamura、阿部芙蓉美、ジム・オルーク、石橋英子、口ロロなど、さまざまなアーティストと共演。また、cero、Beatniks (鈴木慶一、高橋幸宏)、YUKI、吉澤嘉代子、畠山美由紀、王舟、小野リサ、寺尾紗穂、関取花、前野健太、VIDEOTAPE MUSIC、Kie Katagi(Jizue)、三浦透子、坂本美雨、坂本真綾、arauchi yu(cero)、UA、岡田拓郎、吉田省念、渡邊琢磨など、多数のレコーディングに参加している。

    映画『敵』
    1月17日(金)よりテアトル新宿ほか全国公開中

    映画『敵』
    ©1998 筒井康隆/新潮社 ©2023 TEKINOMIKATA
    宣伝・配給:ハピネットファントム・スタジオ/ギークピクチュアズ

    監督/脚本:吉田大八
    原作:筒井康隆『敵』(新潮文庫刊) 
    キャスト:長塚京三、瀧内公美、黒沢あすか、河合優実、松尾 諭、松尾貴史
    音楽:千葉広樹
    公式HP X

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