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    BOSSが放つ新時代の低音ギア feat.関谷友貴(TRI4TH)

    • Photo:Hiroki Obara
    • Equipments Explanation:Makoto Kawabe

    Total Impression

    試奏を終えた関谷に、3機種の総括、そして自身が考える理想の使い方を語ってもらった。

    日本のベーシストのレベルアップにもつながっていくんじゃないかな。

     KATANA-500 Bass Headは実はもう実戦に導入しているんですよ(笑)。専用アプリでの操作性がとても良くて使いやすいので、音作りはPCをつないだ状態でPC上でコントロールしています。レコーディングでアンプを使うときにも、これ一台でいろいろな音色が作れるし、気に入った音色があればメモリーできてすごく便利です。従来のクラスDアンプにはハイもローも鳴りきらない印象を持っていたこともあって重量級のクラスABアンプを併用してたんですけど、コイツがクラスDアンプの印象を変えてくれましたね。“次世代感”があるというか、こんなに小さなクラスDアンプでもこういう厚みのある音が出せる時代になり、“次のフェーズに入ったな”って思いました。

     CAB RESONANCE機能も凄くてサウナに入ったあとみたいな感じに音が整うんですよね(笑)。ヘッドってアマチュアの方にはまだ手を出しにくい機材だと思うんですけど、この価格、このサイズならエフェクターに投資するお金をこのヘッド・アンプに回すことで見えてくるヴィジョンがたくさんあるし、音色に対する経験値が何段階も上がると思います。これならライヴハウスやリハスタに持ち込みやすいし、常設のキャビネットをキャリブレーションできるので、対バンにも差を付けられますよ(笑)。“ゲーム・チェンジャー”になりうる製品だと思います。

     ME-90Bもサブとして導入しているんですけど、もともと僕はME-50Bユーザーだったんです。ME-50Bは学生時代にアメリカで買って、プロになって仕事をし始めたときも使っていたのでME-90Bが出たってだけで胸アツでした。筐体も同じ系統の色だし(笑)。やっぱりツマミが並んでいるっていうアナログ感が良いんですよね。演奏中も修正しやすいです。自分はアンプを使えないシチュエーションを除いて、アンプで音を作るようにしているのでME-90Bはあくまでエフェクター的な使い方ですね。バンドで使うときはメモリー・モードでプリセットを組んで、曲中のセクションでバンクを変えていくんですけど、セッションとか反応速度が必要なときはマニュアル・モードで飛び道具的に使いたくなります。ME-90Bはどの音色もかなりクオリティが高くて、音色の種類も豊富。実機の雰囲気に肉薄するモデリングもたくさん入っているのにこの価格帯ってことも魅力ですよね。

     KATANA-500 Bass HeadもME-90Bも最新のデジタル機材なわけですが、デジタル機材って本当に日々成長しているなと思います。音色も操作性も自然なアナログ感が出せるようになって、むしろデジタル機材だってことを感じさせない。この価格帯だからといって音色面で妥協した感じもないですし、プロでも通用するレベルの音色。アマチュアでも手が出しやすい価格なので、日本のベーシストのレベルアップにもつながっていくんじゃないかなと思います。

    ◎Profile
    せきや・ともたか●踊れるジャズ・バンドTRI4THのベーシスト。2018年にSMEレコーズよりメジャー・デビューし、5枚のアルバムをリリース。SUMMER SONICやFUJI ROCK FESTIVALなどのロック・フェスから、東京JAZZをはじめとする国内外のジャズ・フェスに出演し、エフェクティブで色彩豊かなウッド・ベースから繰り出されるグルーヴ感には定評がある。また音楽制作チーム“MISSING Sound Tracks”でのアーティストへの楽曲提供、教則本『3年後、確実にジャズ・ベースが弾ける練習法』の出版など、活動は多岐にわたる。2024年8月4日(日)には、関谷のほか、Ju-ken、小野裕基(wacci)が出演するイベント“Bass Crew Vol.3”が小伝馬町プチバトーにて開催される(予約はコチラより)。

    ◎Information
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